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自分の街で東京都議選を盛り上げたい!杉並区の大学生とNYNJの挑戦

「生まれ育った杉並区の同世代に、選挙で投票することの大切さを伝えたい」

2021年7月4日に行われた東京都議会議員選挙。東京都杉並区出身の大学生15名によるSuginami VotersとNO YOUTH NO JAPANが協働で「VOTE FOR SUGINAMI」を実施しました。
Suginami voters(地元団体)からの連絡がきっかけとなり、NYNJが協力させて頂く形となった、このVOTE FOR プロジェクト。地方選挙での初のコラボとなった挑戦の記録を振り返ります。

VOTE FOR MYTOWNとは?
NYNJが地方選挙の際に実施するプロジェクト。その地域に住むU30を募集し、候補者インタビューの実施、SNSで選挙情報の発信、地域での選挙割企画の実施など様々な取り組みを行っています。

「身近な生活に密接に関わる地方選挙でこそ、投票を呼びかけることに意味がある」

「若者の投票率の低さは学校で選挙や政治を形式的に学んでも、選挙は未来を選ぶ機会だという期待や責任を感じることは少ないからなのではないか」そんな課題感を抱いていたSuginami Voters発起人の大津樹音(おおつ・きおと)(以下、大津)。

大津は、「コロナ禍で友達とも気軽に会えない中でも、自分の問題意識を行動に移したい」という思いから、杉並区の野球チームで高校時代を共に過ごした15名の友人に声を掛け、杉並区の20歳の投票率向上を目指すSuginami Votersを立ち上げました。

そんな大津が、「自分の街の若者の投票率を上げたい」とNO YOUTH NO JAPAN宛に連絡をくれたのがVOTE FOR SUGINAMIの始まりでした。
身近な生活に密接に関わる地方選挙でこそ、投票を呼びかけることに意味がある。まずは自分が生まれ育った杉並区で同年代に投票の大切さを呼びかけたい」、そんな大津の思いに後押しされ、2団体が協同でVOTE FOR SUGINAMIプロジェクトが立ち上げました。

VOTE FOR SUGINAMIの取り組み

VOTE FOR SUGINAMIでは「東京都議会議員選挙で杉並区の20代の投票率を70%に」をコンセプトに、オンライン・オフライン問わず様々な企画を実施しました。

①Instagramでの情報発信
おすすめスポット・区の取り組みなどの杉並区の情報や、投票の仕方や候補者情報など、選挙に関する情報を発信しました。

② 候補者アンケート
杉並区の候補者12名に、アンケートを実施しました。「杉並区のコロナ対策についてどのように考えているか」や「環境対策についてどのように考えているか」などU30が関心を持ちやすい質問を送付し、9名の候補者の方にご回答いただきました。それぞれの回答はインスタグラムにて紹介しました。

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※Instagramの投稿は事情により削除しています。

③投票所はあっちプロジェクト
「投票はあっちプロジェクト」とは、2006年にコトラボさんによって行われた投票率向上のための活動「 KOTOBUKI選挙へ行こうキャンペーン 」から派生したプロジェクト。「投票所はあっち」と書いたパネルを持ち、SNSの発信や街頭での練り歩きを通じて、投票を呼びかけるというものです。
VOTE FOR SUGINAMIも「投票はあっちプロジェクト」に参加「投票はあっち」と書かれた矢印を持って街で出会った人と写真を撮り、SNSなどでシェアしました。

※ 写真撮影のためマスクを一時外しています。投票所はあっちプロジェクトへは十分な感染対策を行った上で参加しました。

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また、この取組は、杉並区の地域メディア「号外NET 杉並区」にてご紹介頂きました。

④選挙割
杉並区の飲食店など6店舗のご協力のもと選挙割の企画を実施しました。選挙割とは、投票済証明書を提示すると、特定の飲食店などで割引や特典サービスが受けられるというもの。各店舗で割引内容を自由に記入できるポスターを作成し、選挙割を実施頂く店舗に配布しました。

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「自分の住む街の投票率を上げたい!」を原動力に。Suginami Voters メンバーの思い

VOTE FOR SUGINAMIを実施できたのも、Suginami VotersがNO YOUTH NO JAPANに「自分の住む街の投票率を上げたい!」と連絡をくれたから。熱い思いを持つSuginami Voters の代表2名に、プロジェクトを終えた思いを聞きました。

大津樹音さん(Suginami Voters 発起人・代表)
VOTE FOR SUGINAMIを実施する中で、周りの友人がこの活動に対する賛同の声を届けてくれて、若者は決して社会に無関心ではないということが分かりました。一方で、大人側も若者との関わり方に悩んでいることも新たな発見でした。候補者にアンケートを依頼した際には、わざわざ電話まで入れてくださる候補者の方もいらっしゃいました。「私も若い人にどうアプローチすればよいかわからない。若い人がこうして主体的に社会に参加しようとする姿勢は頼もしい」と言われた時は、やりがいを感じました。
若者の声を届けると同時に、大人側との接点を持っていくことは今後取り組んでいきたいと思います。
後藤佑典(Suginami Voters 代表)
NO YOUTH NO JAPANの皆様にもご協力いただき、若者世代の投票率向上に向けて、様々な取り組みを行ってきました。一方、まだ目立った結果を残せていないと感じています。このまま若者の選挙離れが進めば、若者たちはどんどん社会から隔絶され、孤立してしまうと危惧しています。そのような事態を阻止するためにも、応援してくださる皆様の期待に応えるためにも、これからも活動をつづけていきたいです。私たちの活動が、1人でも多くの皆様の「社会に関わるきっかけ」となれば幸いです。

「地方選挙プロジェクトだからこそ『社会に響かせられた声』があった」NYNJメンバーの思い

NYNJとして、外部の団体さん発案で、地方選挙のプロジェクトに協働で取り組むのは初めてのことでした。Suginami Voters と共にVOTE FOR SUGINAMIを試行錯誤しながら、引っ張ってくれたNYNJメンバーの思いを聞きました。

矢部美咲(NO YOUTH NO JAPANメンバー)
Suginami Votersのみなさんの「地元、杉並のために何かしたい!」という真っ直ぐで熱い気持ちにとても刺激を受けました。活動を続ける中で「インスタのフォロワーが増えた」、「僕たちの活動を知って、沖縄の友達も地元で同じことをしたいと連絡をくれた」など、私たちの取り組みが確実に誰かに届いているという実感が湧き、モチベーションにつながりました。また、プロジェクトを進める中で実際に候補者の方の生の声を聞くことができ、自分たちの生活と政治の距離感が自分の中で大きく縮まったように感じました。
足立あゆみ(NO YOUTH NO JAPANメンバー)
今後も、NO YOUTH NO JAPANのメンバーとして若者の投票のハードルを下げる情報発信や、地元の若者に選挙に関心を持ってもらうように活動しようとしてる各地の人のお手伝いがしたいです。NO YOUTH NO JAPANの取り組みに共感して、日本各地でU30に投票を呼び掛けるプロジェクトをやってくれる人が増えたり、シェアしてくれる人が増えたりして、若者と選挙を身近にする動きが全国で広がれば嬉しいです。どういう取り組みが効果的なのか、今後も模索していきたいです。

地方選挙は、自分たちが生きるまちの政治家に声を届ける機会。まずはわたしたちが生きている地域を、少しでもわたしたちが生きたい社会にしよう。
NO YOUTH NO JAPANは、今後も地方選挙のU30投票率向上を目指す企画に取り組んでいくとともに、同じ想いを持つ団体さんが地方選挙を盛り上げるためのお手伝いができればと思っています。

「自分の住む街の投票率を上げたい!」という思いをお持ちのみなさん、ぜひお気軽にご連絡下さい!

(文=矢部美咲)

NO YOUTH NO JAPANのInstagramの投稿を続けるためのデザイナーさんへの依頼料と活動の運営経費にさせていただきます!