天下の馬鹿ゲー『F-ZERO99』で"競争"ならぬ"狂騒"を楽しもう!
2023年10月。
最近は『F-ZERO99』を楽しんでます。これ面白過ぎます。
99人同時対戦の「なんちゃら99」というソフトは、これまで任天堂オンライン会員用の無料コンテンツとして数多く配信されてきましたが、それらの中で、これは1、2を争う面白さでしょう。
どこが、そんなに面白いのか?
プレイしてみればわかります。これは「馬鹿ゲー」なのです。ゲーム開始から終了まで、ひたすら、どったんばったん大騒ぎ! の数分間が続くゲームです。その狂騒ぶりが、めちゃくちゃ面白いのですよ。
画面を見てください。マシンが入り乱れまくりです。
1990年発売の『F-ZERO』は、もともと1人プレイ用のストイックなレースゲームでありまして、抜きつ抜かれつのレース展開を想定したサーキット・デザインにはなっておりません。
そのサーキットが、多人数同時プレイの舞台になりました。99台のマシンがひしめきあいます。このため、そのレースは徹頭徹尾、どったんばったん大騒ぎ! になるわけです。
レース中は、つねに前後左右に何十台ものライバル車がいます。がっちん、ごっちん、とぶつかりまくります。ときには上からマシンが降ってくる(詳しくは後述します)こともあって、もう滅茶苦茶なのです。
たとえるならば、年明けのニュースでよく話題になる、西宮神社の「福男選び」みたいなもんです。本当は大勢で走るべきじゃない狭い順路を、大人数で、一斉に、全力で駆け抜ける。そんなもん、収拾のつかない狂騒が巻き起こるに決まってるのですよ。
いかがでしょう? とことん馬鹿ゲーでしょ? こんな狂騒の中で展開するゲームを「馬鹿ゲー」と呼ばないのなら、なにを馬鹿ゲーと呼ぶのか教えてほしいくらいです。
もちろん、異論を持つ方もいるでしょう。
もととなる『F-ZERO』を心から愛している人は、『F-ZERO99』にストイックに挑戦しているかもしれません。ちゃんと練習し、サーキットごとの攻略法を熟考し、どうすればトップに立てるのか、感覚を研ぎ澄ませて挑んでいるのでしょう。
でも、このコラムでは、そういった上級者プレイヤーのことは、まるっと無視させていただきます。
わたしの知らないエリア――膨大なマシンの群れの前方のあたり――では、上級者たちが鎬(しのぎ)を削るアツい戦いを繰り広げているのでしょう。でも、平凡なゲームの腕前しか持たないわたしにとって、それは与(あずか)り知らないことです。
わたしを含め、世の中の90%くらいは平凡な腕前のプレイヤーですし、そんな凡人にとって、これはどったんばったん大騒ぎ! な狂騒に巻き込まれるしかないゲームです。ならば、これはとびきりの馬鹿ゲーだ! と大きな声で叫んでも、とくに問題もないでしょう。
というわけで、あまりゲームが得意じゃない方こそ、この素晴らしき馬鹿ゲーを、ぜひプレイしてほしいなぁ、と強く思います。
だってこれ、馬鹿ゲーなんだから、気軽な気持ちで参加していいんですよ。しっちゃかめっちゃかなレースを、ただ楽しめばいいのです。
ゴール時の順位が低かったとしても、気にする必要はありません。「混雑に巻き込まれたんだから、しょうがないよなぁ」と笑い飛ばしましょう。
ときには、とくに上達したわけじゃないのに、ふっ、と中位に行けちゃうこともあります。おおざっぱに説明しますと、上手い人たちはマシンの防御力を削ってでもスピードを優先するようなレースをしているので、その代償として、わずかなミスでマシンが大破し、リタイヤに追い込まれることがあるんですね。こういうレース展開になると、こちらが何もしなくても、勝手に順位が上がっていくのです。
こうして、漁夫の利がたっぷりもらえて大ラッキー! みいたな状況が発生することがあるあたりも、馬鹿ゲーっぽくていいんですよね。ぜひ楽しんて下さいませ。
とはいえ、あまりに順位が低いと、レース途中でリタイヤさせられることになります。おそらく「意図的に周回遅れになって、先頭集団の妨害をする」ようなプレイを防ぐためでしょう。
こうした強制リタイヤを回避し、マシン集団の中での大騒ぎを楽しむためには、そこそこ順位を上げておく必要があります。そのためのコツを、ひとつだけアドバイスしておきましょう。
それが「スカイウェイ」です。
このレースには「スカイウェイ」という別サーキットが存在します。特定の条件を満たすと、本来のサーキットの上空に別コースが出現し、そちらに移動して地上のマシンを一気にゴボウ抜きできるのです。(一定の時間が過ぎると、強制的に地上のサーキットに舞い降りることとなります)
この「スカイウェイ」を、どのタイミングで活用するかが、このゲームの最大の攻略ポイント。地上のサーキットには、コーナーが連続するところなど、混雑が起きやすいポイントが存在しますので、そこを回避するように「スカイウェイ」へ移動すると、一気に順位を上げることができるんですね。
レース開始前に、サーキットの雰囲気を紹介するかのようなシーンが流れますが、そこで紹介されている箇所が、「スカイウェイ」を利用すると順位を上げられるポイントのひとつです。これを知っているだけで、けっこう成績が上がると思いますよ。
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