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おめでとうを、言い忘れてます。 #クリスマス金曜トワイライト

今年もあと2時間。一年と、歳が終わる。

良いことと悪いことはだいたい半々くらいになると言われているけれど、真っ赤な嘘だ。そんな理論を提唱したやつ、正座で小一時間問い詰めたい。だって、悪いことは悪いことを呼ぶ。そう、控えめに言って、クソみたいな一年だったぞ。もうすぐ終わるし。

悪態をつきながら、エレベーターのボタンを押す。反応の悪さにも、イラつく。23階。もうほとんど働いているやつなんていないはずなのに、なかなか上がって来ないエレベーターを待つ間も、こころが落ち着かない。

こんなんなら、最初から全部自分でやればよかったな。

年明けの競合相手のプレゼン。予算的にも最適な提案をまとめたのに、よくわからない上司や他部署やメンバーにこねくり回されて、最後には帳尻合わせにこんな時間までかかってしまった。というか規模的に十中八九負け戦なのに、力の入れどころが合ってない。浮かびまくる「なんで?」に蓋をしながら、資料のデザインずれ一つひとつ、言葉のブレ一つひとつを修整していくたびにいちいちイライラが積み上がる。

どうせ。
なんの意味が。
ですから。

ここのところ、ずっとこの三点セットが定番メニューになって心に居座っている。
「誰かの息遣いや想いを届ける仕事がしたいんです!」なんて息巻きて入社してから数年。新しい風を起こしてくださいとか偉い人の講話をお聞きするたびに、こんな高層ビルに籠もってても窓も開けられないしって返すくらいにはやり過ごすことに慣れてしまった。上手くなったことといえば、いろんな人の落としどころを見つけることと経費精算と自分と折り合いをつける騙し方くらいだ。このイライラも一時的なもの。徹夜明けで、空腹なだけ。たぶん。

チンッ。

馴染みの警備員さんに挨拶して、エントランスを出る。眩しいイルミネーションがチラつくのが妬ましい。クリスマスの生き残りのくせに、と漏らした息は真っ白だった。

なんか、虚しいな。

体の奥の方で、何にもない音がする。再生していないイヤホンを耳につけっぱなしにしたときみたいな、何もない音。
ああ、なんとかして自分を鼓舞しないと帰れそうもない。お酒か甘いものを要求している。全身一致の要求だ。こんなときばっかり意見が揃う。逆らえそうもない。

ふと、一階のカフェはやってるなと思い立ち、通りに面した入口に回ると、やっぱりまだやっていた。やった。

「いらっしゃいませ」

いた。バリスタのカワサキさんだ。
お客さんは俺だけだった。なんとなく緊張してしまう。

缶詰になることも多い仕事だから、ビルや周辺のちょっと可愛い店員、イケメンの話題はいつだって盛り上がる。バリスタのカワサキさんは、コンビニの女子大生と地下スーパーの美人店長の前に話題になった。そしてむちゃくちゃ流行り廃りが早い。すぐに誰かが見つけてきては、もう少し直接的かつ失礼な呼び名がついて、いつの間にか次が現れる。
部長なんか笑いながら「都会の背景の話題は、いつの時代も変わらないもんだな」なんて、それっぽいこと言ってたっけ。

「……温めますか?」
「……えっ?」
「ベーグル、温めますか?」
「あ、どうも……」

やばい全然聞いてなかった。トンチンカンな回答してしまった。(トンチンカンってこんな時使うんだな)バリスタのカワサキさんはちょっと考えてから「お席でお待ちください」と微笑んだ。よかった。

バリスタのカワサキさんと(心の中で)呼んでるのは、俺だけだ。話題が地下スーパーの美人店長に移ろい始めた頃、早朝、通用口から帰ろうとしたとき(この日も徹夜だった)大きなバイクが派手な音をたてて駐車した。1000cc越えのカワサキの大型バイク。ヘルメットを脱ぐと、見慣れたベビーフェイスのショートカット。小柄のせいか、緑色の車体がやけに大きく見えた。

ぼっーと見ていたら不意に目が合ってしまい、軽く会釈すると彼女もニコッと笑ってくれた。それから、彼女はカフェの可愛い店員さんという背景から、バリスタのカワサキさんになった。

バリスタのカワサキさんは早番らしく、遅い時間にいるのは珍しい。(別に調べたわけじゃなくて習慣的に知っただけだ)ちなみにクリスマスイブもクリスマスもシフトに入ってた。(これもちょうどそのへん缶詰だったからわかっただけ)

「お待たせしましたー。お疲れ様です」

またも不意打ちに声をかけられて、もごもごと上手く答えられなかった。初めて食べる甘いシュガーベーグルに手をつける。

「珍しいですね、甘いやつ。好きなんですか?」「……食べますよ。ちょっと、今日は疲れてて」「大晦日ですもんね、遅くまでお疲れ様です」

そのままじーっとこっちを見ている。
あれ、俺なんかした?めちゃくちゃ食べにくい。何か、話したほうがいい?いつもの一口ってどのくらいだっけ?

「……俺、明日誕生日なんですよ。珍しいでしょ1月1日生まれ」
「えーっ……!?」

あれ、違う……?なんか言わなきゃって思ったのに、苦し紛れの話題にしては最悪だ。初対面(初会話?)で誕生日アピールとか、ないなこれ。

何かを察したのか「ちょっと待っててください」と言い残して、彼女はカウンターに戻った。ああ、やっぱり悪いことは悪いことを呼ぶ。全身一致で帰ればよかった。すくにでも飲みたい。

「ハッピーバースデイ!」

しばらくして、彼女は1ピースのケーキを持ってきた。ていねいに細いロウソクが一本立てられ揺らめいている。

「何してるんですか?消して消して!」

あ、そっか。笑い声に急かされ何年かぶりにケーキのロウソクを吹き消す。

「願いごと、ちゃんとしました?」
「えっと……、忘れました。」

そんな余裕なかったし。

「ちゃんとしなきゃダメですよ。できなだけ具体的に、期限とかも決めて。あ、最後には住所と氏名も忘れずに。」
「それじゃ、初詣じゃないですか。」
「そっか、そうですね!」

「でも、願いごとはちゃんとあったほうがいいですよ」ニコッと笑う彼女の顔が、なんとなくいつもの営業スマイルじゃない気がした。まぶしい。

「なんか、すみません。」
「あ、気にしないでください。実は今日、わたし誕生日なんです」

スタッフのみんながお祝いにケーキをくれたが、みんながみんなくれたからピースのケーキがホールになっちゃって。がんばって食べたんですけど食べ切れなくて困ってたんです。ケーキって、やさしさとかしあわせの象徴って気がするから、無駄にしたくなくて。助かっちゃいました。

チリリンッ。

矢継ぎ早にそんなことを言ってるうちに、別のお客さんが入ってくる。

「いらっしゃいませー!」

「内緒でお願いしますね。良いお年を!」とひそひそ声で囁いて、彼女は仕事に戻っていった。良いこと悪いこと理論は、正しいのかもしれない。良いお年です。

「ほんと、困りますからね!次は絶対ないようにしてください。」
「まことに申し訳ありません……」

yoshikiばりにぐるんぐるんするほど、謝り過ぎて下げた首が痛い。

これ、俺の仕事だっけ……?

現場の道路の使用許可を取ってなかったため、警察からこっぴどく追求される羽目になった。最後にはとにかく謝るしかなくなって、八方塞がり。ふだんはこんなことないのに、まさに厄日だ。年が明けても良いことが来ないから、厄年かもしれない。あれ、今年前厄だっけ?後厄だっけ?とにかく、やっぱり悪いことは悪いことを呼ぶ。年またぎで。

しかも会社に戻ったら、経費精算にミスがあったらしく部長にもめちゃくちゃ詰められる始末。もう少しで「そんなの覚えてねぇよ!」と口に出そうになってしまった。危ない危ない。

残務処理を終えて、頭を冷やそうと外に出た。風が冷たい。会社から少し離れた、国道沿いのビルの谷間に神社がある。通称・田町八幡。(正式には御田八幡とグーグルで知った)ちょっと階段が休できつく、そのぶんほとんどひとがいない。文字通り息が詰まったとき、息抜きにいく。

階段を登ると、小高い丘に小さな社がある。木造拝殿の後ろは深い森になっている。お参りを済ませて、なんとなくおみくじを引いた。なんと大吉だった。

『仕事・自身の心次第』
うるせぇ。

『健康・甘いものを控えよ』
余計なお世話。

『恋人・あわてず心を見よ』
……。

大吉って良いこと書いてあるんじゃないの?おみくじにまで詰められるですか神様……、と罰当たりな文句を心に垂れながら境内を歩いていたら、国道が見渡せる眺めのいいベンチに、いた。バリスタのカワサキさん、いた。いました。

息を整えて、ゆっくりと大きく円を描くように回り込んで近づいていく。大丈夫、平静です。ゆっくりと覗き込む仕草をして会釈。

「あ!」

ニコッと笑って、カワサキさんは肩にかけていたショルダーバッグにメモ帳をしまうと、何か言いかけてこっちの目をじっと見つめてました。眼の色が少し青みがかった澄んだ目。光彩の輪郭が淡い風合いで吸い込まれそう。神様、大吉です。

「あの……わたしおみくじに、待ち人は遅れて来たるって書いてあったんです。あ、おみくじ引きました?」

この間はどうも。あのベーグルおいしいですよね。実は隠しメニューがあって……。とりとめのない話をしながら、なんとなく癖で名刺を渡す。彼女は働きながら、デザインの勉強をしていた。業態も近いし、何かの縁?と思いたい。バリスタのカワサキさんは背景から抜き出て、色がついてら一気にリアルな存在になった。

厄日の大吉。天にも登るような出来事。でも、それ以上良いことは続かなかった。半々なら、もう少しあってもいいはずなのに。

毎朝のように一階のカフェを覗いても、いつしかカワサキさんを見かけなくなった。

クソ忙しい。犬みたいに働いている。
って歌ってたのは誰だっけ。
でも、なるようになるさで仕事は回らない。

その日は、ロケ撮影を何箇所も何箇所も短時間で撮って廻る鬼スケジュールだった。ロケ現場は大量の弁当の手配やタレントの人よけをしたり大変だけど、スタジオを借りるよりも経費もかからない。だから、ロケは増えていくばかり。

しかもいろんな都合の兼ね合いを縫うように調整していくから繁閑差が激しい。めちゃくちゃ忙しいと思ったら、何もすることがない。トイレにいく暇もないと思ったら、充電切れるまでスマホでゲームしてた、なんてのが日常茶飯事だ。

繁閑の繁のほう。忙しいの隙をついて、トイレ休憩で第三京浜の三沢サービスエリアに寄った。その時、駐車場の端に何台も並ぶバイクのなか、一台の緑色のカワサキが見えた。周りを見回してカワサキさんの姿を探す。いるはずない、って歌ってたのは山崎まさよしだっけ?たむろっているライダー達の中に彼女の姿はない。まあ、同じ型のバイクなんてたくさんあるよな。なんとなくガッカリして、トイレを済ましてロケバスに戻ろうとした時、ベンチに座るカワサキさんと目が合った。

びっくりしてハンドタオルを落とした。風に吹かれてカワサキさんの足元に飛ばされていく。口をパクパクさせるけど、言葉が出てこなきゃ。そのまま長い時間、お互いの目を見て動かなかった。(実際は数秒だった)

「おみくじ。またこの前引いたんです。覚えてます?」

先に話したのは彼女のほうだった。ニコッと笑って頷くと、拾ったハンドタオルを手渡してくれる。

「ええ。もちろん。で、大吉でしたか?」

青いデニムに革のジャケットが似合ってる。素敵ですね、って言えればいいのに。
俺はこれからロケで大変なんだと話すと、カワサキさんは事故って少し入院してたと話してくれた。カワサキさんはペロッと小さく舌を出すと首をすくめて顔をくしゃくしゃに笑った。
冬なのに熱い。死ねる。空も飛べる、って歌ってたのはスピッツだっけ。

「一度聞いてみたかったんですけど」
「なんですか?」
「それ、なんで乗ってるんですか?」
「ああ、大っきくて変ですよね」

「扇風機にあ〜ッてするの、好きですか?」小さい頃、めちゃくちゃ暑い夏の日になんとクーラーが壊れたんです。んで、扇風機を回してたんですけど、それも壊れて。悪いことって悪いことを呼びますよね。んで、あまりに熱くて、あの国道の坂のところわかります?わたしあそこを自転車で何度も下ったんですよ。登るときは暑いんですけど、シャーって下ってるときは風を感じて涼しい。その時、わたし当たり前なんですけど風って自分で作れるんだって思ったんです。わたしにはすごく発見で。自分が走れば、風を感じられる。そんな気持ちを追いかけてたら、自転車からこの子まできちゃいました。あ、ちなみにこの話をドヤ顔で母にしたら爆笑しながらうちわを渡されました。笑

「あー先輩!こんなとこにいた!!!もう出ますよ!!!!なにしてんすか!!!!」

後輩の声で会話が途切れる。そのまま無視して、彼女に話そうとしても次の言葉が出ない。出ろ!なんか、出せ!

「あの……また会えますか!?」
「来週からいますよ。今日はリハビリrideなんです。ロケ頑張ってくださいね」

ロケバスでハンドタオルを握りしめてニヤニヤしているのを気にする人は誰もいなかった。後輩だけが訝しげに(いぶかしげってこういうとき使うんだな)見ながら文句を言ってくる。遅れたらどうするんですか!ちゃんとしてください!言葉の牙に刺されながら、上の空で謝った。この日の仕事はあっという間に終わり、何も覚えてない。記憶は三沢パーキングエリアで止まっていた。

それから、バリスタのカワサキさんといろんなタイミングでめぐり合った。カフェで話し込んだり、シフト終わりに飲みにいったり、ツーリング中の彼女を目撃したり。俺が後輩と、彼女が男友達と一緒のときもあった。だけど、大吉は大吉以上にならない。もう恋なんてしないなんて、歌ってたのはマッキーだっけ。恋にも愛にも進まないまま、それ以上近寄ることはなかった。松本に相談することもなかった。

縁はあっても、深い縁にはならない。ボタン一つで23階分を降りるように、簡単に深くなればいいのに。でも、現実なんてこんなもんだ。わかりやすく、ちょうどいい具合の便利な関係に収まっていく。

カップを受け取る時に二人でごはんにでも誘えばよかったのかもしれない。だけど、そんな風は吹かなかった。熱いコーヒーに息を吹きかけながら、白い湯気越しに彼女を見ることが増えていく。

そしてますます仕事に忙殺される日々が続き、一年が経ち、また次の冬が来る頃、カフェで朝のコーヒーを受け取った時だった。

「ちょっと待っててくださいね。」

「これオマケです」と渡されたのは、透明な袋に入った小さな焼き菓子だった。

「うわ。嬉しいです。このあとのミーティングで食べます。もう疲れて死にそうだから……。ありがとう」
「きっと効きますよ。特製ですから」

いつも通りニコッと笑うと、次のオーダーへと吸い込まれていく。

「お前、もっかい先方に話を聞いてこい。」

疲れて死にそうなのは本当だった。予算的にもこれ以上ない。答えは決まってるようなもんなのに、何を話す必要があるのか。
気が遠くなるような果てしなく長いミーティングの終わり、結局結論は持ち越しになったあと、部長に一人呼び出される。

「でも、」
「いいから行ってこい。その後でいいから、お前の一番を出し直せ」

「はい」と、ため息にもならない声を漏らしてトイレに逃げる。男子トイレの窓の外の景色は夕闇に包まれていた。23階の景色は富士山が手に取れるように近い。最初は感動したものだったけれど、毎日見ているうちに見慣れてしまった。でも、今日の夕陽は少し色が違うように感じる。

お前、今日「ですから」って何回言った?

退室しようとした俺を呼び止めて、部長が言った言葉がぐるぐる頭をめぐる。

チンッ。

エレベーターに乗り込み、コートの袖を通す。ポケットに手を突っ込むと、クシャッとビニールの音がした。

元気、だそう。

焼き菓子を口に放り込むと、甘く少しスッとする香りがした。おいしい。

透明な袋を裏返すと、シールでメッセージが貼り付けてあった。手書きで、ていねいな字。

『しばらくバイク旅に出ます。つづきは、おみくじを引いてください』

新人の警備員さんに挨拶して、エントランスを出る。今年も眩しいイルミネーションがチラつくのが妬ましい。漏らした息は真っ白だ。

足早に田町八幡へ向かう。日が暮れる。境内の灯りは寂しさを募らせる。

「大吉のくせに」

大吉って大凶でもあるから、今日は大凶かもな。おみくじを開こうとした瞬間、冷たい風が吹いてさらっていった。

「なんだよ……!!」

飛ばされたおみくじは、ちょうど端っこの絵馬に引っかかってくれた。バイクの絵が描いてある。

『理由があってバイク旅をしてきます。もし私のことを覚えていてくれたら、来年の大晦日にココで会いたいです。そして除夜の鐘を一緒に鳴らしましょう』

ああ、ちゃんと繋がってたんだな。便利な関係に逃げて、一歩踏み出せなかったのは、俺のほうだったんだ。

「温めますか?」
彼女の声が聞こえた気がする。

「どうも」
空を見上げて呟く。都会で見えるはずなんてないのに、すーっと星が流れたように感じる。

ちくしょう。

俺は、俺のことばっかりだ。本当は仕事なんてやめて、どこだってついて行くのに。嘘だ。やめたくない。誰かの息遣いや想いを届ける仕事がしたい。笑える。こんなに近くの想いに、たった一歩踏み出せなかったくせに。それでも。

ふとしたきっかけで、気持ちが折れてしまうかもしれない。忘れたくない。ポケットからボールペンを出して、絵馬に書き足す。

『おめでとうを、言い忘れてます。』

大晦日にはケーキを買ってこよう。あなたの息遣いが聴こえる距離で、あなたの願いを聞かせてほしい。それまで、二人の間に何かがあることを信じる。たとえ何もなかったとしても、信じるチカラをください。神様、大吉でしょ。

彼女は今どの辺にいるのだろうか。たしかなものは何もない。
深く息を吸った。森の匂いが心地よい。冬の空は澄んでいた。空はどこまでも繋がっている。何時でも、いつまでも繋がっている。そして信じていれば、ボタン一つ押すくらいのたった一歩の勇気があれば、この空を23階分降りて、きっと幸せになれるのだと。

なんとなく、走った。大股の足で、階段を駆ける。
火照った顔が風を切る。冬の空気は冷たいのに、頬にひとすじが、温かかい。

おわり

追記

なぜその作品をリライトに選んだのか?

リライトって難しいと思って読み専だったのですが、直前に友人の経験をもとにした創作エッセイを書いたのが楽しかったのです。

(別プラットフォームの限定公開だったので許可をもらってnoteで公開。体験をもとにしたダンス動画もあり、観ながら書きました)

なので、池松さんの小説も誰かの経験として見つけ直せばかけるのでは?と思い、4本のうち「離れていても温めますか」を選んで書きました。

なんで「離れていても温めますか」にしたのかというと、風が吹かない話が実体験のように感じられたから。恋愛って、風が吹いてほしいじゃないですか?スナックの自販機が詰まって出会ったり、曲がり角でぶつかったり、捨て猫拾うところを陰から見たり。でも、吹かない。そんなところが素敵だと思いました。池松さんの小説は、一度通った人にしかわからないやさしさが溢れていて好きです。

どこにフォーカスしてリライトしたのか?

初めて読んだとき「風」が象徴的だなぁと感じたので、意図的に「風」を「息」に置き換えています。出来事を事実だけ抽出して、自分の願いや思いを詰め直して、人物を組み立て直して、テーマを見つつ書き進めてみました。
結果、キャラクターがまったく違うものになっているので、すみません……。
主人公はこのあと、なんかちょっとだけいい仕事しそう!って思ってもらえたらうれしくて、バリスタのカワサキさんはとにかく好き過ぎましたありがとうございます。

あと、最近のタイムラインが暗い話題が多いので、もうめちゃくちゃ甘々に、ゲロ甘にしたくて、コージーコーナーのシュークリームに練乳イチゴ添えて食べるくらい甘くしていこうと意気込んだら甘い越してちょっとキモいになったのも発見でした。まじかわたし。

初めてリライト&この文量の小説を書いたのですが、めちゃくちゃ刺激的で楽しかったです!池松さん、ありがとうございました!!


待てうかつに近づくなエッセイにされるぞ あ、ああ……あー!ありがとうございます!!