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双極の波が凪ぐまで

双極と診断された時
到底受け入れられずもがき苦しんだ

その後、心理教育を受ける機会に恵まれ
たくさんの当事者にも出会った

正しい知識を得て実践し
今はある程度コントロール可能になった

2年ものカウンセリングと自問自答で
過食、AC、依存から抜け出した

新たな環境に身を置き、自立も出来た
もうすぐお世話になった病院から転院する

まだ寛解とはいえないけれど
躁うつの波が凪ぐまでの軌跡を残そうと思う


〈目次〉

・診断
・心理教育
  兆候の把握
  ライフチャート
・カウンセリング
・さいごに


【診断】

初めて心療内科を受診したのは8年前

パワハラがきっかけで軽いうつ状態に

診断は気分変調症だった


1年で通院をやめた

今考えると躁転しただけだった


3年前、再び心療内科へ

離婚、両親の同時入院で不安に襲われた


半年通院したものの
主治医は病名を明かさなかった


引っ越しで病院を変え、転機が訪れた

自ら疑っていた双極性障害と診断された


病気と向き合うことに抵抗があった

障害だなんて信じたくなかった


それでも一歩踏み出した

受け入れなければ前に進めないから


【心理教育】


通院先で心理教育を取り入れていた

精神科医から病気に対する正しい知識と
対処法を学ぶことが出来た

偏見について思うところはあるけれど
障害であることと
生涯にわたる服薬を受け入れた


心理教育で特に役に立ったのは次の二つ

①躁やうつの兆候の把握

 これを知ることで症状をコントロール
 しやすくなった

 個人差はあるものの、一例として
 私の兆候を挙げてみる

 〈躁〉

 衝動買い
 カードの明細が増える
 よく喋る
 SNSの投稿が増える
 睡眠時間の減少
 予定を詰め込む
 アイディアが溢れる
 頑張り過ぎる
 急に資格を取りたくなる

 〈うつ〉
 
 動悸
 体が重い、気が重い
 布団から起き上がれない
 外に出たくない
 シャワーや歯磨きすらしんどい
 根拠のない不安が押し寄せる
 希死念慮


自分なりの対処法も確立しつつある

主治医の教えは
「躁は休め、うつは動け」だ

ただし症状の度合いは人それぞれなので
-5のうつは寝ていた方がいい

私の場合、-2までは動ける

また、うつは緩やかに落ちるが
躁は上がるスピードが早い

だから躁の対処は早めが肝心

上がっていることを自覚し
薬と睡眠・休息をしっかり取る


何より「睡眠・運動・食事」が大切

乱れた生活習慣がうつを引き起こしかねない

日常を丁寧に暮らすことが
双極の波を穏やかにしてくれた

 

②ライフチャート
 
 失敗を繰り返さないため
 過去の振り返りをするプログラムを受けた

 私の場合、発症は二十歳と推測される

 それ以前に、中2と19歳で
 二度自殺未遂をしている

 原因はいじめとうつ状態

 成人しても、うつになるたび
 希死念慮はつきまとった

 根底に自己肯定感の低さが
 あったからだと思う


 双極は転職、結婚離婚、引越などを
 繰り返しやすい

 転職6回、離婚2回、引越13回
 居場所を求めて藁をも掴む思いだった

 セクハラ上司に啖呵切って辞めたり
 ゆかりのない土地へ突然引っ越したり

 何がきっかけでそういう行動に出るのか
 躁状態と考えると腑に落ちた

 双極は社会的に取り返しのつかない
 大失敗をすることがある
 
 病識をつけ、気づきを得ることで
 回避できる失敗があると学んだ


 
【カウンセリング】

二十歳から断続的にカウンセリングを受けた
けれど費用がかかるので続けられなかった

通院先で自立支援が使うことができたので
過食をきっかけに自分と向き合うことにした

かさぶたをはがし
過去を整理しなおすのは苦しかった

親のことを許すのに時間が掛かった
心の土台をあの手この手で補強した

とにかく自己肯定感が低かった
支えるものが何もなかった

当事者会、趣味、仕事の評価
「支えを増やす」ことを意識した

ありのままの自分を受け入れようと
ハードルを下げる努力をした


自分が嫌いで
自分を傷つけてばかりいた

「幸せになれるわけない」という
自己暗示をかけていたように思う

誰にだって幸せになる権利があるのに

いつも不安がつきまとった

大切な人に見捨てられるんじゃないか
仕事がなくなるんじゃないか

そんな不安という幽霊に怯えていた


私にとってうつはACの二次障害だろう

克服できたのは親への理想を捨てたから
「親も不完全な一人の人間」なのだ


【さいごに】

躁やうつの時
決断は先送りにせよという

後悔することが多いからだろう

3年もの間
先送りにした選択があった

目の前に拓けた道へ
一歩踏み出した

正解はずっと先にならないとわからない
けれど後悔しない生き方なんて多分ない

ならば心のコンパスが向いたほうへ


長い道のり、波はまた来るだろう

ストイックに向き合い、自分を律し
心豊かに、心のままに

誰かの人生の脇役を演じてきたけど
主役の座を取り戻した

過去、現在、未来
双極な人生はつづく

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