全国一斉不登校ーー『膨大な暇』が子どもたちを変革する

安倍首相の号令で、全国の小中高の突然の休校が決まり、てんやわんや様々な問題がそれに付随して出てきていますね。

また一方で、オンライン教育の関係者らは、こぞって無料公開・配信を始め、これはもしや日本の教育改革に繋がる貴重な機会になるのかも、と思っている方も多いのではないでしょうか。

私も当初はそんな風に感じていたのですが、我が家には不登校を2年半にわたって続けている息子がいて、その子の成長を身近で見てきたのでわかるのですが、世の中の子どもたちの大半は、いきなりオンライン教育なるものを目の前に提示されても、興味を示さないか、示したところで長続きしないと思います。

そして、毎日まいにち「暇だ~暇だ~」と言ってゲームばかりやって、さすがに親に叱られて、ゲームを取り上げられて、またまた「暇だ~暇だ~」と言い続けます。

これは、不登校の子どもたちの誰もがたどる道と同じです。

では、そこから先、不登校の子どもたちはどうなっていくか?

暇を暇として経験し尽くすと、さすがに人間動き出すんです。なにかしら、やり始めます。これは、本当に自然と内側から出てくるものです。

よく「自主性」だとか、「個性」だとか、「長所を伸ばす」だとか言われますが、なにかしらやらなければならないことを与えられているうちは、そういうものは発現されてこないと思うんです。

もしも子ども自身の個性を見つけ出し、伸ばしてあげたいと思うのであれば、いまの子どもたちに必要なのは「膨大な暇」なのかもしれません。

今回の、新型コロナウイルスという一種のハプニングによって、偶然に産み出された、子どもたちの「膨大な暇」。もしも、この度の騒動で教育に何らかの改革が起こるとしたら、それはオンライン教育などによってではなく、「膨大な暇」によって子どもたちの内発性が引き出されることによってだと思います。

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