中央線にいよいよグリーン車導入

ついに中央線系統へグリーン車が導入される。運行区間は、東京〜青梅・大月。

料金形態は、他線区と同様である。ただし、他線区と異なり、東京・新宿において1枚のグリーン券で乗り継ぐことができない。また、青梅線と中央線大月方面の乗り換えも不可である。

料金設定

料金設定について見てみよう。

50kmまで750円、100kmまでが1000円(Suicaグリーン券の場合)である。

在来線チケットレス特急券は50kmまで660円、100kmまでが920円であることから、特急「あずさ」「かいじ」「富士回遊」「はちおうじ」「おうめ」の方が安価である。座席指定もあり、所要時間も短い。

ではグリーン車の使い所はどこか。それは、多くの停車駅と、本数であるだろう。特急の停車駅は、(東京、)新宿、立川、八王子、大月…と極めて限られている。青梅線方面は立川から先、拝島、河辺、青梅であり、特急「おうめ」の本数も考えると、グリーン車の方が利用しやすいシーンは多い。

中央線方面

下の記事で、各駅の50km限界駅を掲載した。

東京から50kmを超えるのは、53.1kmの高尾である。その先の高尾〜相模湖が9.5kmあり、ここが運行形態上および市街地の大きな境界線ということを考えると些かキリの悪い感は否めない。

西八王子は49.8kmなので、高尾まで使う場合は、西八王子までのグリーン券を使って、最後の1駅は普通車に移動する使い方をする利用者もいるだろう。

その先、東京〜大月で87.8kmであるため、101km以上の料金帯は存在しない。

新宿〜八王子では、京王ライナー(410円)と競合する。金額面では京王有利だが、毎時1本程度なので利便性に劣る。

京王線とは、新宿〜高尾でも競合するが、高尾方面への京王ライナーは土休日運転である。(Mt.TAKAO号)
平日は北野乗り換えとなり、高尾線内各駅はともかく、高尾までであると、JRの方が利便性が高い。

青梅線

青梅線系統は羽村までが49.2km、小作で51.6km、青梅で56kmである。

拝島では拝島ライナー(400円)と競合する。西武新宿や高田馬場ユーザーであれば、こちらの方が便利かもしれない。

ただ…

ライナー列車やJRのグリーン車は、自宅最寄駅から快適に都心に向かう・都心から帰るために設定されることが多い。2路線乗り入れ駅はともかく、実際のところ、そこまで競合することはない。むしろ競合するのは、自社内の快速列車であったり、普通車だったりする。

今回のグリーン車は、普通車に増結しているわけであり、一般利用者のサービス低下には繋がっていない。純粋に、この座席に価値があるか。が問われているのだろう。

日本の場合、「お金がないから鉄道を使っている」という人は少なく、それなりの所得を得ている人でもタクシーを使うことは稀である。そのような層に向けて、サービスレベルを向上させ、増収させることは、満員電車から解放されつつある東京において、利用者と鉄道会社双方の得となるだろう。

富士山への期待

グリーン車を連結し、8両となった基本編成は富士急行線への乗り入れが困難である。しかし、富士回遊が連日混雑していることを考えると、大月までのグリーン車と乗り継ぎで富士急行線の利用が促進されることも期待される。

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