仲間と認めてもらうためのチケット

東京でスナップをしているnobです。

写真を撮っていると、他の人はどんな写真を撮るんだろう、とか
何を使っているのか、どんなことを考えているのか、に興味があります。

機材そのものへの興味が、以前よりもなくなってしまったので、
どんな焦点距離で、どんな写真を撮るのか、という
写真そのものを表現するための道具として話を聞いてみたいと思うことがあります。

そうなると、SNSやnoteは非常に良いツールだと思い、
仲良くさせて頂いている方には気軽に聞きいたりしています。

他の方の投稿されている写真もよく見るのですが、
やりとりされているコメント欄で、あまり気持ち良くはないコミュニケーションを見かけることもあります。

一例ですが
「この写真家を知らないのに、写真をやっているなんて信じられない」
「機材のことが何も分かっていない、基礎から勉強すべきだ」
といったような、自分と話をしたければ、勉強してから来てくれ、というコメントを見かけました。

同じグループに入るためには写真に関する知識や、機材を持っていないといけない。

入りたいと思わないグループですが、何かをきっかけにして、SNSで炎上に繋がることも鑑みると、強くは反論することも難しく、いわれるがままになる事も見かけます。

なぜ、一緒に楽しもうと声をかけてきてくれた人を、自分自身の基準を上回っているか確認が必要なのか、研究の結果がありました。
「知識の呪い」或いは「専門知識の呪い」と呼ぶそうです。

知識の呪いとは?

説明が難しいのでWikipediaから引用させていただきますが、認知バイアスの一つのようです。

他人とコミュニケーションを取っている個人が、自分の知っていることは、他の人も知っていると思い込んでしまい、そのことについてあまり知らない人の立場を理解することができなくなってしまう認知バイアス

Wikipediaより

学校の先生が生徒の立場にたって物事を考えることができず、学校として良い教育を目指すあまりに、生徒にとって良くないことでも実行されてしまう、というケースは、先生側に知識の呪いがかかっているからのようです。

最初は初心者なのでは?

いつも、こういったコミュニケーションを見かけると、呪いにかかっている人も、最初は初心者で誰かが教えてくれたのでは、と思ってしまいます。

何かに取り組もうとした時に、「違う」「だめ」と否定が続くとやる気もなくなり、せっかく仲間が増えそうだったのに、このチャンスを逃してしまうことになります。

初心者が気持ち良く活動できない組織は衰退していくことが多いです。
趣味の世界に閉じず、会社で中途入社者を受け入れる担当だったころ、一番最初に直面した課題でした。

とても優秀である、という評価を得て入社したにもかかわらず、受け入れ組織と水が合わずに退職や休職してしまったケースが頻発していました。
理由を確認せよと指示があったことから、ヒアリングをしてみたところ、「俺たちはこうあるべきだ」という思想が強く、中途入社したばかりの人には分からない社内用語を連発していたり、社内では当たり前のコミュニケーションも違和感を感じる強い口調だったりしたことが原因でした。

つまり、自分たちしか見ておらず、なじめるまで、ゆっくりで良いよと口にしながら、中途入社をしてきた人のことは考慮せず、合わそうとしないので、出来なければ叱責する、という矛盾が生じていたのです。

人口を増やす意味

とても寂しい出来事だったので、すぐさま持ち帰り、対策を考え、受入側にはコミュニケーションに注意いただくこと、
入社者側にも自社の特徴的なところを研修でインプットするなどして、少しずつですが改善していった記憶があります。

そもそも人口が増えていかないと全体の力は衰えていきます。
カメラや写真についても同じように、ユーザーを増やしていくためにも、通行税をとるかのようなコミュニケーションは避けてほしいなと願うばかりです。

やはり人口が増えなければ、メーカー側も買い手が少なくなり、あれが足りない、これがない、といったクレームに近い意見を言うアマチュアだらけになってしまいます。

せっかく意見を取り入れても、既に持っているものとの入れ替えはしてもらえないなどの想定がされるため、
メーカー側としても事業縮小や撤退も視野に入ってくる可能性があります。

楽しい、と趣味でやっている人も多いので、このような悲しい事象が現実になったら、嫌な思いをする人が増加するかもしれません。

間口を広く、伴走の準備を

一部の強い意見を目にして、やはりカメラや写真に関する話をする人は怖い、と思われてしまったら、非常にもったいないことをしていると思います。

最初は誰もが初心者であることを自覚し、知りたいと思っている初心者を受け入れる気持ちの準備が必要になるかもしれません。

さらには伴走して、構内を案内したり、不安なことがあれば話を聞いて解消してあげる必要があるかもしれません。

運良く仲間になってくれた人に対して、入ってくれたから放置ではなく、しばらくの間、伴走をしてあげることも重要だと思います。

とはいえ、まずは間口を広くとり、入ってきたら伴走してあげる必要があるかと思います。

社長から「よろしく」の一声を受けたことから企画に乗り出した社員は、なんのことかわからない設問もあるかと思います。

みんなで楽しく写真が撮れる世界線が良いですね
無理なお願いをされませんように

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