「かしこさ」をアップするための勉強
8月は学校説明会やオープンキャンパスもたくさん開かれています。今日はオープンキャンパスに行ってきた子のお悩み相談でした。
「模擬授業は楽しかったし、大学でやる勉強に興味も持てたんですが、受験勉強とは違うような気がして、受験勉強のモチベーションとしてはむしろ下がってしまいました・・・」
そうなんですよね。
入ってからやりたいことと、入試で問われる能力(そのための努力)には違いがあって、私もおかしいと思うのですが、入試のために必要とされたのに、入学後にはほとんど使わないものが結構あります。
自分の人生について考えるよりも、ひたすら受験勉強をがんばった子のほうが入試は有利なのですが、受験が目標だった子がいざ進学してみると、「何をしたらいいかわからない。とりあえず遊ぶ」。(もちろん遊ぶことは良いのですが、やってることとやりたいことがバラバラだと辛いだろうと思います)
私がいつもみなさんに強調してお伝えしているのは、
算数ができるために算数の勉強をしているのではない、ということです。
□ 国語で漢字を覚える、文章を読む
□ 算数や数学で答えを導き出すための方法を考える
など、これらを通して、頭のいろいろな使い方をマスターして、みんな元々持っている「かしこさ」をアップするのが目的ですよ。
オウムのように、覚えたことを繰り出すだけでは(何も答えられないよりは良いけれど)、あまり「かしこい」とは言えないですよね。覚えたことはできる、言われたことは覚えているけれど、応用が効かない、というのもあまり「かしこく」ない。
どうしたら「かしこさ」がアップするのか?
いくつかポイントを紹介しますね。簡単ですが、難しいよ。
□ よく見よう
□ 見比べよう
□ 共通点を見つけ出して、差異に注目しよう
□ 情報を構造化しよう
□ 似たような状況を作って実験してみよう
□ 計測して観察しよう
□ 何がわかったら何がわかるか? 何を知るためには何がわかればいいか?
□ 感覚やリズムや滑らかさもとても大事
(「くえるかプログラム」の中では、これらを「くえるよメソッド」と呼んでいます)
柔軟な思考、さまざまな価値観に対する受容性、そのための幅広い知識、正確な認識のための数字や時間に対する感覚、心身を朗らかに清々しい状態にしておくこと、何でも興味を持ったことにすれば楽しめること。
基本的なことですが、やっぱり大事なことだと思っています。
最初の「相談」の話に戻ると、
今やっている古典は、大学でやりたいことと関係ないと思うよね。だけど、古典自体が(実は)興味深いことだけでなく、
□ 異なる文化や価値観を受け入れる
□ そうは言っても、共通点もずいぶんあるよ(共通点を見つけ出す)
□ 文法はただ覚えるのではなく、現代語との結びつきを意識しよう(知ってることと結びつける)
□ 変化のパターンを捉える(覚えるのではない)
□ ゆっくり声に出して読んで、感覚を取り込む
今やっている数学は、大学でやりたいことと関係ないと思うよね(2)。だけど、数学自体が(実は)大変興味深いだけでなく、
□ 早く正確に情報の構造を捉えること
□ 実験的思考
□ 見やすく書いて、見ながら考える、考えながら進める
□ 統計学なんかはそのまま使うことになりますよ
勉強がすでに嫌いになってしまっている子もいますが、一度先入観を取り除いて、よく見てみると、意外と興味深いですよ。そう思えるまで根気強くサポートしますね。