土偶女子をつくってしまったことの懺悔
むかし、ミュージカルの稽古をしていて目に入った女の子の顔が、びっくりするくらいぼーっとしていた。「あんた目を開けてんの?閉じてるの?」というくらいの薄目で、いかにも何も考えていなさそうだった。その表情が、僕に土偶を連想させた。あの有名な「遮光器土偶」である。
そして僕は、その女の子が土偶顔だったことを、お友達に報告したのだ。これがいけなかった。瞬く間に僕の周りで「土偶」のアダ名が流行ってしまった。しかも本人はそう呼ばれていることを知らないので、ほぼ悪口の体である。
土偶と