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part of mine 1

坂本龍一さん

坂本龍一さんを知らないという方はあまりいらっしゃらないと思うが
日本の作曲家で、日本のポップ・ミュージックを支えた
音楽家、キーボーディストである。
YMOのメンバーとしても活躍されていたが
散開後は拠点をニューヨークへ移し、映画やCM等の音楽に関わり
あの9.11の時はNYにてテレビ局の電話取材を受けられていた。
近年は日本での活躍も見られていた。

若い人たちは「癒し系ピアニスト」と捉えている方も
いらっしゃるかもしれないが
その実は、電気楽器や民族音楽等、あらゆる表現方法を消化して
たどり着いた先にあった姿なのだと僕は勝手に思っている。

晩年は反原発運動等に関わるなど社会活動にも携わりつつ
2023年、その生涯を終えられた。

氏の音楽の何がそんなに僕の心を惹きつけるのか。

たとえば和音の構成や音の雰囲気。
重い感じの音色、コードを使いながらも悲哀や重厚感だけでなく
どこかに漂う希望。
正確でありながら毅然とした出音と説得力。

洗練され、皆から尊敬を集める芸術家なのに
面白いこと、冗談もお好きなようで
ダウンタウンとの共演コントを見たときは
正直、「衝撃」もあったが、らしさも感じてしまう
そんな人間臭さも漂わせる人。

僕は小さい頃、YMOの有名な曲をよくメディアで耳にはしていたが
しっかり聴き始めたのは「HeartBeat」から。
そこから「BEAUTY」「NEO GEO」「未来派野郎」「音楽図鑑」…と
過去の作品をたどっていった。
ただ、そのあとの「Sweet Revenge」「SMOOCHY」はあまりよくは聞いていない。
音や楽曲の感じが変わってしまった感。
「SMOOCHY」はよく聞くと良い曲もあるので
もう一度聴いてみたいと思う。

まあ、個人的な音楽の嗜好が変わっていったのもあるので仕方がないw

何とか、教授の世界観を覗いてみたいと
僕が一時期「add9」を内声で弾いていたのは
デヴィッド・フォスターの影響もなくはないけど
どちらかというと坂本龍一の影響が大きい。

大学の時には「いつまで坂本龍一聞いてるんだ」とよく言われた。
JazzやらRockにもっと聴くべき人がいるだろう、という意味。
これはミュージシャンとしての助言としては真っ当なもので
いろいろなプレイヤー、音楽家のエッセンスを得て
自分の感性、音楽性を磨いていくことは非常に大切なこと。

ただ、僕はやはり坂本龍一の音楽がベースにあるので
周りの声は聞かずにずっと聴いていた。
いいじゃないか、好きなんだから。

さて、最後に
先程も紹介したアルバム「BEAUTY」に「Amore」という曲があるのだが
最近、この曲の別バージョンを耳にした。
もともと、キューバリズムというかラテンの楽器を主に使用した
アツさを感じさせる曲なのだが
この別バージョンは基本的なコードや進行はあまり変わらず
テンポを落としてストリングスとピアノ、上物で構成されている。
Youtubeで検索すると出てくるので、興味のある方は
是非、両方を聴いてほしい。
二つのバージョンの間には長い時が流れており
その時間の経過や、おそらく伝えたい相手が違うであろう
その間の「ラグ」を感じることができるし
色々な形の「Amore」=「愛」を
感じ取ることができるのではないだろうか。

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