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大崎のキーちゃん vol.1 -品川区-

猫好きの筆者は近年、猫好きさんのお友達が増えまして、自然と保護猫活動のお手伝いをするようになりました。可愛すぎて困るおそと猫ちゃんと筆者との出会いを、ここで綴ってみたいと思います。

今回ご紹介するのは、こちらのキーちゃん。かわえぇですやろ。

キジトラ♀なので、キジちゃん → キーちゃん → キー子、たまにキッキ、です。

馴れそめは、とあるマンションの駐車場でした。

友人から「マンションの駐車場に可愛い野良猫ちゃん達がいて」「でも、気がかりでね」というつぶやきを耳にして、お訪ねしたのがきっかけ。

訪ねると、駐車場に猫ちゃん達いました。

猫ちゃん達を可愛がってくださっている方のお話しでは、避妊・去勢手術がまだできていない子がいるとの事。それはまずい‥。


こちらの黒猫ちゃん、おんにゃのこ。たしかに耳カットがない。すでに1月末。春までになんとか手術だけはしてあげたい、という事で、筆者が保健所さんから捕獲器を借りて持ってきました。

しかしメスちび黒猫ちゃん警戒心が強く、捕獲器に入ろうとしない。「罠だ」と分かってる様子。ほかの子が捕獲されて捕獲器のなかで大暴れしていたのを見たことがあるのかな?

何度か通って、メスちび黒猫ちゃんの行動習性を観察しながら、捕獲できるまでねばることにしました。

夜に駐車場に来たある日、はじめてキーちゃんに出会いました。

ずいぶん人馴れしてる。おそらく小さい頃に飼われていて、捨てられたんじゃ‥。捨てられたのなら、捨てた人が許せない。本当に可哀想です。

ここまで人馴れしているなら里親さんを探してあげたいと思ってしまう。

昼間に捕獲器を持ってきたある日、メスちび黒猫ちゃんが捕獲器にかからず考えている間に、キーちゃんが‥、

このあと、あっけなく、

ぱしゃん。

捕獲器に入ってしまいました。

仲間から「メスちび黒猫ちゃんの捕獲には、ほかの子達が少ないほうがいいし」「預かってあげる」というお言葉をいただき、すぐに病院へ。

本当に本当に、有り難いお話しです(涙)

キーちゃん、幸いなことにウィルス検査、陰性(エイズ-、白血病-)でした。

一時預かり先に先住猫さんがいます。ウィルス検査、駆虫・虫下しは必須。後日、3種ワクチンも接種。

病院での処置が終わり、無事に一時預かり先のケージに入りました。キーちゃん、なんだか、元気がない‥。

おそとでは大好物で食べていたはずのウェットごはんも、ほとんど口にしていません。環境変化が大きいから一時的な食欲減退なのかもしれないとも思ったけれど、

仲間から「キーちゃん、なんだか口が匂う気がする。もしかしたら歯が悪いんじゃ?」とのアドバイス。

長くごはんやお水がとれないままだと、肝臓・腎臓に負担がかかるというし、

キーちゃん、怖いだろうけど、もう一度、病院に行ってみようか。

診ていただいたところ、

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「難治性の口内炎です」との診断。

口内炎ができているすぐ横の奥歯が、長年たまった歯石でかなり悪い状態。

「犬歯よりも後ろの歯を、全抜歯するのをオススメします。ただし抜歯しても難治性の口内炎は治らないこともあります」「治らない場合、ステロイドを使いながら一生、上手に付き合っていくことになります」

野良猫ちゃんは、口内炎をかかえている子がほとんどだという話を聞いたこともあるけれど‥、キーちゃん、怖いのとお口が痛いのとで、ごはんが飲み込めなくなってたんだね。

「抜歯手術は少し考えさせてください」「とにかく、まずはおなか一杯、食べさせてあげられるようにしたいのですが」と先生にお願いし、注射で抗生剤を打ってもらい、飲み薬を処方してもらいました。

お薬を飲むようになって、キーちゃんは少しずつ食欲が増し、

カリカリが食べられるようになりました。お口さえ痛くなければ、ウェットごはんよりもカリカリが好きみたい。

虫歯になりにくいのは、カリカリのほうだよね。

キーちゃんのその後は、vol.2に続きます!


ところで、キーちゃんと出会ったマンションの駐車場には、こんな張り紙がありました。

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毒餌だなんて、信じられない。なんて残酷な、なんて卑劣な‥。物的証拠をつかんで、警察に本気になって調べてもらわなければ。

捕獲に通っているある日、近くの芳水小学校に通う子どもたちが、下校途中に「猫ちゃんは?」「今日もいる?」と、猫ちゃん達に会えるのを楽しみにして声をかけてきたことがありました。

近くに毒餌をまいて猫を殺している大人がいると耳にしたら、子どもたちは一体どう思うのか。

「大人は陰でもの言えぬ弱い動物を殺して平気な顔をしている」と心の奥底にすり込まれた子どもは、将来どんな大人に育つのか。

街から動物虐待を根絶したい。

地域猫を守る活動は、街をきれいにするだけでなく、住む人たちの心を豊かにすることに繋がる。

そういう街で育った子どもたちこそが、将来、老いた私たちが住む街の、力強い守り手となってくれる。

そう信じて、少しでも地域猫活動を続けていきたいと思うのです。

たくさんは出来ないかもしれない。けど、今日も1センチでも1ミリでも前進。

ファイティン!

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