見出し画像

蓮ノ空/リンクラで関係性の深みにハマりそうな人が次に読む百合漫画を提案したい。Part.1(ユニット編)

以前、X(旧Twitter)にてこんな投稿をしました。

こずかほ好きな人に『ささやくように恋を唄う』を読んで欲しい。

2024/1/30投稿 ソアラ(@around_so38293)

『蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ』(以下、蓮ノ空)および『Link! Like! ラブライブ!』(以下、リンクラ)が、百合好きに対して手厚い供給きょうきゅうを行ってくれるコンテンツであることは、きっとこの記事を開くような“蓮ノ空のこと好き好きクラブのみなさん”ならご存知だろうとは思いますが、それはすなわち、蓮ノ空/リンクラから、初めて百合という関係性に触れたり興味を持ったりする方も少なからずおられると換言かんげんできます。

このnoteはタイトルの通り、蓮ノ空/リンクラから関係性にハマってしまいそうな方々に、「だったら、次にこれを読むのがいいんじゃないかな?」と提案していこうとこころみるものになります。
せっかく興味が湧いてきた「百合」という関係性、是非ひとつのジャンルとしてあなたの心の中に形成してみませんか?

なお、ここに記載していくカップリング(以下、CP)や漫画は一例であり、また取り上げる内容や方法も私独自の視点であることをご承知ください。CP名の記載順にこだわりはありませんので、適宜てきぎ入れ替えてお読みください。
(「まだある!」とひと言手をげたい百合好きの蓮ノ空好き好きクラブのみなさんがいましたら、コメントはもちろん、SNSアカウントなどで一緒に引き込んで布教していきましょう!)

※ 特に言及げんきゅうのない限り、2024年(103期)1月時点での情報を記載しています。


こずかほ(梢×花帆:103期スリーズブーケ)

最初に取り上げるのは、「スリーズブーケ」として我々の前に初めて姿を現した2人からなるCP、こずかほです。2人組のユニットが3つ、それもすべて先輩後輩からなるユニットであることが分かった日には、私を含めた多くの百合好きに、何かとてつもない関係性の予感を覚えさせましたが、実際に場に現れたものはその予感が的中どころか凌駕りょうがするものでした。
その中でもこずかほは「王道」と呼ぶのに相応ふさわしい、憧れと尊敬、そして慈愛じあいに満ちたCPと言えるでしょう。

呼び名が大きく変わった今、より彼女たちの結び付きは強固きょうこなものになっていっています。先輩と後輩という関係性はしっかりと押さえながら、ところどころにそれを超えてくるものを見せ付けてくれる――こずかほは観る者に青春と友情とほのかに宿やどる恋心を優しく押し付けてくれます。

そんな王道な先輩後輩百合、それを少し超えて憧れが強めな歳の差百合として提案するのは、以下の3つの漫画です。


『ささやくように恋を唄う』(既刊8巻)

『ささやくように恋を唄う』(『ささ恋』)は、新入生の木野きのひまりがバンドのボーカルである朝凪あさなぎよりに“ひと目れ”するところから物語が始まります。そして、強い憧れを一身いっしんに受けた依もひまりにひと目惚れし……。

新入生、音楽、憧れ、そして2つのひと目惚れ――こずかほに強くかれたあなたに、強く刺さる言葉が散りばめられていると思いませんか? 既刊8巻の長さは伊達だてではなく、たくさんの登場人物やエピソードを交えて、2人の関係性はより強いものになっていきます。そして、それはすべてが喜ばしいものだけではありません。短い青春の中できらめく登場人物たちを追いかけていくのも、『ささやくように恋を唄う』の魅力みりょくと言えるでしょう。

青春と百合は親和性が高いと言われています(※ 諸説しょせつあります)。今しかない短い時間ももちろんですが、彼女たちは繊細せんさいなのにバイタリティに満ち足りている。その衝突から起こる関係性が我々を魅了みりょうしないはずがありません。まだまだ広い世界を知らないこともその煌めきに拍車はくしゃをかけます。そして、まるで人生を賭けているかのような先輩である依たちの感情のぶつかり合いに、後輩であるひまりが関わっていく。

どこまで足を踏み入れていいのか、どこから足を踏み入れては駄目なのか。そして、踏み込んだ先でしか手に届かない2人の未来を掴むことができるのか。その選択が物語を進ませていく原動力げんどうりょくとなっていきます。

先輩への憧れ、しこりの残った過去――。
こずかほが好きな方に、『ささやくように恋を唄う』はストレートに刺さる内容になっていることは間違いないでしょう。


『やがて君になる』(全8巻)

『やがて君になる』(『やが君』)は、(恋愛感情の)特別がわからない小糸こいとゆうと、「好きって言われてどきどきしたことない」と話す七海ななみ燈子とうこの出会いから始まります。先輩である燈子なら理解してくれるかもしれないと思った矢先やさき、侑は抱き寄せられて衝撃のひと言を聞くことになります。

だって私 君のこと 好きになりそう

『やがて君になる』1巻・第1話

こずかほとは毛色けいろのまったく異なる物語ですが、王道な先輩後輩百合を知りたいのなら『やがて君になる』を読んで損はないでしょう。誰でも一度は持っていそうな普遍ふへん的な悩みであり、登場人物たちの感情の変化を捉えやすい作品なので、恋愛漫画としての百合を知っていくための入門書としてもおすすめです。

『やがて君になる』で燈子を苦しめるのは7年前に亡くなった姉の存在です。燈子の理想の裏にはすべて姉の存在があり、よくも悪くもしばられてしまっています。侑は、そしてある意味ではもう1人の主人公でもある佐伯さえき沙弥香さやかは、苦しめられたままの燈子を助け出すことができるのでしょうか。

小さな頃の記憶に囚われてしまっているのは幸運とも不幸とも言えます。夢や目標など、人生の道標みちしるべにもなりますが、もっと大きな考え方ができる人のはずなのに、それをよしとできない呪いが付きまとってしまっている。
ここでこずかほに話を戻すと、梢は子供の頃に見たラブライブ!に感化かんかされた夢や目標が設定されつつ、第15話のPART7で見せた感情は、すべてがそんな希望だけに満ちたものと言い切ることはできません。

誰かは誰かから少なからず余波よはを受けるものですが、人生観が変わってしまうまで影響を与え合う関係性。
『やがて君になる』は、1人の先輩と1人の後輩(そして、その周りにいる人々も)が時には深く傷付けながら、成長していく姿を味わうことができる先輩後輩関係のマスターピースと呼ぶこともできる物語です。


『ひまわりさん』(全13巻)

『ひまわりさん』は、古くて小さな本屋「ひまわり書房」を舞台に、その店長であるひまわりさんと高校生の風祭かぜまつりまつりをメインに、そこで出会う人々とのいろいろなエピソードが楽しめる物語です。

時には心を痛めるような前の2作品とは異なり、『ひまわりさん』は明るくほのぼのとしたストーリーで展開されていきます。まつりの性格がとびきり明るく、不穏ふおんになりかけた物語が、彼女に引っ張られていくことも少なくありません。

勿論、まつりも悩むことだってありますから、その時はひまわりさんや彼女の友達、本屋で出会った人々の出番です。誰かが誰かの支えになりながら生きていく。上記のリンク先に書かれている「ハートフルストーリー」はそのままの意味で、読めば幸せな気分になることは間違いありません。

勿論、底抜けに明るい(でも、たまに悩む)まつりを花帆に、ミステリアスな雰囲気を持ったひまわりさんを梢になぞらえて、『ひまわりさん』をこずかほが好きな人に提案しています。
シンプルにこずかほの関係性が好きな方には、是非(基本的に1話完結となっていますので)1話だけでも読んでもらいたい物語になります。そして、まつりが卒業する100話まで暖かい物語を味わってみませんか?


ここまでが、こずかほが好きな方に提案したい3つの百合漫画になります。

先輩と後輩(『ひまわりさん』は社会人と高校生ですが)という関係でありながら、少しずつ近付いていく2人の関係を是非感じてもらいたいです。


つづさや(綴理×さやか:103期DOLLCHESTRA)

次に取り上げるのは、103期で同じ「DOLLCHESTRA(ドルケストラ)」に所属する綴理とさやかから成るCP、つづさやです。

こずかほと同様に、さやかの綴理に対する憧れから生まれたユニットではありますが、ユニットになってからのおもむきはまったく異なっています。綴理のさやかに対する(主に生活能力の) 依存度は言わずもがな、さやかの綴理に対する「私がいないといけない」と感じる依存度も少し度が過ぎていると言わざるを得ません。いわゆる共依存百合というものです。

ちなみに本来の共依存という用語は以下の通りなので、「共依存百合」と「共依存」は正確にはずれているのかもしれません。本題ではないので、これ以上は言及げんきゅうしませんが。

きょういぞん[共依存]⦅名・自サ⦆
《心》依存症患者の患者などが、本人を支えられるのは自分だけだと思いこみ、はなれられなくなること。

『三省堂国語辞典 第八版』

兎にも角にも、つづさやの関係性は2人にしか踏み入れられない領域が大きく、それこそが共依存百合だと思わせる要因になっているのでしょう。
ただ、つづさやの魅力は共依存百合的な関係だけではなく、さやかの綴理に対する演技に対する憧れもその1つです。そんなつづさや好きのあなたに提案したいのは、以下の3つになります。


『ふたりべや』(全10巻)

穏やかに見えるけれどどっぷりな共依存百合。つづさやも『ふたりべや』もそう形容することができるのかもしれません。

『ふたりべや』は、川和かわわ桜子さくらこ山吹やまぶきかすみが、高校の下宿先で同室になってから﹅﹅のエピソードを描いた物語です。このから﹅﹅がどこまで﹅﹅行くかというと、作中時間にして9年、桜子とかすみの2人はずっと一緒に暮らすことになります。しかも、最初からずっと一緒のベッドで寝ている。

とはいえ、ただの仲のいい2人の物語ならここで取り上げるまでもありません。つづさや好きにおすすめしたい理由は、まさに桜子とかすみの関係性が、さやかと綴理の関係性に似通にかよっているからです。しっかり者で頭脳も家事も完璧な桜子は、美少女でマイペースで大食いなかすみの世話を焼いていて、それを生き甲斐がいにしていると言っても過言かごんではないほど。

かすみにとっては衣食住いしょくじゅうを任せられる(社会人編ではちゃんと仕事していますよ!)存在として離せるわけがないし、桜子にとっても自分の存在や存在意義をすべて受け入れてくれる存在はそう見つかるわけがありません。桜子とかすみはお互いを唯一無二ゆいいつむにの依存先として一緒にいることを、意識的か無意識的にか選び続けています。

ネタバレになるので詳しくは記述しませんが、彼女たちの関係性は高校生で出会った時のままゆっくりとした時間で進んでいきます。基本的には4コマ漫画の形式で進んでいきますが、時に挟まる「特別編」で文字通り「特別」なことが起きるので、それも見逃せません。

いつしか隣にいないことが考えられなくなるほど繋がりを深めていく。
つづさやの来るべき将来に思いをせながら、『ふたりべや』の優しくて深い世界を感じてみませんか?


「れんげがさいたら」(『理想と恋』収録)

『理想と恋』は短編集として発刊されており、「れんげがさいたら」はその後半に収録された3話・全100ページからなる物語となっています。

友達に誘われたことで舞台鑑賞に誘われた新垣にいがき真由子まゆこは、そこで観た大門おおかど留梨るりに心を奪われる。居ても立っても居られず劇団に飛び込んだ真由子だったが、留梨と出会うが舞台と印象が違っていて――と、物語は始まっていきます。

劇団に入団するまでになったきっかけは、自らが同性愛者であることを認識していた真由子が、舞台上で同性愛者であることで恋を諦め命をった留梨(が演じる女性)を好きになったことでした。

あの子が好きになったのが私だったら なんの問題もなかったのにな――……

『理想と恋』「れんげがさいたら -1-」

さやかがスクールアイドルクラブに入部したのは、恋心ではなく綴理の演技に惹かれたからではありますが、役者として立つ留梨とスクールアイドルとして立つ綴理、そしてそれを観たことで飛び込む決心をした真由子とさやか。演じることを通して、1人の相手を同じ場所に連れてきてしまう影響力は似通うところがあります。

そして、留梨の演出がしたいという本当の夢を知った時、真由子はそのために奮闘ふんとうすることになります。好きな人の夢のため、何ができるのか。その一心不乱いっしんふらんな感情を観ることも、百合(というより恋愛もの全般)の楽しみの1つです。

テーマとしては重くシビアな部分はありますが、「れんげがさいたら」はつづさやのイメージに新たな観点を加えるきっかけになるでしょう。


『私を喰べたい、ひとでなし』(既刊7巻)

つづさやが好きな人ならこれも好きだろうと『私を喰べたい、ひとでなし』(『わたたべ』)を提案させて頂きます。誤解ごかいを恐れずに言うのなら、姫と騎士みたいな関係の2人の物語です。好きですよね?

『私を喰べたい、ひとでなし』は、ある事故をきっかけにして家族を失ってしまった八百歳やおとせ比名子ひなこ近江おうみ汐莉しおりと出会うところから始まります。妖怪である汐莉は比名子を食べに来たという。そして、汐莉なら「死なせてくれるかもしれない」と思う比名子。利害りがいの一致してしまった2人、果たしてどうなるのだろうか。

君はこれからもっと美味しくなる
だからそれまで 私が必ず 君を守ってみせます

『私を喰べたい、ひとでなし』1巻・第1話

勿論、先にあげた姫は比名子であり、騎士は汐莉です。汐莉の言葉は誇張こちょうでも嘘でもなく、襲い来る妖怪たちから比名子を守り続けます。ただ、比名子の希望は「死なせてもらうこと」であり、一方で公式のジャンルとして、しっかり「百合」や「恋愛」が記載されている以上、死への渇望かつぼうからどう逃れていくのか、いかないのかが非常に気になるところです。

姫と騎士という関係をつづさやに還元かんげんするとしたら、やはりさやかが姫で、綴理が騎士になるのでしょうか。姫と騎士のカードも出ましたからね(舞踏ぶとう会のカードはさやかの方がリード役でしたが)。
ですが、姫も守られ続けるだけの存在ではありません。人間である以上、自分の意思を持ち、騎士を守りたい(死なせたくない)という思いも当然持ち合わせているはず。守るだけ、守られるだけの関係からどう変化していくのかも、百合における姫と騎士の物語の楽しみでしょう。

つづさやの濃い部分を凝縮ぎょうしゅくしたものが、『私を喰べたい、ひとでなし』で見えるのではないかと信じています。


つづさや好きに提案したい百合漫画は、少し変化球のものが多いように見えるかもしれません。ですが、この2人のよさは、深く掘れば掘るほど現れるのだと思っています。

関係性の深みを知る一助いちじょとして、参考にして頂ければ幸いです。


めぐるり(慈×瑠璃乃:103期みらくらぱーく!)

3つ目は、遅れてやって来たヒーローたち、めぐるりの2人です。「みらくらぱーく!」として活動を始めたのは、他の2ユニットと遅れて夏頃のこと。しばらくの間、公開されていたのは「ド!ド!ド!」の1曲だけという状態でしたが、それだけに高くなっていた期待値を遥かに超える完成されたユニットで、我々のハートは鷲掴わしづかみにされました。

さて、めぐるりの他にはないポイントは「幼馴染」であることでしょう。幼馴染というのは幼少期の頃からの親友であるというのが一般的なイメージでしょうが、めぐるりはさらに学年差があり、離れていた時間がある、デコレーションたっぷりの幼馴染です。

特に学年差があるというのは、そのまま1年単位の差を表すわけで、小学生以前はいつも一緒だったのに……という時間(と法律)の壁を彼女たちは感じるわけです。歳上の世界はどんどん広がっていくのに、取り残されていく歳下。
と、学年差のある幼馴染についてはいろいろ語りたいことがあるのですが、長くなりそうなので割愛かつあいしておきます。


『徒然日和』(全3巻)

徒然つれづれ日和びより』は、田舎の高校に通う2組の幼馴染4人がりなす日常を描いた物語です。高校生になったばかりの花村はなむら小春こはると東京からやって来たと噂されていた白月しろつき真冬まふゆは、かつての幼馴染。小学校の時に転校してしまって以来の再会を果たします。
そして、飛鳥あすか七椰ななや風見かざみ実里みのりも幼馴染であり、彼女たちの方は1学年2人という環境から、高校では同棲どうせいもといルームシェアをするほどの強い繋がりを持っています。

ここで『徒然日和』1巻の裏表紙に書かれた言葉を引用してみましょう。

友達以上恋人未満な女子高生4人組が送る、田舎のまったりスクールライフ。
特別なことは起きないけれど、この日々はきっと“とくべつ”

『徒然日和』1巻・裏表紙紹介文

描かれる物語はどこまでも日常を切り取ったものであり、最終3巻になっても夏休みのエピソードと、時間もゆっくりと進んでいきます。しくもそこで終わってしまった作品ではあるのですが、彼女たちの“とくべつ”がこの先も進んでいくことが予感されます。

だけど、たまにちょっと特別なことが起こってしまうのも、また日常であるのは確か。彼女たちの関係性が発展したり、発展する過程を垣間かいま見ることができたり、ただのふわっとした物語だけではないことも『徒然日和』の魅力の1つと言えるでしょう。
特に、七椰と実里の距離が近付くことになるエピソードは、心をふるわせます。こういう時に踏み込めるからこそ、2人はずっと2人でいられるのですね。

4人の登場人物は誰もがそれぞれの個性を持っていて、互いがかけ合わされて繰り出される会話や動きは、てらわないけれどクスッと笑えるものから、ちょっと考えさせられるものまで、どれを切り取っても飽きさせるものはありません。

かたや数年ぶりに奇跡的な再会を果たした幼馴染。片やずっと2人の世界で生きてきた幼馴染。
2つの形から幼馴染百合の可能性をもう一段階広げてみませんか?


『夢でフラれてはじまる百合』(既刊2巻)

『夢でフラれてはじまる百合』は、その名の通り、杉山すぎやま月詩つくしが幼馴染である群咲むらさき陽花ひのかに、夢の中で振られてしまったことから始まるガールズラブコメディです。

小学2年生で出会った彼女たちはすぐに仲よくなり、中学生になってからもずっと一緒に過ごすような間柄あいだがらでした。

ねぇ月詩…… 私たちって… 親友……だよね?

『夢でフラれてはじまる百合』1巻・第1話

これに対して月詩は照れを見せながら「いちばんの親友だよ」と返します。そして、うつむく陽花のコマが入り……、それからも当たり前のように彼女たちは同じ高校に進学します。
そう、親友――それ以上でもそれ以下でもない関係だと月詩は思っていたはずなのに、振られた=自分から告白したという夢を見てしまったことに悩まされることになるのです。

ここまで読んだ方の中には、陽花って月詩のことが好きなんじゃ……と思う方もいるでしょう。
はい、正解です。
2巻の紹介文にはこう書かれています。

両片想いの焦れったさが話題沸騰中!
「陽キャ(?)乙女」×「クーデレ(?)少女」の夢からはじまる夢現ガールズラブ、第2巻――!!

『夢でフラれてはじまる百合』2巻
https://bookwalker.jp/de389773bf-c782-4623-9876-5db302cdbbec/
(アクセス日:2024/02/02)

「両片想い」――百合の中ではもっともときめく関係性の1つだと言われていますね(※ 諸説あります)。
告白してしまえば絶対に繋がるはずなのに、今の関係がなくなってしまうのを恐れるあまり、どちらも踏みとどまって悶々もんもんとしている状況。そんな甘ったるすぎてれったすぎてもどかしすぎる2人に、あなたの表情がかされることけ合いです。


「君に好きっていわせたい」「君が好きっていってきた」(『君に好きっていわれたい』収録)

けいとみさきは、幼稚園の頃からの幼馴染であり、いつも圭がみさきを守っていたという関係性でした。しかし、1年前、圭はみさきに好きだと告白され、2人は付き合うことになり……。
物語は、そんな付き合い始めて1年後の幼馴染カップルの姿を映し出します。

「君に好きっていわれたい」と「君が好きっていってきた」の2作のいいところを短く述べるとするならば、とにかく「愛おしい」といったところでしょうか。ただ日常を描いたものではなく、2人のすれ違いから起こるちょっとした“いざこざ”が描かれているのですが、まあそれがたまらなく愛おしいのです。
上記リンク先でその2編がすぐに読める(※ 2024年2月4日現在)ので、後は読んで確かめてみてください。

――と、この「君に好きっていわれたい」と「君が好きっていってきた」の2編はとにかく読んで確かめてもらうために短く終わらせようとしたのですが、2024年2月3日のWith×MEETS「1月度Fes×LIVE振り返り配信」にて、めぐるりの2人が喧嘩しているという情報が明かされました。

仲よし百合ップルの喧嘩というのはわばイニシエーションのようなもので、これはほとんどの確率で、もっと仲よくなるための準備運動だというのは有名な話です(※ 諸説あります)。喧嘩をしたって、離れられないものは離れられないのです。めぐるりがちょっとやそっとの出来事で離れると思いますか?


シンプルに「幼馴染」というテーマで物語を集めてみましたが、いかがでしたでしょうか?

ずっと一緒にいて飽きない2人。だからこそ、たまに1つのハードルが高く高くそびえ立つ時があります。それを超えていく2人の意識の変わり方を楽しんでいきましょう。


終わりに

実のところ、もう数組のCPにちなんだ百合漫画を提案しようとしましたが、想像していた以上に筆が進んでしまい、ここまでで9,000字を超えてしまいました。そのため、「ユニット編」としてここまででひと区切りとさせて頂きます。

冒頭に書いた通り、このnoteはあくまで私独自の視点でしかありませんが、これをきっかけにして、もっと深い百合の世界に飛び込んできてくれる方が1人でもいらっしゃれば、嬉しいことこの上ありません。

是非、蓮ノ空/リンクラで感じたときめき、もっと深掘りしてみませんか?

【Part.2(同学年編)はこちらから!】

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?