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蓮ノ空/リンクラで関係性の深みにハマりそうな人が次に読む百合漫画を提案したい。Part.2(同学年編)

「蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ」(以下、蓮ノ空)および「Link! Like! ラブライブ!」(以下、リンクラ)が百合好きに優しいコンテンツであることは、この記事を読む方々にとってはご承知しょうちの通りかと思いますが、このnoteでは、そんな蓮ノ空/リンクラから百合というものに興味が出たという人に向けて、こんな百合漫画はどうですかと提案していくものになります。

今回は「同学年編」として、同学年のカップリング(以下、CP)について、そのCPが好きな人が次に読む百合漫画を提案していきます。

前回同様、ここに記載していくカップリング(以下、CP)や漫画は一例であり、また取り上げる内容や方法も私独自の視点であることをご承知ください。CP名の記載順にこだわりはありませんので、適宜てきぎ入れ替えてお読みください。
(「まだある!」と手を挙げたい百合好きの蓮ノ空好き好きクラブのみなさん(以下、蓮っ子)がいましたら、コメントはもちろん、SNSアカウントなどで一緒に引き込んで布教していきましょう!)

※ 特に言及のない限り、2024年(103期)2月時点での情報を記載しています。


さやかほ(さやか×花帆:103期生)

蓮ノ空の物語は、2人――さやかほの出会いから始まります。

新しい場所、新しい環境、新しい教室、そして新しい友達――。
「新しい」という形容詞には、希望と期待、不安と少しばかりの後悔が混ざっているものでしょう。どんな未来が待っているのか、どんな生活が始まるのか、どんな試練に立ち向かうのか、どんな人に会えるのか。
まだ形にもなっていない運命は、そんな「新しい」の感情に包まれた花帆とさやかを結び付けました。

「大都会、金沢市」(※ 原文ママ)にやって来た花帆の表情は明るく、開放感にあふれていました。そんな輝く希望に染まった話に付き合わされていたのは、バスで隣の席に座ってしまったさやか。
ここでもし、隣の席に座らなかったら? 花帆が少しでも物怖ものおじする性格だったら? いや、そもそもどちらかが蓮ノ空に行かない選択をしていたら――?
さやかは「大したえんじゃない」と発していますが、本当に“大した縁”ではなかったのでしょうか。

ではここからは、そんな“大した縁”ではなかったはずの出会いから始まるものを取り上げていくことといたしましょう。


『新米姉妹のふたりごはん』(既刊10巻)

『新米姉妹のふたりごはん』は、両親の再婚により、突然姉妹となってしまったサチとあやりが、料理を通じて仲を深めていく物語です。所謂いわゆる義姉妹というやつですね。さやかほは姉妹ではありませんが、同じ屋根の下で暮らしているのには変わりません。

義姉妹百合の他とは違うポイントは、急激きゅうげき否応いやおうなく関係性が変わってしまうところでしょう。仲がよくてもそりが合わなくても関係はありません。これが大学生以降であったのなら離れて過ごすこともできるのでしょうが、高校生である彼女たちは大人のルールに巻き込まれるより他ないというわけです。

しかも、サチとあやりに関しては、それまで一度も会ったことがなかっただけではなく、両親は海外出張をしているため、2人きりで同じ家に住まなければならなくなったという状況からのスタートでした。
気まずいというより他はないでしょう。1話でサチは、幼馴染である絵梨えりと一緒に住めればよかったのにとまでらしています。

ですが、さやかほを繋げたのが“スクールアイドル”だったように、他人同士だった彼女たちをつなげたのは“料理”でした。
食べるのが好きな姉のサチ、作ることが好きな妹のあやり。まさに出会うべくして出会った2人です。

「ほんっと… 美味しいね あやりさん! また一緒に作ってくれる?」
「はい!」

『新米姉妹のふたりごはん』1巻・1品目「生ハムサンド」

姉妹として成長していく関係の2人を、美味しくて可愛いイラストともに味わってみてください。


『オンリー☆ユー 〜あなたと私の二人ぼっち計画〜』(全1巻)

強いてジャンルを述べるのなら、「強制同居百合」というべきなのでしょうか。『オンリー☆ユー 〜あなたと私の二人ぼっち計画〜』は、一人ぼっち危険度が高い「一人ぼっち特待生」の子をペアにすることで対人能力まで上げてしまおうという「極秘ごくひプロジェクト」という名のもと、強制的に同居させられる女の子たちの姿を描いた物語です。

まあ、とんでもない設定ですよね?
他にも、指輪をはめ合うのが入学のであったり、パートナーと5m以上離れてしまうと指輪から電撃が流されたり、同居する家に置かれているのがダブルベッドであったり、ありとあらゆる手で2人を強制的に仲よくさせようという魂胆こんたんが見えまくりです。

そんなプロジェクトに巻き込まれた都島みやこじま知多子ちたこ城東じょうとうよしやが仲よくなれるのかは、是非本編を確かめてみてください。

私たち離れると… 禁断症状が出ちゃう体質なんだ!

『オンリー☆ユー 〜あなたと私の二人ぼっち計画〜』1巻・第1.5話

残念ながら物語は1巻で終わってしまうのですが、くせの強い独特な設定で、想像力がきたえられる唯一無二ゆいいつむにの作品であることには変わりありません。


『恋より青く』(既刊1巻)

『恋より青く』は、同じ電車に乗っていただけの高峯たかみねつかさ咲倉さくら詩織しおり が、1冊の本をきっかけにして関係を深めていく物語になります。違う高校に通っており、普通なら出会うきっかけもなかったはずの彼女たちですが、次第に電車の中から外へと舞台が移り変わることで、2人の関係性の変化を読み取ることができます。

友達に誘われてバレーボールをやっていた司は、怪我をしてしまったことをきっかけに――ではなく、「バレーボールのことが好き」という気持ちが薄いことに気付いてしまったことに後ろめたさを感じ、怪我を理由に辞めてしまったという過去がありました。「何が好きなのか、自分のことがよく分からない」そして「何もない」と話す司に、一緒に本を買いに行くことになった詩織はこう述べます。

でも高峯さんは… …本だって読んでくれました
私はそれが嬉しくて きっと――

…高峯さんは 人の好きを大切にしてくれる人です
私はまだ高峯さんのこと まだよく知らないかもしれないけど
それでも何もないなんて思わないです

『恋より青く』1巻・第6話

2人は出会って間もない関係性です。しかし、だからこそ染められていない状態でお互いのことを見ることができる。関係が深くなってしまったら恥ずかしくて言えなくなってしまうことも、口にして伝えることができる。
自分が何もなくはないことを教えてくれる相手に出会えたというのは、本当に幸せなことでしょう。リンクラ活動記録第6話 PART 5から始まるさやかほの会話は、まさにそういう時のそういう彼女たちだからこそのものではないでしょうか。

これから空間的だけではない広がりを見せていく司と詩織の世界も含めて、時がまだ浅いからこその関係性を是非感じてみて欲しいです。


さやかほ好きの方々に提案するのは以上の3つになります。

運命の悪戯いたずらと呼べるようなきっかけから深まっていく関係性の物語を、是非楽しんでみてください。


つづこず(綴理×梢:102期生)

何かがみ合わなくなった瞬間、直そうともがいても取り返すことはできず、いつの間にか修復しゅうふくしようがなくなっていた。ものや時間だけではなく、人間関係にいたっても、いくら悔やんでも取り返しの付かない事態におちいることもあります。

つづこずの間にも薄暗い影が落とされていました。それも約半年もの間。同じスクールアイドルクラブにいるにも関わらず、それなりの会話だってするのに、笑い合っていた日々とは決定的に違っていて、はたから見れば原因だって分かるはずなのに、彼女たちはずっと暗がりの中に迷い込んでいたのです。

後1つだけでも言葉が足りていれば、後1ミリだけでも手を伸ばすことができれば、胸がけるような時間を過ごすこともなかったはずなのに――。

つづこず好きの方には、精神的もしくは物理的に“距離”を感じることができる、甘いだけじゃなくて苦みもある物語を提案していこうと思います。


『さよならローズガーデン』(全3巻)

『さよならローズガーデン』は、19世紀から20世紀に移り変わる頃のイギリスを舞台にした物語です。
九條くじょう華子はなこは、日本から憧れの作家ヴィクターに師事しじするために渡英とえいしたがかなわず、そんな行くあてのなくなった彼女に、アリス・ダグラスは手を差し伸べます。ですが、ヴィクターに紹介するための条件として、アリスが提示したのは「私を殺して」という願いでした。

「自由」というものが今よりもずっとずっと制限されていた時代の物語であり、かいつまんで述べるとするならば、過去に1人の女性のことを愛していたアリスは、それをまやかしだと切り捨てられながら余生よせいを過ごすことになります。
しかし、華子との出会いがまず一つのきっかけを与えることに。

思った通り 彼女は太陽
私を暗闇から救い出す 最後の希望の光

「よろしくね 私の共犯者さん」

『さよならローズガーデン』1巻・第2話「太陽、荊、共犯者」

窮屈きゅうくつな世界から抜け出すことを、華子に求めるアリス。一方で、アリスを殺さずに済む方策ほうさくをなんとか見つけ出そうとする華子。
お互いに願いがすれ違っていることを知りながらも、彼女たちは「共犯者」として、彼女たちをしば俗習ぞくしゅうから抜け出すための道を探し出しにいきます。死だけが彼女を救う唯一の方法なのか、それとも……。

アリスと華子を取り巻く環境は、今では考えられないほど苦しいものです。
――いや、本当に「今では考えられないほど」なのでしょうか? “普通”から外れることで起こる理不尽りふじんさは、集団としての世界をするために許容きょようすることを強制されるもので、それは今でもこの先でも変わることは絶対にありません。
しかし、例えば「好き」というプリミティブな感情まで否定されることに、本当にえなければならないのでしょうか?

『さよならローズガーデン』を読み終わった時、少しだけあなたを取り囲む世界が変わって見えるのかもしれません。


『紫色のクオリア(漫画版)』(全3巻)

ライトノベル版『紫色のクオリア』を原作としたコミカライズ版です。

波濤はとう学《まなぶ》のファーストキスの相手である鞠井まりいゆかりは、自分以外の生物がロボットに見えるという素質そしつの持ち主。そんな折、ある事件に巻き込まれた学は大怪我をしましたが、ゆかりはまるでプラモデルを修理するかのように学の怪我をなおして﹅﹅﹅﹅いきます。部品として携帯電話を使用したことで、学の左手は通話装置として利用できるようになります。

ここまでのあらすじで分かる通り、『紫色のクオリア』の位置付けはSF(サイエンス・フィクション)となっており、学はこのことをきっかけにして、ゆかりをめぐ壮大そうだいな旅に出ていくことになります。
詳しくは本編を読んでその衝撃を受け止めて欲しいのですが、2巻の紹介文としても引用されている『紫色のクオリア』を象徴しょうちょうする一文を挙げておきましょう。

警告しよう
――ここから物語は急転する

『紫色のクオリア(漫画版)』2巻・episode:10

物語は前半と後半で大きく色合いが変わっていきます。しかし、その中心にいるのはずっとゆかりであり、学の言動げんどうはすべて彼女に縛られているのです。
物語の終わりを迎える時、学はどこに行き着くのでしょうか――。

百合(というか、カップリング)を語る上で「巨大感情」という言葉がたまに使われているのですが、まさに恋愛感情などはるかに超えたものが学を突き動かしていきます。その先に見えるものは希望なのか絶望なのか、予測不能な物語が待ち受けています。


つづこず好きには、世界から孤独こどくになってしまった「2人」をより感じさせる決して軽くない物語を提案してみました。

裂けることのできなかったどうしようもなさから生まれる強い感情。きっとあなたの心に刺さるはずです。


かほるり(花帆×瑠璃乃:103期生)

かほるりの2人を形容けいようする言葉としてぴったりなのは、気の合う「友達」とか親しい意味での「悪友あくゆう」というものではないでしょうか。2023/9/24配信のWith×MEETS「勝負だよ、瑠璃乃ちゃん!」でも、2人が心の底から楽しんでいる様子が伺えます。

しかし、性格が似ている2人でありながら、その形成は大きく異なり、幼少期から閉じ込められていた天真爛漫てんしんらんまんさを解放させた花帆と違って、瑠璃乃の方は気を使いすぎて「充電切れ」になってしまうことも。そんな自らが欠点だと思っていたところに手を差し伸べたのが花帆でした。

お互いのすべてを認め合える友達――そして、その先が感じられる、こんな物語はいかがでしょうか?


『みみみっくす!』(全3巻)

『みみみっくす!』は、ファッションとしての「つけ耳」がブームとなっている世界での物語です。
高校生になりつけ耳デビューをしようとした緑野みどりの乃々ののでしたが、アレルギー体質であることが判明。しかし、好きな人(佐倉さくらねおん)と同じつけ耳を付けたいという気持ちを受け取った三峰みつみねみかんは、乃々にうさぎ耳を付けてあげるのですが……。

この世界ではファッションとして取り付けるつけ耳ですが、元の動物の特性が少なからず出てしまうという副作用があり、この物語に出てくる登場人物の多くは、そんな副作用の存在に翻弄ほんろうされてしまいます。
彼女たちがどんな想いでつけ耳を付け、どんな結果を生んでしまうのでしょうか。

『お揃いの耳をつければその恋は上手くいく……』
本当だね… うさぎの気持ちわかってきたよ

何をされたいかとか… どこが気持ちいいかとか…
大丈夫 私に任せて…… 同じ耳同士だもん……

『みみみっくす!』1巻・1匹め「つけみみ、はじめます!」

引用文から分かるように、『みみみっくす!』はちょっとえっちな百合ラブコメディとして進んでいきます。不思議なつけ耳を巡る不思議な関係性たちを、まずは味わってみてください。

そして、乃々とねおんはどういう結末を迎えるのか。3巻を通して少しずつ縮まっていく距離も必見です。

【追記】
現在、『みみみっくす!』電子版の配信は行われておりません。


『GIRL FRIENDS』(全5巻)

百合漫画の名作として語られることの多い『GIRL FRIENDS』。「FRIENDS」の名の通り、高校生の熊倉くまくら真理子まりこ大橋おおはし亜希子あきこの関係は「友達」から始まります。
いろんな登場人物たちを巻き込みながら、2人の友情が恋愛に変わるさまを味わうことができるでしょう。初めて百合漫画を読むという方から、新しい作品はよく読むけれどという人にまでおすすめの作品です。

友達から始まった真理子と亜希子(本編では「まり」と「あっこ」と呼び合います)は1年の中で親友と呼べるまでの関係になり、進級後、早々に転機が訪れることに。
あるきっかけで家で2人きりになりお酒を飲むことになった(※ お酒は二十歳はたちになってから)のですが、眠ってしまった亜希子相手に、真理子はキスをしてしまいます。

それから自分の恋心に気づいてしまった真理子。自暴自棄じぼうじきとも言える行動に走っていき、亜希子を困惑させることになります。
そして、亜希子の「同情で付き合ってもらうのなんかイヤでしょ?」という言葉に対して、

嬉しいよ…
私だったら嬉しいよ。同情でも何でも。
でも…そんなの絶対ありえないもん…

…私の恋は絶対に叶いっこないもん

『GIRL FRIENDS』第2巻・第14話

亜希子を押し倒し、再びのキスをする真理子。
彼女たちの関係は、一体どこへ向かうのでしょうか――。

今見えているかほるりという関係からは、ちょっと背伸びをしている2人の物語ですが、この友情から恋心に移り変わっていく様子は、きっとこの先の妄想をかき立てるスパイスとなるでしょう。


ちょっとえっちなラブコメディと純粋な恋愛漫画を挙げてみましたが、いかがだったでしたでしょうか?

同じような性格のかほるりが、これから如何いかにして関係性を深めていくのか……。可能性は広がるばかりです。


こずめぐ(梢×慈:102期生)

こずめぐ簡潔かんけつに述べるとすれば、ケンカップルとなるのでしょう。2023/11/4配信のWith×MEETS「梢!トークしよ」でも、慈自身が「ケンカップル」というコメントを取り上げるほどでした(喧嘩けんかしていないと否定していましたが……つまり……?)。

ですが、お互いにリスペクトしていることは端々はしばしからうかがい知ることができます。素直にめ合うことはできないものの、自分には持っていないものを持っていることは素直に認めているのでしょう。微笑ほほえましい。

たまにお茶会に誘ったりスターバックスに行ったりすることもあるようで、日常では仲よくしている様子もこずめぐの魅力です。喧嘩するほど仲がいいとはよく言ったもので、まさに彼女たち――そして、ここから取り上げるCPたちにぴったりと当てはまる言葉に違いありません。


『あの娘にキスと白百合を』8巻・第37〜39話

シンプルに「ケンカップル」を味わうのなら、まずはここから読むのがおすすめです。
『あの娘にキスと白百合を』は1巻ごとに描かれる関係性が違っているオムニバス形式となっており、(最終10巻を除く)どの巻から読んでも楽しめるでしょう。そして、もっと観てみたいと思ったなら、1巻から順に追っていくのがおすすめです。個人的には4巻が一番好き。

さて、『あの娘にキスと白百合を』8巻は、虎山とらやまひかりと龍海たつみなぎさが、生徒会長の座を巡ってバチバチに争う中で起こる出来事が描かれているのですが……、実はこの2人、一緒に暮らしているのです。仲よしじゃん。

あんたのこと嫌いだけど
隣にはいてあげる

『あの娘にキスと白百合を』8巻・第38話「清蘭学園高等部生徒会役員総選挙」

お互いに嫌い合っている﹅﹅﹅﹅﹅﹅﹅2人ですが、どんな展開が待ち構えていて、どんな答えを出すのか、是非読んでみてください。

ちなみに、基本的にはオムニバス形式で進むのですが、10巻を通して歩み寄っていくカップリングも存在し、それが白峰しらみねあやか と黒沢くろさわゆりねの2人になります。
こちらはケンカップルとは言わないまでも、ライバル百合と名付けられるものなので、やはり全巻買うのがおすすめですね。学園を舞台に起こる様々なジャンルのCPが楽しめる作品です。


『フードコートで、また明日。』(既刊1巻)

『フードコートで、また明日。』は、お嬢様な見た目の和田わだとギャルな見た目の山本やまもと――2人の女子高生が、おもにフードコートを舞台にして、どうでもよかったりどうでもよくなかったりする会話を繰り広げる物語です。

実はこの2人、中学生の時に出会ったというエピソードが語られるのですが、高校はそれぞれ別の場所に通っており、彼女たちはその隙間を埋めるためにフードコートで放課後におしゃべりをすることになりました。
いい意味で「友達感」の抜けない2人だけど、たまに出てくる「あなたじゃないといけない」という、ちょっと束縛そくばくを感じる関係が、『フードコートで、また明日。』の大きな魅力だと思います。

仲のいい――今はそれ以上でもそれ以下でもないゆるやかな関係。そして、そんな空間に身を置くことに居心地のよさを感じる和田と山本。少しでもずれてしまうと壊れてしまいそうな絶妙ぜつみょうな色合いと間合いを感じることができるでしょう。

「私たちがこうして喋ってることも形に残るわけじゃないし
 何もかも無意味なんだよねー…」

「形に残んなくても別によくねぇ?
 意味ないって思ってたら 毎日会いに来ねーって」

『フードコートで、また明日。』1巻・第3話

かなりふんわりとした説明にはなってしまいましたが、『フードコートで、また明日。』の空気感は読むことでしか味わえません。是非、2人のテンポのいい会話劇にひたってみて欲しいです。

(放課後にわざわざ会いに行くほど仲よしなのに、ずっと苗字みょうじ呼びなのもいいですよね。そういうところにもときめきを感じる方は、まずは第1話から!)


真正面なケンカップルの物語と適度な距離感が心地のいい2人の物語を挙げてみましたが、如何でしたでしょうか?

こずめぐの(くっ)付かず(でも決して)離れずな関係性が好きなあなたの心に、きっと突き刺さることでしょう。


終わりに

今回は「同学年」をテーマに4組のCPと9作品の百合漫画を取り上げてみました。前回もそうでしたが、そのCPにいながらも、その先を補完ほかんできるようなものを提案しています。

このnoteが、蓮ノ空のあなたの好きなCPをもっと深める参考になれば幸いです。そして、百合という関係性の沼に、是非、躊躇ためらわず飛び込んでみませんか?

【Part.3に続く】

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