『4年+1年掌編』作品解説「隣の人」
まずは、冊子を手に取ってくださりありがとうございます。
収録順じゃないのかと言われそうですが、すいません、この作品からいきます。
経緯
この作品は大学三回生になったばかりの6月、実体験を基にして書きました。
当時の私の状況は物語中の主人公君とほぼ同じです。違いは、回生と通学時間が30分短いくらい。
それでまあ、無事引っ越して、華の一人暮らし! となる筈だったのですが、隣人の騒音で見事にかき消されました。
その時住んでいた部屋は、壁が異常に薄かったんです。隣の部屋のインターホンの音が聞こえ、ジッッッと耳を澄ませば、話し声がある程度聞き取れるくらいには。
多少の生活音なら全然我慢できるのですが、そうではなかったんです。大声で話す、複数人で騒ぐが当り前。おまけに、夜中になると大声で叫んだり。(恐らくゲームしていたのだと思います。独り言も、サウンドもよーく聞こえる)
こんなのがほぼ毎日でしたからね、あまり寝れませんでした。管理会社に言って注意してもらいましたが、どこ吹く風。あまり効果はありませんでした。
そんなある日に、サークル仲間から、新聞の文芸欄に応募してみようと誘われまして。一人暮らしで少し余裕が生まれていた私は、執筆意欲が高まってましたから、応募しようと決めたのです。
そこで何を書くか悩んだ時、この体験を基にしてやろうと。ストレス発散の意味もありました。
さすがにそのまま書いてもアレなので、隣人を正体不明にして、「僕」には大分焦ってもらい、この作品ができました。「僕」の不安感、落ち着かない様子は当時の私の感情ママです。
そうして締切2日前に書き上げて、某新聞に送りました。
結果は、私もサークル仲間も佳作。本文は載りませんでしたが、タイトルと名前が紙面に載りました。あれは感動しました。名前が載るというのは良いですね。近くのコンビニに2部買いに走りました。
キャラクター・思うこと
劇中で私が相談する友人「カタヤマ君」ですが、彼は実在しません。腰の低い「僕」には多少荒いくらいの奴が丁度いいんじゃないだろうかと思い、登場させました。
元ネタは鈴木光司先生の『リング』シリーズに登場する高山竜司です。
好きなんですよ、竜司。このことは話すと長くなるので、また今度。
今回、改めて読み直しましたが、なんというか、今よりスラスラ進行している気がしてなりません。なんだろう……、会話文のぎこちなさは変わらずですが、それ以外はこう、スムーズというか……。
今の作品より勢いありませんかこれ?
以上となります。思いついたら勝手に加筆するかもしれません。
最後に
今回、あとがきをnoteに書くという手段を取りましたが、これは純粋に間に合いそうになかったということと、noteを動かしたい思ったこと、1日1編の解説で書く習慣をつけようという狙いがあります。
二度手間かもしれませんが、お付き合いいただけると幸いです。
そして、この記事だけ読んで、『隣の人』ってなんだよ! と思った方のためにも、作品の方、アップしたいと思います。
それではそれでは。ありがとうございました。
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