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労働許可とソーシャル・セキュリティー番号があればどこでも働けるの?

弊社にお仕事を探しにいらっしゃる方は、いろいろなビザを持っている方がいらっしゃいます。

アメリカの市民権や永住権(グリーンカード)を持っていらっしゃる方はアメリカで働くことは全く問題がありませんし、学生ビザなどの方が、ビザ・サポートがないと働けないことはご本人も承知しているようですが、中にはいろいろ勘違いされている方もいらっしゃるようです。

まず、「アメリカ市民権または永住権を持っている彼氏・彼女と結婚する」と言って仕事を探しにくる方がいらっしゃいます。アメリカ市民と結婚すれば、いずれは自分も永住権をもらうことはできますが、ただ、手続きに数ヶ月から数年かかる場合があります。結婚すればすぐに働く権利があるわけではありません。

EビザまたはLビザの家族の方から「自分は家族だからアメリカで働けるはずだ」というお問い合わせをいただくこともあります。EビザやLビザの家族の方がアメリカで働く場ためには、労働許可証を取得する必要があります。労働許可証を取得するには、やはり数ヶ月かかります。(2019年現在)

「夫は労働許可証を持っていないので、私も必要ないのではありませんか?」というお問い合わせもいただきましたが、これは、ご本人がEまたはLビザがあるので、本人には労働許可証は必要ないからです。

EまたはLビザの労働許可証の延長はEまたはLビザを取得された方のビザが有効である限り、簡単にできます。

H-1Bビザ、Iビザ、Oビザなど、「本来の仕事の収入が少ないから」と言って、サイドジョブ(アルバイト)を探しにいらっしゃる方もいらっしゃいます。

H-1Bビザを持っている方は、このビザのスポンサーになった企業でしか仕事で収入を得ることはできません。サイドジョブをやりたいのであれば、サイドジョブにたいする労働ビザを別途取得する必要があります。

Iビザ(ジャーナリスト)やOビザ(芸術家など)のビザを所有している方が一般事務のお仕事にご応募してこられることもあります。ソーシャル・セキュリティー番号も持っていらっしゃり、いろいろな所からお仕事を受けているため、ご本人はどんなお仕事でもできると勘違いされているようです。どんな仕事でも無制限に受けることができるグリーンカードとは異なり、Oビザを音楽で取得された場合には、アメリカでできる仕事は音楽と関係のある仕事だけです。

DACAは今のところ仕事の制限はありません。DACAとは、Deferred Action for Childhood Arrivalsの略です。子供の頃、アメリカ合衆国に入国した「不法移民」に対する救済措置です。オバマ大統領が2012年6月に導入しました。

基本的には、16歳になる以前にアメリカに入国し、高校の卒業資格を持つ人で、当時31歳以下の人に2年間の期限付きで発行されました。

アメリカには、本人の意志ではなく、親に連れられて米国に移民して不法移民になってしまった人が相当数いらっしゃいます。中には、出身国の言葉もろくに話せない人もいます。実際問題、出身国に今更帰れと言われても、生活のすべもないのです。

そこで、人道的な意味もあり、高校卒業資格のある若い人は、これからアメリカ合衆国の為になるだろう、という期待もあり、2年間の期限付きの就労ビザが発行されました。これがDACAです。DACAは2年ごとに更新可能です。

なお、トランプ大統領はこのプログラムに反対で、大統領に就任と同時に廃止を表明しました。しかし、反対意見が相次ぎ、現在でも救済措置は完全には廃止になってはいません。

将来アメリカで永住を考えている方は特に、知識がないために違法労働にならないように気を付けましょう。雇用主の方は、雇用を考えている候補者が合法的にアメリカで働けるのか、心配な時には専門家に相談することをお勧めします。候補者がいくら別の会社で働いた実績があっても、元の会社が知識が足りなく、違法労働を雇っていた場合もあります。

The Stellar Journal 2019年6月掲載
https://www.stellarrisk.com/ja/workpermitandsocialsecuritynumber/?fbclid=IwY2xjawE3H2FleHRuA2FlbQIxMAABHcxNQdms_IXhBTZe0B7cMrPOg1A0cgsW9V7KjLGSbJ54W0ThoMdfnPsrlw_aem_7vb3wJYJ6ZvrXQ6rD_0BKQ

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