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仕事のオファーレターについて

アメリカでは、仕事をオファーする時に、口頭で内定を出すのはもちろん、オファーレターを発行するのが一般的です。仕事のオファーレターとは、正式に仕事をオファーする際に、雇用主・従業員双方にとって、雇用条件を明らかにするためのものであす。オファーレターを発行しない雇用主さんもいますが、お互いに条件を明らかにするために発行することをお勧めします。
では、オファーレターに入れるべきこと、入れてはいけないことはどういうことでしょうか?

入れるべきこと:
氏名、住所、オファーを出した日付
会社名、会社住所、勤務地
タイトル、ジョブ・ディスクリプション、エグゼンプト・ノンエグゼンプトの別
初任給、勤務開始日、勤務時間・勤務日
給与の支払い頻度(2週間に一度、一か月に一度、など)
ベネフィット・サマリー(保険、有給休暇、有給疾病などの要約、待期期間など)
報告経路
使用期間がある場合には期間を明記する
仮オファーであることを明記する
 
入れてはいけないこと・注意するべきこと:
差別と受け取られるような文言
雇用を永久に保障すると思わせるような文面
タイトルのみ与えて、名ばかり管理職でExemptにするのは要注意
残業手当のポリシーは、州ごとに多少法律が異なるので注意
ベネフィットは変更の可能性があることを書いておく
 
次に、オファーレターはいつ発行すればよいのでしょうか?

口頭で仕事のオファーを出した時点で、できるだけ早く発行しましょう。注意しなくてはいけないことは、雇用する際の信用調査、レフェレンスチェック、ドラッグテストなどを行う「以前」に発行する方が良いと思います。これは別に規則ではありませんが、オファーレターを発行する以前に雇用のための信用調査などを開始すると、調査によって知り得た別の情報(年齢、人種的なバックグランド、出身地など)によって仕事のオファーをされない、というように上げ足を取られる可能性があります。信用調査を行うにあたって、生年月日、過去にさかのぼっての居住地、出身地、などを開示する必要も生じるためです。雇用をしない本当の理由は別の理由であっても、余計なトラブルが発生する可能性があるのです。

オファーを受けることを決めるまで、どのくらいの猶予を与えるれば良いか、ということも良く聞かれますが、1週間から10日、というのが平均だと思います。オファーレターの中には、オファーを受ける場合に、いつまでにサインと日付を入れて返す、という文言をいれておきましょう。

仕事のオファーレターは、不動産の売買契約書、結婚届けなどの書類とは違い、法律上仕事を保障する契約書とは言い切れません。というのも、オファーレターに限らす、雇用はあくまでも随意(At-Will)の関係であり、いつでも、雇用主からでも従業員からでも雇用契約を解消することができます。現に、コロナで騒ぎになってから、旅行関係業界や飲食関係業界などで、仕事のオファーの取り消しはもちろん、レイオフなども相次いだことをみていただければおわかりいただけると思います。

しかし、トラブルを最小限に防ぐためにも、オファーレターには「仮オファー」(Conditional)である、という文言を入れておくことをお勧めします。また、いくら良い候補者だとは言え、あまり先すぎるオファーは出さないことをお勧めします。コロナに限らず、この世は「一寸先は闇」なのですから。
 
The Stellar Journal 2021年5月掲載
https://www.stellarrisk.com/ja/jobofferletter/?fbclid=IwY2xjawEdMZ9leHRuA2FlbQIxMAABHY51hmjtS6mW8B6e9FzRm8uUZh2zmzt1BSjGlTl51_j2AJ6yBXOsIy0iZg_aem_LBk4z6pOkN27BUaBLARCDg

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