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隔離政策サバイバル法

現在(2020年4月)、残念ながら米国はコロナウィルスの感染者数が世界第一位になってしまいましたね。ニューヨークやカリフォルニアなどの大都市では、外出禁止令などが出され、急遽在宅勤務を強いられている方が多いと思います。

以前このコラムで、在宅勤務のことについて書き、在宅勤務をするための雇用主の条件などの説明をさせていただきましたが、今は条件が整わなくても突然、在宅勤務を強いられている方がほとんどです。つまり、何も準備がないまま、在宅勤務を強いられて戸惑っている方も多いようです。

子供だけではなく、配偶者、パートナー、ルームメイトが家にいて、仕事に集中できない、仕事のリズムがつかめない、人と接することが少なくなり寂しい、などという話はよく聞きます。在宅勤務・隔離政策を上手く乗り切るたに以下のことをやってみてはいかがでしょうか?

·       リズムを作りましょう。
決まった時間に起きて、仕事にふさわしい服を着るなど身だしなみを整えて、9時から5時に仕事、昼休みは正午から1時間、というようなスケジュールに従いましょう。根を詰めすぎず、休憩も取りましょう。
·       テレビやラジオをつけっぱなしで仕事をすることを避けましょう。
オフィスにいるときのように、仕事に集中できるようにしましょう。ニュースを聞きすぎると、逆にパニックになる可能性があります。
·       必要性に応じて、環境を変えましょう。
孤独に感じるのであれば、同僚などとオンラインミーティングなどをしましょう。家族がまわりにいて仕事に集中できないと感じるのであれば、家族と話し合って静かな時間を作ってもらいましょう。夫婦交代で子供の面倒をみる、仕事場にする部屋や場所を別ける、など工夫しましょう。
·       健康に気を付けましょう。
ヘルシーな食事を心がけましょう。糖分やアルコールの取りすぎに気を付けましょう。散歩やストレッチなど適度な運動をしましょう。
·       心の健康に不安があるのなら、オンラインで心療内科の先生の診療を受けましょう。
·       アフターファイブには友達と日時を決めて、オンラインでの飲み会、おしゃべり会など持ちましょう。
(参考文献:“How to maintain your mental health while working from home”, by Gwen Moran, Secrets of the most productive people, March 20, 2020
https://www.fastcompany.com/90479504/how-to-maintain-your-mental-health-while-working-from-home )

パニック買いもある意味、コロナウィルスの隔離政策から来る一種の心の病なのかもしれませんね。トイレットペーパー、ハンドサニタイザー、マスクの買い占め以外にも、冷凍食品、肉、卵、牛乳など山ほど買い込み、冷蔵庫・冷凍庫に保存する人がたくさんいるようです。私の良く行くスーパーマーケットでは卵でさえ「お一人様2パックまでにお願いします」と書いてあります。トイレットペーパーを使う量は限られています。食品の必要量も限られているだけではなく、卵や牛乳などの賞味期限はさほど長くないにも拘わらずこの様です。

そのうち野菜もなくなると考える人が多いためか、あるいは、在宅勤務で通勤時間もなくなったし、家にいる時間が増えたためか、野菜のタネにもパニック買いが増えているそうです。最もこのパニック買いは外にでて家庭菜園の仕事をすれば、体も動かせますし、野菜ができた暁には無農薬の野菜を食べられる訳ですので、まさに健康維持に役立ち、悪いことではないかもしれませんね。
(参考文献:“Panic Buying Comes for the Seeds” by Kendra Pierre-Louis, The New York Times, March 28, 2020.
https://www.nytimes.com/2020/03/28/style/seed-panic-buying-coronavirus.html )

ところが、野菜のタネどころか、ヒヨコのパニック買いも起こっている場所まであります。ユタ州、ミズーリ州、テキサス州では、「卵の値段が高くなる心配がある」「なるべく食糧の自給率を高めたい」、という希望がある人が多くヒヨコの購入に「お一人様6羽まで」などの制限をつけた店もあるそうです。ヒヨコを飼うのは、将来ニワトリがうむ卵を確保する目的に加え、「小学生の子供が学校で理科の観察・実験ができないから、家庭で勉強になるように」「ヒヨコが育つのをみていたい」という希望もあるようです。隔離政策から来る孤独感に対する癒しもあるのでしょう。
(参考文献:“Coronavirus concerns: People are panic-buying baby chickens, reports claim” by Janine Puhak, Fox News, April 8, 2020
https://www.foxnews.com/food-drink/coronavirus-concerns-people-buying-baby-chickens-reports-claim )

パニック買いではありませんが、シカゴの捨てられた動物の保護施設であるシェルターでは、アダプト(動物の引き取り)が爆発的に増え、史上初めて、シェルターで引き取り手を待っている保護犬がゼロになりました。捨てられた犬が家族を見つけたこと事態は良いことだとは思いますが、これも孤独を感じている人が自分の近くに人間でなくてもペットがいて欲しい、ということなのかもしれませんね。
(参考文献:“For the first time ever, Chicago Animal care and Control has run out of adoptable dogs” by WGN Web Desk, WGN, April 7, 2020
https://wgntv.com/news/for-the-first-time-ever-chicago-animal-care-and-control-has-run-out-of-adoptable-dogs/ )

とにかく、心身両方の健康に気を付け、この難局を乗り切りましょう。野菜が育って食糧になるにも、ヒヨコがニワトリになって卵を産むようになるにも数か月はかかります。コロナウィルス危機が解消されて以前の通勤する生活に戻っても、育て始めた野菜の栽培も収穫までは責任をもって行うのはもちろんのこと、卵を産まないオンドリだったとしても、くれぐれも成長したヒヨコ(ニワトリ)やシェルターから引き取った犬を飼うのを途中で投げ出さないようにしてもらいたいものです。

The Stellar Journal 2020年4月掲載
https://www.stellarrisk.com/ja/workingfromhomeduringcoronapandemic/?fbclid=IwY2xjawEptPxleHRuA2FlbQIxMAABHekL3y4VrCpvNlBGFXji9R4pH83MwKG4DrJ5yORNVNcUHZb1RG-D-pzWnQ_aem___yNf0-wMXiTNg27wxS4mQ

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