アカチャンホンポ
僕は京大生だ。
京都大学、言わずと知れた日本で1番の大学で学ぶことを許された存在である。
一回生の秋、貯金が少なくなった僕はあるバイトの面接に応募した。
人生初のバイト面接の日。こんな優秀な人間採用側は喉から手が出るほど欲しいだろうと思い、
ウッキウキでアカチャンホンポへと向かった。
結果は不採用。絶望した。
いままでありとあらゆる試験に合格してきたこの僕に初めて傷跡をつけたのがアカチャンホンポだった。
しかし悲劇はこれで終わらない。そこからなんと立て続けに6連続でバイトの面接に落ちたのである。周りの同期はほとんどが一回目の面接で採用されて仕事を始めているのに、僕だけが何度面接を受けても一向に採用されない。
自分は本当に社会に不適合なのではないかという不安が、いつの日からか一番最初に不採用を突きつけてきた諸悪の根源であるアカチャンホンポへの怒りに変わっていった。なにか仕返しをしてやろうと、使ってもいないアカチャンホンポのアプリに低評価のレビューをしかけたこともある(もともとがめちゃくちゃ低評価で可哀想だったのでやめた)。
正直いまもアカへの怒りはおさまっていないが、そろそろ前に進まなくてはならない。今まで受けた面接を冷静に分析し、敗因を明らかにしていこうと思う。
①アカチャンホンポ
全ての始まり。
面接は途中まで何の問題もなかったように思うが、店長さんに「赤ちゃんが好きなの?」と聞かれて「別に好きじゃないです」と答えてしまったことが致命的だったと思う。いや、僕は実は赤ちゃんがめちゃくちゃ好きなのだが、赤ちゃんが好きな男子大学生は怖すぎると思い、咄嗟にこう答えてしまったのである。だが向こうからしてみれば赤ちゃんが嫌いな男子大学生がアカチャンホンポの面接に来てる方が怖かったのだろう。
敗因:好きなものを素直に好きと言えなかった
②100均
リベンジに燃える2回目のバイト面接。
これも途中まで何の問題も無かったが、最後の常識テストにおいていくつかの漢字が読めず、おそらくそのせいで不採用になった
敗因:バカ
③セブンイレブン
さすがにコンビニなら採用されるだろうと思い挑んだ3回目の面接。まじで何も落とされるような心当たりがない。なんならオーナーさんと落研の話で盛り上がったし感触は今までで1番良かった。
ここのセブンイレブンの面接は履歴書が不要だった。オーナーさんいわく、「履歴書とかの書類じゃなくて、その人の内面をちゃんと見て採用したいんだよねえ」とのこと。
敗因:内面(人間性)
あと3つか4つくらい落ちているが、セブン以降はどうせ落ちるだろと思ってあまり真剣にやらなかったので割愛する。実はこの後、先輩からの紹介でようやくバイトを始めることに成功するが、それもいろいろあって先日退職してしまった。
春、始まりの季節。僕は新しい職場にたどり着くことができるのか。今日もタウンワークを眺めている。
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