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怒る?叱る?説教?

 記事を見つけてくださり、ありがとうございます。小説家を目指している天宮英璃です

 小説を書きながら、日常で思った事をエッセイにして書いています。今回のエッセイは、「説教と怒り」をテーマにしました。実際に私が経験したエピソード、且つ、あくまで私の感想ですので、最後まで読んでいただけると幸いです


この言動はどれなんだ?

 いきなりだが、読者の皆さんは、誰かに怒られたり、叱られたり、説教を受けた事があるだろうか?
 おそらく、人生で一度もないと言う人はいないだろう。私も、20数年生きていて、そう言った事が何度もあった

 保育園の時は、よく先生に叱られていたし、小学校の時は、よく親から叱られていたので、自分の幼少期は、大人からすると、「大丈夫なのか、この子」と心配される子だったとつくづくと思う。もちろん、間違いや悪い行いを正すためだと言うのはわかるが、金切り声を挙げ、顔を真っ赤にさせて睨む姿は、ただの恐怖でしかなかった。その時の経験がトラウマになったのか、今でも叱られる事が怖い

 とにかく、大人に目をつけられないようにと、10代の頃はなるべく目立たないように、自分の存在感を消すようになっていた。そうすると、その時期は、大人から叱られる事は少なくなってきた。ただ、ふと気持ちが緩むと説教される事もあった。特に大学時代から今にかけて、思いがけない事で説教を受けるようになった。説教してくる相手は、大抵男性からだった。愚痴や悩みを相談すると、いきなり私の欠点を威圧的に指摘してくるのだ。確かに、欠点や過ちを指摘してきてもおかしくないが、初めは穏やかに話していたのが、急に糸が切れたかのように説教し始めるのだから呆気に取られてしまう。私も、感情的になって反発してしまうので、口論になってしまう事は当たり前の話だ。私が気持ちを落ち着かせて、相手に冷静になるように求めるべきなのだが、こちらが謝罪の意思を示さないと口を効いてくれない。しかも、こちらが謝っても、向こうは自分が正しいと考えているのか、「少し言い過ぎた」とか言うお詫びの言葉は言ってこない。かつて、信頼している相手に、そのような態度を取られた事があり、相手の人間性を疑ってしまった事がある

 以上が、私の経験の一部だ。完璧な人間はいないのだから、どんなに気を付けても、相手に不快感を買わせてしまうし、その度合いは人によって違ってくるから、防ごうとするだけでもストレスになる

 しかし、不思議な事に、怒る事も、叱る事も、説教も同じように思えてしまうのだ。声のトーンは威圧的だし、文面でのやりとりでも強気な口調だし、どれが怒るで、どれが叱るで、どれが説教なのかと頭が混乱してしまう

 そこで、次の章では、この3つの違いについて調べて、私の感想を纏めた



3つの意味を混同している?


 私は、「怒る」、「叱る」、「説教」の3つの意味を、混同している人が多いのではないかと考え始めた。そこで、3点の意味について調べたのだが、やはり、「怒る」と「叱る」の意味が、お互いに似ていると言う事がわかったが、「説教」は、その2点とは意味が異なっていた

 順番に紹介していく

 広辞苑によると、まずは怒るについて。怒るの意味は、「①いかる。腹を立てる。②叱る」

「怒る」の検索結果 - 広辞苑無料検索 (sakura-paris.org)

同。次に叱るについて。「(目下の者に対して)声をあらだてて欠点をとがめる。とがめ戒める」

「叱る」の検索結果 - 広辞苑無料検索 (sakura-paris.org)

同。そして、説教について。「①宗教の教義・趣旨を説き聞かせること。教理を説いて人を導くこと。②訓戒すること。また、堅苦しい教訓的な話」とある

せっ‐きょう【説教】‥ケウ - 広辞苑無料検索 (sakura-paris.org)

 意味を調べてわかったのは、「怒る」と「叱る」と言う意味に明確な違いがない事だ。一方、「説教」の意味は、落ち着いた感じと言う印象を持った

 これだけではわかりにくい部分があるので、ネットで3点の違いをわかりやすく纏めたサイトがあるので紹介する

あなたはわかる?「怒る」「叱る」「注意する」「説教する」の違いを解説! | 怒るの研究所 (okoru.net)

 詳しくは引用先を確認してほしいが、私なりに纏めるとこんな感じだ

 まず、怒るは「相手に向かって感情的な反応を示すこと」らしい。我を失うと、感情任せに暴言を吐くだけでなく、時に暴力を振ってしまう事もある。また、そのサイトでは「別のことを引き合いに出したり、言わなくてもよいことを言ってしまう」と指摘している。つまり、相手と口論になって、事態がややこしくなる時は、怒りの感情が絡んでいる事になるのか

 次に、叱るは「不適切な言動を指摘して責任を問い反省を促すこと」らしい。これは、叱られる側に、何かしらの非があると言う事が前提になり、理不尽に言われている状況でなければ、相手は叱っていると言う解釈となるのか。また、「叱る際は相手の性格や気持ちを十分に考慮し、相手に対して適切な言葉遣いをすることが重要」と指摘している。そうなると、叱る側はある程度の冷静さを求められ、あまり声を荒立ててはいけないと言う事だろう

 そして、説教は「自分が正しいと思う考えや行動を教え説くこと」らしい。わかりやすく言うと、年上(もしくは目上)の人物が、年下(もしくは目下)の人物に指導する事か。また、「説教は字のごとく「教え説く」ため、相手に対して優しく、丁寧に話しかけることが大切」と指摘している。つまり、立場が違っていても、相手と同じ立場に立って、自分の考えや意見を伝えていくと言う事だろう

 見ての通り、「怒る」と「叱る」の意味を混同しやすい。確かに、広辞苑では両者とも明確な違いはないが、『怒るの研究所』では、怒るは、感情的になるあまり、その場では関係のない事も言ってしまい、叱るは、相手に責任がある事を前提としている

 ただ、それでもわかりにくい。これは、私が、「怒る」と「叱る」の違いが、はっきりとわかっていないからだ。意味を調べても、完全に理解できたと言いきれない。それに、ストレス社会と言われる世の中だ。初めは、相手の責任を反省させるつもりで叱っても、ふとした瞬間にキレて、怒ってしまう始末になってしまうかもしれない。結局は、その状況にならないと、どちらの行動を取るかはわからない事だ

 それでも、「説教」は、「怒る」と「叱る」とは明確な違いを持っていると言う事がわかる。ところで、私は、本来の意味での「説教」を受けた事があっただろうか?もしかして、「これは直した方がいい」とか、「どうして、そんな事をするの?」と言うダメだしのような口調で言われた事が、説教に近いのだろうか?いや、これは注意になるのか?うーん、ますますわからない。もしや、アドバイスが「説教」と混同されている事もあるのか

 一応、アドバイスの意味はこうだ。「助言。忠告。勧告」

「アドバイス」の検索結果 辞苑無料検索 (sakura-paris.org)

 ここで出てきた意味についても調べてみる。助言は、「かたわらから言葉を添えて助けること。また、その言葉。口添え。じょごん」

「助言」の検索結果 - 広辞苑無料検索 (sakura-paris.org)

 忠告は、「まごころをもって他人の過失・欠点を指摘して戒めさとすこと。こころぞえ」

「忠告」の検索結果 - 広辞苑無料検索 (sakura-paris.org)

 勧告は、「ある事をするように説きすすめること」となる

「勧告」の検索結果 - 広辞苑無料検索 (sakura-paris.org)

 この3つの中で、忠告が説教に近いと感じる。すると、相手からすれば説教だとしても、こちらからすればアドバイスとして、逆に相手からすればアドバイスとしても、こちらからすれば説教として受け止めてしまうかもしれない。つまり、「怒る」と「叱る」が混同しがちのように、「説教」は、先ほどの2点とは混同しなくとも、「アドバイス」と混同しやすいと言う事だ


私が考える、「怒る」、「叱る」、「説教」の違い 


 以上の事を踏まえて、3点の私なりの解釈を纏めた

 まず、初めは相手に責任を追及するつもりでも、途中で、自分の感情がコントロールできなくなって、知らずうちに相手を傷つける始末になったら、「怒る」と私は解釈する

 次に、初めは、「コラ」ときつく声を上げたとしても、徐々に相手と目線を合わせて、冷静な気持ちで相手の過ちを言い聞かせるように話すなら、「叱る」と私は解釈する

 そして、終始穏やかで口調も柔らかく、相手の気持ちをしっかりと考慮しながら、自分の意見を伝えていくなら、「説教」と私は解釈する

 人によっては、威厳が足りないと感じたり、相手がしっかりと反省しないのではないかと思うかもしれない。ただ、威圧的な態度で相手に伝えるよりも、落ち着いた様子で相手に伝えた方が、向こうも感情的になったり、悲観的になりすぎずに冷静な話し合いができる。そのためには、お互いの信頼関係が築かれていて、自分の考えが、必ずしも正しいとは言い切れないと捉える姿勢が必要だと考えている


あとがき


 本文を最後まで読んでいただき、本当に嬉しいです

 私の経験、3つの言葉の意味、私の解釈などを書き綴った結果、かなり長い文章となってしまいました。また、語彙力が非常に高いと言える訳ではないので、所々で間違った表現があったら申し訳ないです

 今回、言葉の意味を調べるために、広辞苑の検索サイトを利用したのですが、辞書を引く事で、今までわかっていなかった意味を理解し、または意味を勘違いしていたと気づく事ができるなど、新しい発見ができて楽しかったです。私にとって、調べ事は、好奇心を引き立ててくれる大切なものです

 今回の記事は、これで以上となります。また、次回の記事でもお会いできたら幸いです。それでは、良い一日を


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