はじめに 道はなかった

☆photopos-2507 　2021.7.19

はじめに
道はなかったから
道はつくられた

はじめの道は
異族の首を手に持ち
その呪いの力で
祓い浄めて進んでできた
見えない霊の道だった

道は
ひとつではないから
じぶんで選んで歩まねばならない

だれでも歩める道
見分けのつかない道
けもの道
道なき道

道は
ひとの数だけあり
ひとりのなかにも
無数の道がある

だれでも歩める
そんな道を選ぶならば
むしろ注意深くゆくことだ

そこでは
自由が見えなくなり
見えなくなったところに
知らず入り込んでくるものがあるから

道なき道を歩む
そんな道を選ぶならば
自由の歌を歌いながら
心して進むことだ

そこにも
見えないものは訪れるだろうが
自由はそれらを浄める歌として
あらたな道の標ともなってゆくのだから

※愛媛県久万高原町・古岩屋にて