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ラヴクラフトの街—宇宙の彼方の色 新訳クトゥルー神話コレクション5—

概要

訳:森瀬繚
著:H.P.ラヴクラフト 
絵:中央東口

あらすじ

 怪奇小説作家H・P・ラヴクラフトが創始し、人類史以前より地球へと飛来した邪神たちが齎す根源的な恐怖を描いた架空の神話大系〈クトゥルー神話〉。
 その新訳コレクション第4集となる本書では、怪奇に遭遇し、時に怪奇に身を侵す碩学たちの根城・ミスカトニック大学編が開幕! ラヴクラフト自身が最高傑作を自負した表題作「宇宙の彼方の色」、永遠の生命を探求する医学者の狂気に肉薄する「ハーバート・ウェストーー死体蘇生者」、呪われた魔女の隠れ家が禁忌の儀礼を悪夢に喚び起こす「魔女の家で見た夢」など、ラヴクラフト自身が手がけた“原神話”を始め、妖しき因習の蔓延る古さびたニューイングランドの地ーーとりわけアーカムを舞台とする11篇を収録。

科学の英知と古き智慧の邂逅が、宇宙の秘密を開示するーー!

収録作品


・彼方より(フロム・ビヨンド) From Beyond        
・家の中の絵 The Picture in the House        
・ハーバート・ウェストーー死体蘇生者(リアニメーター) Herbert West-Reanimator        
・冷気 Cool Air        
・宇宙(そら)の彼方の色 The Colour Out of Space 
・古の轍 The Ancient Track        
・ユゴスよりの真菌(きのこ) Fungi from Yuggoth        
・暗闇で囁くもの The Whisperer in Darkness        
・魔女の家で見た夢 The Dreams in the Witch House        
・戸口に現れたもの The Thing on the Doorstep
・断章 Fragments

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はじめに

 前々から読んでいたクトゥルーシリーズの5巻になっている。これまでの本を読んでいるとラヴクラストという作者はどの様な物語を書くのか理解していき、その物語群の出来や不出来を楽しみながらその特有の要素を取り込む作者読みをしている気分になっていく。そうなるとマンネリ化が気になっていくが、この本の訳者兼編集者は名作を一つの巻にまとめるのではなくそれぞれに巻に持っていくので飽きる事はない。

 前巻の「新訳クトゥルー神話コレクショ4」ではナイアルラトホテプや幻夢境(ドリームランド)が主題になっていたがこの「新訳クトゥルー神話コレクション5」ではクトゥルー物語の舞台になる‘‘アーカム’’を主題となっており直接クトゥルーに関連があるのは「宇宙の彼方の色」と「暗闇で囁くもの」、「戸口に現れたもの」であるためますますラヴクラスト全集を読んでいる気分になる。


各話あらすじ特徴

彼方より

 親友クロフォード・ティリンガストの変化程恐ろしいものはなかった。ほとんど食事を取らずに続けてた研究、その産物の電気機械は時間空間を超越し森羅万象の底を見ることが出来るものであった。 

 以前のクトゥルーのコレクション4に掲載の「銀の鍵を抜けて」に似たような別の宇宙や時空間を超える理論の説明が今作の電気機械の説明内でも行われるが「銀の鍵を抜けて」が時空間を超える当事者の立場であったが「彼方より」は宇宙からの訪問者を発見する立場になっている。

 ゆらゆら揺れる幽霊のようなもの、クロフォード・ティリンガストが呼び下した魔物たち、その姿を見た召使たちはいつの間にか消えてしまう。自らの利害の為に語り手を犠牲にしようとする男との脅威が迫る話は「電気処刑器」と似たような作りになっている。


家の中の絵

 ある家系の身辺調査の為にアーカムへ向かう途中に嵐に合う。ある家で雨宿りをするはめになった語り手。その家にはヤンキース訛りの老人が住んでおり、奇妙なことに博物館や図書館以外の場所ではほとんど見つからない稀覯本を保存状態が良いまま持っていた。

 王道のある男が人殺しになるまでの過程とその人物に晒される語り手を描いた物語となっており最後の結末までも人の手による確実な死を予感させられる(有耶無耶にそう遠くない未来では悲劇が起こるであろうのような終わり方ではない)ラヴクラストでは珍しいものとなっている。

 物語の中心となってくる人肉嗜食や人体破損などのサディスティックな要素はラヴクラストが好んで入れたものであろう。どちらにしてもゴシックと怪奇を強ませる物語となっている。


ハーバート・ウェストー死体蘇生者ー

 ハーバート・ウェストの死体蘇生に纏わる短編を集めた連作となっており、章題を上げてみると

第Ⅰ話 暗闇より
第Ⅱ話 疫病という悪魔
第Ⅲ話 深夜に響く六発の銃声
第Ⅳ話 死者の絶叫
第Ⅴ話 影からの恐怖
第Ⅵ話 墓場の軍勢

となっている。ラヴクラストが描く「フランケンシュタイン」といった感じだが機械による感情の強調というものよりも生命を生み出すことの責任と仕打ちが前面に出ている。各章のあらすじと特徴を上げると

〈第Ⅰ話 暗闇より〉
 金髪の美青年ハーバート・ウェストの医学大学院三年時の話。死者蘇生の為の実験を大学から禁止されてしまったハーバート・ウェストは諦めきれずにいた。実験を続ける為に必要な新鮮な死体を求めていた。

 死体泥棒となったハーバート・ウェストと語り手の薄暗い知性に基づいた狂気的な探究、燃えてしまった屋敷、未発見の怪物などがこの章全体をゴシックの雰囲気に向上させている。火事の後に行方不明になった実験体(生体(アニメーション))がハーバート・ウェストの人生に追随する黒い影の象徴となっていく。

〈第Ⅱ話 疫病という悪魔〉
 最終学期の終了間際腸チフスにより罹患者が増え、死体も増えていた。新鮮な死体を求めていたハーバート・ウェストはこれを好機だと考えたが学位を持っていた為公務に付かなければならなかった。忙しい腸チフスの治療の中ハーバート・ウェストの実験に反対していたホールシー医師は英雄的な活躍をしていたが、その為早く亡くなった。

 怪物になってしまった英雄。名誉を汚す様な下劣な実験をハーバート・ウェストが施す中ウェスト自身の自己本位な一面が発露される。英雄は醜い人の血を求める怪物となり、精神病院に収容されるその変化にサディスティックな趣味が感じられる。

〈第Ⅲ話 深夜に響く六発の銃声〉
 大学院を卒業し一般開業医となったハーバート・ウェストと語り手。場所は労働者階級が働く工場町の墓場の近くの人目に付かない場所にしていた。予想どおりその地域では死体が都合良く手に入ったが実験の条件に合うものはなかなかなか見つからなかったがある日非合法の試合によって亡くなった黒人の死体がもたらされた。

 子どもがいないと発狂し死んでしまった妻の責任を問う男とばれてしまった試合、そして奇妙な訪問者、物語の幕を閉じたのは六発の弾丸であった。

 こちらの作品は主に目立った見どころと言うものはなくハーバート・ウェストと語り手の二人で開業医であり、今でも研究を続けているという点だけを把握すれば良い章であろう。

〈第Ⅳ話 死者の絶叫〉
 語り手は彼の実験の神秘性、魂の在り処に注意を向ていた。その為彼は実験の際、死体に話しかけてみると死体が答えたのは彼の予想に反して彼に襲った友人の行為についてだった。

 この章で語り手がハーバート・ウェストの死者蘇生の実験に対して嫌悪感を抱き、実験の為に人を手にかける友人に戸惑いや恐怖を描写している。それは次の章に繋げる布石でありハーバート・ウェストの人格の発露の描写でもあった。

〈第Ⅴ話 影からの恐怖〉

 世界大戦が起きた。ハーバート・ウェストについての疑惑と苛立ちが晴れない中軍医として彼と一緒に軍に入った語り手。友人の実験は別の段階に入っており頭部と肉体が状態でも蘇生されるかの検証を行いたいと考えていた。

 語り手が明確にそして心底ハーバート・ウェストに嫌悪感を抱いていることが記され、それでも離れらない奇妙な友情を抱きながらも軍務に従事する葛藤を簡潔に描写される。対してハーバート・ウェストはグロテスクなサディスティックな趣味が現れ出て、実験に対してもその傾向が出ている。

〈第Ⅵ話 墓場の軍勢〉

 ハーバート・ウェストがいなくなった日の出来事。彼は実験の産物を恐ろしく思っていた。それでも実験を行い、新しく生み出された生体(アニメーション)を処分する家を建てた。

 新聞に載ったニュースそこで精神病院に隔離されているホールシー医師を何者かが連れ去ったと。その集団のリーダーは蝋細工の顔であった。そのあくる日に頭部と肉体の離れた状態で実験し爆撃でその後の行方が分からないクラパム・リー医師の名前で届いた荷物。

 邪悪な実験を続けていたハーバート・ウェストの最後。奇妙な出来事でありながら理論的な言い訳を述べる語り手に好感を抱いた。

〈全体を通して〉

 前述のとおりよくある狂気のフランケンシュタイン博士の物語となっているがその中で一癖出しているのは生きている生体(アニメーション)が未だに動きを止めず、歩き回っていることと最後の締まりのない失笑を齎す結末であろう。それを台無しと捉えるかまたはナンセンスで愛着のあるものと捉えるかは個人次第であろう。


冷気 

  語り手が冷気を怖がる理由、それは自分の真上に部屋から水滴が落ちていることが始まりだった。ムニュスという医者が自分の真上の部屋に住んでおり、未知の病にかかったことで自宅療養をしていた。インテリなムニュスに惹かれていく語り手、彼の友人となり彼の病気のに怯える彼を励ましていた。しかしどんどん体調が悪化するムニュス、彼の言う治療法では部屋の温度を12.8℃に保たなければいけない。それ故に急な機械のトラブルに見舞われた際の悲劇を最小限に抑える術が必要であった。

 最後に出てくる老トレス医師、そして謎のフランス人内科医など語られない故に姿を掴めない人物が出てき、この治療法が語ることを拒む薄暗い道徳に反した技だと物語っている。

 死者蘇生の治療、前作の「ハーバート・ウェスト—死体蘇生者—」と共通の主題を持ってきているので続編感覚で楽しめ、フランス人内科医も戦争中ハーバート・ウェストから技術を盗んだ者かと妄想が絶えない。


宇宙の彼方の色

 アーカムの西に住むアミ・ピアース爺さんの不思議な日々の思い出であり、いずれ水の底に沈む「焼け野」の出来事であった。隕石によって始まった自然、植物連鎖の狂い、それは外来種の仕業であった。汚染された環境の中に住んでいるガードナー家のもまた同じ様に異変が生じていた。発狂していく隣人たちそして一人一人姿を消していく。

 話の筋としては脅威による侵略というものに成っているがそれを一味違うものにしているのは隕石に付着した不純部質と井戸から昇る光の柱であろう。外来種による在来種の減少は現実の世界でも問題となっている出来事でありながらそれの直接的な影響を人間が受けているのが面白い。外来種による侵略も奇妙な色彩と変化が良い。


古の轍

 短い詩、男がダンウィッチに至るまでの情景を描いている。

 「ユゴスよりの真菌」よりも物語的で人物の移行による情景描写もとても良い。語り手に感情移入して歩み進んでいたことの悲劇を綴っている。


ユゴスよりの真菌  

計36篇の散文の詩から成り立っており章題を取り上げてみると

Ⅰ、本
Ⅱ、追跡
Ⅲ、鍵
Ⅳ、認識
Ⅴ、帰郷
Ⅵ、ランプ
Ⅶ、ザマンの丘
Ⅷ、港
Ⅸ、中庭
Ⅹ、飛びゆく鳩
Ⅺ、井戸
Ⅻ、吠えるもの
XIII、西国
XIV、星風
XV 、南極大陸
XVI 、窓
XVII、記憶
XVIII、インの庭園
XIX 、鐘
XX、夜鬼ども
XXI、ナイアルラトホテプ 
XXII、アザトース
XXIII、蜃気楼 
XXIV、運河 
XXV、聖ヒキガエルの破鐘 
XXVI、使い魔 
XXVII、旧き灯台 
XXVIII、期待  
XXIX、懐旧 
XXX、背景 
XXXI、棲みつくもの 
XXXII、疎隔 
XXXIII、港の汽笛
XXXIV、奪還
XXXV、宵の明星
XXXVI、連続性

となっている。

 クトゥルーのキーワードがふんだんに盛り込まれる連作風味の詩となっており、解説では詩の大部分は夢の中の出来事を韻文化したものとなっている。それぞれの章題の舞台やキーワードに対しての心情などを描写したものが少なくないが短く纏まられた詩の中で繋がっていく世界の広がりを読み進めていくのは気持ちの良いものである。そしてそれぞれの章題の詩自体もゴシック怪奇の雰囲気を持っており、これまでの作品を楽しめた者は同じくこの詩も楽しめるであろう。


暗闇で囁くもの

 ある山奥の村で見つかった奇妙な遺体。紙上でそれを宇宙外からの生命体からの接触で生じたものだという主張に否定的に討論をしていた唯心論の語り手の元に届いた手紙。その内容は語り手の論調を支持しながらも宇宙外の生命体が地球に辿り着いた証拠を持っている語るものだった。

 理性的でオカルティズムに否定的な語り手に届く姿なき文通者からの宇宙外の生命がいる事を証拠を見せつけられる。常識が揺らいでいく中、文通者の身の危機が迫っていることを読み取る。

 この物語は宇宙からの脅威を第三者目線から観測されたものが文通者の元に訪れる事でそれが当事者の恐怖へと変わる滑らかな主点の移動を行っている。

 文通者の恐怖とそれにより村のものから狂人だと思われる。犬を飼い、宇宙外からの生命体を警戒するシーンややられた犬を飼い直すシーンや文通者の家の銃撃シーンなどがよかった。

 前の巻に載っていた「銀の鍵を抜けて」に書かれる、自分の魂を別の場所、空間も時間も超越する能力についても触れている。 こちらの方はより簡潔で、文化的であり機械を用いて彼方へと飛ぶ。そう考えると「彼方より」と似ている。


魔女の家で見た夢

 魔女が住んでいた言われる部屋で暮らすことになった男。自分がその魔女の子孫ということで気を抜いていたがある時に熱を出したことで全てが変わる。

 壁の中に鼠が這いまわるシーンは前の作品「壁の中の鼠」を髣髴とさせる。醜い鼠の身体の描写がよく、魔女と付添いある男(解説ではナイアルラトホテプとされている)と儀式も目を見張るものである。

 ラヴクラフトの多くの作品で見られる夢をモチーフにした作品の一つとも言える。


戸口に現れたもの

 友人を殺した男の弁明により語られる恐ろしい儀式と現象。母親に過保護に育てられた気弱な友人に恋人が出来、仲睦まじいものかと思われた。しかし度々友人が普段の彼とは思えない自信にあふれ様で車を運転する姿が度々目撃される。

 脅威の存在と結婚してしまった友人。肉体と精神を入れ替える術。その術のせいで肉体の自由が利かず、別の肉体に閉じ込められてしまう。度々別の場所で変わり果てた姿で発見されるため精神病院に入る事を勧める。

 そうした中で漸く制御を取り戻しより理性を取り戻したかと思われたがそれは自信にあふれた姿で車を運転していた別の人格であり、彼の儀式が成功していたを知った。そしてある日流れる奇妙な電話、やってくる訪問者から渡される手紙によって終幕を迎える。 

 「暗闇で囁くもの」で出たような自分の身体を抜け出す能力に発展したものが出てくる。その能力による他の人格によって齎された友人の何気ない恐ろしい変化が好ましい。変化を続けていく友人に気色の悪さに遠ざかってしまう語り手。そのすれ違いの中で渡される手紙と最後の瞬間に感極まってしまう。

 友人と結婚する女がインスマス出身であり「インスマスを覆う影」ともリンクしている。こうしたリンクを探すのもクトゥルーの楽しみでもある。


断章

 二つの物語の断片をまとめたものになっており上げてみると「ニューイングランドにて人の姿ならぬ魔物のなせし邪悪なる妖術につきて」、「円塔」となっている。

「ニューイングランドにて人の姿ならぬ魔物のなせし邪悪なる妖術につきて」

 ラヴクラストの作品によく頻出する列石、≪旧き印≫などが出てくる。物語としてはリチャード・ビリントンなる男が邪悪なるものを召還したそしてある妊婦が異形を出産したことのみである。物語の導入のみとなっている。

「円塔」

 この話は上記のものよりも短い記述しか残っておらず「円塔」がどの様なものかの説明かのみである。

 以上が「断片」の特徴の抜出であるがまだまだ物語が始まる前の地均しの様なものである。クトゥルーやラヴクラスト好きには堪らず、覚え書きや他の作品との繋がりを意識するには欠かせないが軽くラヴクラストの作品を読む分には残った断片としかいう他ない。


良い点

何篇かのラヴクラストの詩

 今回の作品集は以前よりも詩の割合多く、今までの怪奇趣味の物語に詩も追加されてラヴクラストの世界を別の形でより多面的により複雑に理解することが出来る。そしてその出来も申し分なく十分楽しめるものに成っている。


悪い点

パターン化

 このクトゥルーシリーズを読んでいて飽きる事ないと書いたが飽くまでゴシック怪奇趣味の限定である。以前から述べている通りこのようなゴシック、怪奇小説はある種のパターン化されたものであり、その舞台を大幅に変えたり、要素要素の細かな違いを楽しむもので展開などはほとんど同じで結末は必ず悲劇に至る。それを楽しめない人もおりこの「新訳クトゥルー神話コレクション5」も5巻目になっており始めはクトゥルーに興味があった人もこのゴシック怪奇趣味が好きではない人は少し飽きを感じる頃合いだろう。恐らく以前の「未知なるガダスを夢に求めて」のような趣向を変えたものが出てくるだろうが大半はこの様なパターン化されたゴシック、怪奇の物語群だと思われる。心していただきたい。


おわりに

 これで一旦既に出ているこの「新訳クトゥルー神話コレクション」を読み終えたことになる。編集という事で載っている作品が偏っているので読みたい作品(「狂気の山脈」など)が別の訳者の本を手に取っても良いかもしれない。

 この本特有の価値は索引と地図、解説が付いている事とテーマに沿ってまとめられている事であり、文章力や文体はお世辞にも言ってこの訳者の訳が上手いとはいえないので低いレベルである。別の訳者の本を手に取った方が良いのかもしれいない。私的にはこのカバーがイラストレータの絵が好みなので買い続けようと思う。



(註)

(1)、(2)、(3)以下から画像転載、あらすじ引用

リンク

講談社当該商品ページ


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