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ロリータとイク二ー—ノケモノと花嫁—

概要

原作:幾原邦彦
漫画:中村明日美子
出版:株式会社モール・オブ・ティーヴィー(一~五巻)
   株式会社幻冬舎(六~八巻)

あらすじ

 世羅(せら)ヒツジと羽熊塚(はぐまづか)イタルはカケオチ中の恋人同士。2人は、警察と、大人たちに反抗するコドモたちの組織「燃えるキリン」からも追われている様子だ。通りすがりの教会に立ち寄った2人は、結婚式を挙げようとする。その教会には悪趣味の神父と、告解中だった2人の少女、まろにえとみゆたんがいた。神父がみずからの趣味のためにヒツジとイタルを気絶させ、ヒツジを連れ去ったとき、教会には「燃えるキリン」から“2人を確保する”という特命を受けた、狼森(いぬもり)エイジと世羅晶午(せらしょうご)がやってきた。神父から逃れたヒツジはイタルの元へ帰ろうとするが、晶午に連れ去られ、イタルはエイジに致命傷を負わせられる。そこに警察が教会を襲撃。ヒツジはエイジと晶午にさらわれ、イタルはまろにえとみゆたんの助けにより無事脱出。しかしさらわれたヒツジは記憶が混乱してまるで別人のようになり、イタルのことも忘れてしまう。一方、まろにえとみゆたんの助けで怪我から立ち直ったイタルは、3人でヒツジの救出に動き出す。そのころ「燃えるキリン」では独裁的な支配をしようとしている兎河(とがわ)ギンに対し、反対勢力が不穏な活動を始めているのだった。(2)

特徴

 『少女革命ウテナ』や『輪るピンクドラム』を手掛けた幾原邦彦と『同級生』で知られる中村明日美子がタッグを組んだ作品でありどちらの良さも出ている。詳しく分析すると話の流れを幾原氏、細かな漫画として繋げを中村氏が行ったと考えられる。よって話の全体を見ればイク二ー成分が多段に含まれているので中村氏が好きで幾原邦彦初心者の人は胃もたれするかもしれない。


良い点

 この作品は『KERA』というロリータ色の強い雑誌で連載されていた為登場人物の服装が凝っていて可愛らしいものとなっている。そして前述のとおりイク二ー成分が強い作品となっているため女の子が多くフェチ的描写も、物語全体を占める暗喩も多々ある。それを楽しめる人にはお勧めである。そして今回は中村氏も作画していることから少年の耽美的描写も楽しめる。


悪い点

 反対にイク二―が好きじゃない、セカイ系が嫌いだという人にはお勧めできない。そして彼の作品の多大な部分を占める暗喩も彼の女の子の趣味も理解できない人にも同様である。


まとめ

 良い点でも悪い点でもイク二ー成分の事を多々話したと思うが正しくこれがイク二ー作品であることを示し、それ以外のものではない事の証明である。これ抜きでは語れない。感想文としてはこの程度で終わらせるが考察として別の記事を上げるのでそちらを読まれたし。最後に全体的な出来としては個人的には『少女革命ウテナ』>『ノケモノと花嫁』>『輪るピングドラム』>『さらざんまい』である。『輪るピングドラム』は初見で何を表現しているのか分からない点でマイナスであり、『さらざんまい』は初見で何を表現しているのか分かったがパンチにかけ綺麗を事を言っているというもやもやがある。『ユリ熊嵐』は見ていないので感想がない。




(註)

(1)https://comic-boost.com/series/20から画像転載

(2)https://www.amazon.co.jp/%E3%83%8E%E3%82%B1%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%81%A8%E8%8A%B1%E5%AB%81-MANGA-%E7%AC%AC%E4%B8%80%E5%B7%BB-%E4%B8%AD%E6%9D%91-%E6%98%8E%E6%97%A5%E7%BE%8E%E5%AD%90/dp/4757305982から引用


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