健康とはどのような状態なのか?

健康とはどのような状態なのか?
アーユルヴェーダの古典チャラカサンヒターには
「無病はこれ善業、利達、愛欲、解脱の根本なり」と記されている。
無病である事が人生にとって根本であると言うことだけど
しかしこの無病とは単に病気が無いということではないと私は考えている

WHO(世界保健機関)の健康の定義は
「健康とは、完全な肉体的、精神的および社会的に良い状態であって
単に病気あるいは病弱でないことだけではない」と定義しているけれど、フランスの哲学者ジョルジョ・カンギレムは(病理の正常と異常の概念を「生命に内在する規範」を元に定義し直した)
「健康とは、肉体的に、情緒的に、精神的に、社会的に、環境に適応する持続能力である」と定義し直している。 
大事なのは“適応”しているか、どうなのかである
この定義を正しいとするには
“適応”についてあらためて定義しなければならないけれどそれは回避したい

また、古いところでは詩人ゲーテは
「よくよく自分を観察してみると身体と精神に何らかしらの不調を持っているものである」
哲学者カントは「自分は健康であると感じることは出来る。つまり生命状態が健全であると言う気分を自分が今味わっていると自分が判断することは出来る。しかし自分が健康であるかどうかについては自分では知る事が出来ない」と語っている。

私が採用したい健康の定義はギー・ブルジョ(哲学・神学・倫理学博士)の言葉「どこにも病気が無い状態が健康である、とは定義出来ない。健康とは崩れやすい均衡状態と、その均衡状態をいつも確立しておこうとする恒常的なダイナミズムとの間の緊張状態である」と、、

たとえ病理学上で病気であると言われても
病に囚われでいなければ健康なのである。逆も然り、、
「病んでも病まず、老いても老いず、死んでも死なず」
この境地の獲得を目指す事こそ人生の醍醐味ではないだろうか?

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