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Alexithymia

雑然とした部屋のどこにしまった
あれ そういえば何を探していたんだっけ?

部屋の片隅 埃かぶった無数の瓶
日に焼けて磨耗した古いラベル

その文字は読めない
中身は分からない
どれだけ そして何を失くした?

どこか遠くで誰かが泣いた
それが僕だとまだ気づいてなかった

不干渉を貫いた
俯瞰しようと努めていた
不干渉
不感症
不完全な、

指の隙間から零れ落ちて
その度何かが変わってしまった
鏡の中の虚ろな目
お前、一体誰だ?

何度も何度も繰り返すうちに
効き目が薄れて偽物みたいになった
心の奥に死角が広がっていく
あとどれだけ 僕は僕でいられる?

正解なんてないと知っている
再会なんてする筈ないよな
永遠なんてないと知っている
今更何を感じればいい?

ああ、思い出した
瓶の中身
痛みだ

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