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世界の終わりを見た花火


見上げてみたって 星なんてろくに見えやしない

汚れたのは世界か 僕らか

向こう岸に浮かんでいる町の灯りは

海の中に影を落として

僕らを笑っている


それでも 今日はいつもより

星がたくさん見えたんだ

想像と創造

僕らも夜空に星を放った


打ち上げ花火が照らした

世界も 君の横顔も

いつか終わる日が来るのなら

僕はせめて覚えておこう

この火薬の匂いを



見上げたところで 数秒後には何もない

残ったのは僅かな煙と 微かな余韻

向こう岸の水際で 物思いに耽っている彼は

この星を見ただろうか

この世界に


色も光も音さえも みんな虚像だというのなら

それでも別に構わないさ

僕らは夢を見たいだけ


線香花火が照らした

暗闇も 君のその瞳も

風が吹いて落ちた途端

世界の終わりを見た気がした

残像が目に浮かぶ



暗闇で 手探りで

ライターと未使用の花火を探す

君の声も 波の唄も

世界の息も 花火の叫びも


打ち上げ花火が照らした

世界も 君の後ろ姿も

刹那 瞬いては

夜空に消えてゆく

残像と 音の余韻と 煙だけ




曲はこちら(9月末までの限定公開)



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