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2021年5月の本棚

以前から寂しかったサムネを今月から設定してみた。当月発売の新刊の中から特にお気に入りの3冊をピックアップしております。過去月のも設定したのでそちらも是非チェックしてみてください。本当は全部載せられたらいいけど、綺麗に収まりきらないので仕方なく厳選。低画質なのは要改善。


ジェンダーレス男子に愛されています。 2~3巻 / ためこう(祥伝社)

めぐるは同じ事務所の”ビジネス”ジェンダーレス男子・ささめとユニットを組むことに。ささめくんが本当はワイルドなカッコ良さに憧れているのに仕事になるとスイッチが入るというチョロい性格で面白い。わこに関しては相変わらずめぐるラブな感じで二人の関係を脅かす存在とかも現状皆無で幸せそう。リモートワークとか事務所の公式インスタライブとか漫画内で出てくるネタもどんどん現代風になってきているなと感じる昨今。


好きな子がめがねを忘れた 7巻 / 藤近小梅(スクウェア・エニックス)

よく眼鏡を忘れる三重さんとそんな三重さんに密かに想いを寄せる小村くん。7巻はまるまる夏休みのデート編。6巻まで読んでこの漫画に少なからず抱いていた「最近よくある高木さん型のラブコメ」という認識がこの7巻で一気に拭われたように思う。小村くんの自己肯定感の低さから来る三重さんに対する「自分が好きな相手が自分を好きになってくれることはない」という感情が実に良かった。相変わらず小村くんのモノローグに思春期男子っぽい絶妙な気持ち悪さがあって好き。


動物たち / panpanya(白泉社)

引越し先の条件は風呂・トイレ別は絶対。あとできたら独立洗面台。広さや階数はそこまで重要じゃない。近所には本屋、映画館、銭湯、王将、マクドナルドは欲しい。駅近だと尚良し。隣人問題、こればかりは住んでみないとの運だから条件からは除外。そう考えると今住んでる部屋はそこそこ理想の物件ではあるな。(感想になってない)


ふたり明日もそれなりに 5巻 / すずゆき(新潮社)

完結巻。プロポーズも成功し、晴れて婚約関係になれた優弥と里央。両家の挨拶に行ったり、フォトウェディングに行ったりと相変わらず幸せそう。連載初期から陰ながら読んできたけど、最初から最後までふたりのマイペースな関係が心地良くて、ラブコメだけど、まったりのんびり(良い意味で)あまり感情の起伏なく読んでこられた。これからもふたりなりの未来を築いていってほしい。
自分の年齢が上がるにつれて、学園生活モノよりもこういう同棲・結婚モノの方が精神的に来るものがあるようになってきてツライ。


弱虫ペダル 72巻 / 渡辺航(秋田書店)

毎度おなじみの峰ヶ山ヒルクライムレース開幕。大会当日に風邪を引くとかいうクソしょうもない理由で定時がDNSになり代走として鏑木が出走。段竹と鏑木が一緒に走るシーンが見れるのは嬉しいけど、杉元兄弟は本当にもう出てこないでほしい。冷めるから。
今年の箱根学園からの刺客は新開弟・悠人と謎眼鏡・高田城の二人。高田城のあのデータ至上主義なキャラっぷりは、漫画だと大抵データを超える主人公サイドの成長を前に最後眼鏡にヒビが入って負けていくのが常だけど、大丈夫なんだろうか。


おとなりに銀河 2巻 / 雨隠ギド(講談社)

お付き合いが始まって徐々に距離を縮める久我くんと五色さん。新米漫画家と異国(?)の王女の結婚前提ラブコメとして、破壊力ももちろん高いんだけど、お互いが相手に誠実に向き合っていて、ちゃんと気持ちを声に出しているから読んでいて安心するシーンが多い。久我家の妹弟のまちとふみおの存在も作品に良い味を出してる。


女の園の星 2巻 / 和山やま(祥伝社)

マンガ大賞を受賞しつつも、発売が延期されていた待望の第2巻。女子校教師、星先生を中心に繰り広げられる切れ味バツグンのシュールギャグ漫画。
女子校の実態は定かではないけど、この漫画みたいに生徒同士や生徒教師間の距離が絶妙であってほしいなと思う。教師って児童生徒の人生を左右するとか、より良い方向に導いてあげるべきだとか、何かと責任重大な仕事なイメージだけど、この漫画に出てくる教師たちはそんな感じがほぼなく、愛情はありつつも、どこか達観しているようで、その空気感がもう面白い。よくこんな話思いつくなぁ。


ちいかわ なんか小さくてかわいいやつ 1巻 / ナガノ(講談社)

なんか小さくてかわいい「ちいかわ」の生態を描いた”一見”ゆるふわな作品。遅ればせながらハマってしまいました。ほのぼの日常漫画・バトルありの熱い友情漫画・考察捗るダークでホラーなSF漫画と様々な側面を持つちょっともう訳が分からない(褒め言葉)唯一無二なナガノワールドを是非覗いてみてほしい。


ダブル 4巻 / 野田彩子(小学館)

休養から復帰した多家良は新たな舞台で愛姫、(九十九)、そして友仁と共演することに。今回で多家良の友仁に対する気持ちが初めて言語化されて、なんとなくわかってはいたつもりだったけど「そう来るか〜」という展開になった。ここに来ても友仁が何考えてるのかがいまいち掴みきれなくて、愛姫と同じような気持ちになりながら読んでました。


あせとせっけん 11巻 特装版 / 山田金鉄(講談社)

匂いフェチラブコメ最終巻。冒頭の麻子さんのブライダルインナー姿が見たい香太郎さんが論理的に理由を述べるシーンからもう面白かった。この作品は匂いを嗅ぐ・嗅がないで始まっただけあって「普通そんな描写入れる?」というシーンが多くて読んでいて楽しい。
地味かもだけど、結婚式でのお色直しのエスコートととして麻子さんが弟の桂太をサプライズで指名するところでちょっと目頭が熱くなった。2巻での桂太が麻子さんの過去を話す回がめちゃくちゃ好きだったし、この八重島姉弟の信頼関係も作品の魅力の一つだと思う。なんだかんだ特装版ある巻は全部買ってたな。


青野くんに触りたいから死にたい 8巻 / 椎名うみ(講談社)

実写化も決定した今一番怖い本格ホラーミステリーラブストーリー漫画(?)。夏休みの四ツ首様事件が一段落し、二学期に突入。優里がクラスでどんどん忌み嫌われる存在になっていっているのが見ていて辛いけど、これから文化祭にかけてもっと恐ろしい展開しか待っていないと思うと胃が痛い。歪でおぞましくて、読んでいて体調が悪くなるくらい怖いんだけど、それでも読むのが止められないくらい面白い。昼間に読むのをおすすめします。


ブルーピリオド 10巻 / 山口つばさ(講談社)

1年生最後の進級制作展を前に「絵を描く意味」に悩む八虎。でもそんな八虎の言動がひとりぼっちで描き続けてきた世田介くんにほんの少しだけでも良い影響を与えられていて嬉しかったし、それを踏まえて自分で噛み砕ける世田介くんはやっぱり天才なんだと思う。仲良しではないけど、良い関係を築けている二人が好き。
あとは相変わらず大学の教授陣が容赦なくて怖くて嫌い。もっと寄り添ってくれてもよくない?猫屋敷先生が(物理的に)ボッコボコにされる二次創作とかあったらちょっと読んでみたい。


ウマ娘 シンデレラグレイ 3巻 / 久住太陽・杉浦理史ほか(集英社)

中央競バに移籍したオグリキャップはペガサスステークス、毎日杯を連勝。シンボリルドルフやオグリ自身の熱い想い、さらには世論にも後押しされ「日本ダービー」への切符も手にして次巻へつづく。宿敵タマモクロスもやっと絡んできそうで、芦毛伝説が大きく動き出しそう…!
史実だとクラシック登録ができていなかった故に日本ダービーは走っていないみたいだし、その影響でクラシック追加登録という制度が設けられたと知って、当時のオグリキャップの圧倒的な人気ぶりがうかがえる。


ウマ娘 プリティーダービー アンソロジーコミック STAR / Cygames(講談社)

『ウマ娘』初の公式アンソロ。アンソロは割と当たり外れがあるから内容はひとまず置いておいて、表紙イラストが手島nari。先生という時点でまぁ買い。マックイーンとゴルシの祖父・孫コンビの登場が多かったなという印象。多分今後もどんどんアンソロとか増えていくだろうけど、全部買うかはちょっと微妙。


かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~ 22巻 / 赤阪アカ(集英社)

会長とかぐやがごく自然に初夜迎えてて笑った。いや、ヤるんかーい!!!!14巻で終わってくれてよかったとずっと思ってたけど、正直まだまだここから盛り上がっていってくれるだろうなという期待が膨らむ巻だった。カバー裏のアカ先生のあとがきでも触れられていたけど、キャラクターが勝手に動いているような展開が読んでいて本当に楽しい。


【推しの子】 4巻 / 赤坂アカ・横槍メンゴ(集英社)

いよいよルビーたち「B小町」も本格始動。相変わらずテンポ良く読めて面白い。この漫画の読者の9割くらいは「有馬かな」という女の魅力に魅せられてハマってそう(個人の感想)だけど、今回は特に彼女の見せ場が多くて大満足でした。アニメ化も時間の問題だろうけど、動いて喋る有馬かなが見たい。


来世は他人がいい 5巻 / 小西明日翔(講談社)

大阪事変激化・決着。毎回割と血みどろなのに終わってみれば清々しい気持ちになるのはなんでだろう。吉乃のキレキレっぷり、霧島の食えない変態っぷりをはじめとするキャラの魅力。そして水面下で動いてそうな本当の問題みたいなのも含めてこれからどういう展開になっていくのか全く読めなくて面白い。

君のこと甘やかしたいのに たまにめちゃくちゃにしてやりたくなる


サクラ、サク。 1巻 / 咲坂伊緒(集英社)

『ストロボ・エッジ』『アオハライド』『思い、思われ、ふり、ふられ』の咲坂伊緒先生の新作。前作『ふりふら』の登場人物が結構がっつり出てきて驚いた。まだまだ始まったばかりではあるけど、これ多分、陽希(ヒロインの咲が好きになるんであろう男子)が嘘ついてるパターンだろうな。


ヒラエスは旅路の果て 1巻 / 鎌谷悠希(講談社)

親友の死を受け入れられず自殺を試みた少女・ミカは不死身の男・日々野と神様を名乗る青年に救われる。二人が目指す黄泉の国で親友に会えるという希望を胸にミカは同行を志願し、3人の「死ぬための旅」が始まる。
繊細な線で描かれる情景描写が美しく、各地を巡るロードムービー系の展開だからだからできるだけ長く続いて、色々な景色を描いてほしいと願っております。


ニャイト・オブ・ザ・リビングキャット 1巻 / ホークマン・メカルーツ(マッグガーデン)

世界は、猫に支配された。人間を猫に変えるウイルスによって全世界でニャンデミックが発生。モフりにモフられ、猫へと変貌していく人類は、今までの平穏で至福な猫との共存世界を取り戻すために立ち上がる。
登場人物がもれなくみんな猫好きだから猫を虐殺したりする描写はゼロ。猫の習性がウイルスの特性にそのまま繋がっていて面白い。正直こんな世界で最期を迎えられるなら本能なんだが。こういうウイルスならどんどん蔓延してくれていいぞ!

猫だああああああ!! 可愛いぞおおおお!!


お近づきになりた宮膳さん 3巻 / 秋タカ(スクウェア・エニックス)

元ヤンキーの松林くんとどうにかお近づきになりたい清楚なお嬢様の宮膳さん。お近づけそうでお近づけない二人の仲は夏休みで一気進展して、なんとお付き合いが始まってしまった。もっと永遠に距離が縮まらないタイプの作品だと思っていたからあまりのスピード感にちょっと驚いている。短期連載なのかな?なんにせよ、今後の二人の関係が非常に楽しみ。


ぽんこつポン子 10巻 / 矢寺圭太(小学館)

頑固ジジイの元に訪れたぽんこつメイドロボの笑えて心温まるハートフルコメディ完結巻。本当に恐れ多いけど、欲を言えば、もっと上手く締めてほしかった感は否めない。それでもここまで読んできたからこその名残惜しさは思ってた以上に自分の中にあって、結構寂しかったり。打ち切りとかではないと思うけど、もっと読んでいたかった…


ひゃくえむ。 1〜5巻 / 魚豊(講談社)

『チ。』の魚豊先生の過去作品。速く走れる才能を生活に利用する器用な天才・トガシと速く走ることでしか自分を表現できない不器用な天才・小宮。二人の天才が人生を捧げて「走る意味」を見出す物語。挫折、能力の衰えとそれに伴う自分への不信感、失われる名声への恐怖、様々な葛藤を乗り越えて大人になった二人は再び同じ舞台に立つ。何の為に走るのか、走った先に何があるのか。シンプルで美しくて心の滾る良い作品でした。『風が強く吹いている』を思い出した。

100mだけ速ければ 全部解決する。


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