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2021年2月の本棚

2月もあっという間に終わってしまった…。
今月はほとんど紙で買ったり読んだりしてた。

プリンセスメゾン 6巻 / 池辺葵(小学館)

発売から約2年。終わってほしくなくて読めていなかったけど、ようやっと読めた。池辺葵先生が描く「空白」は読んでいてどこかもの寂しくなるけど、それがとても心地良い。「お見送り」のシーンでは今まで読んできて募っていた感情が一気に解き放たれたような気持ちになった。(個人の感想)
沼ちゃんや要さんをはじめ、作中登場したすべての人たちの生活がこれからも続いていくのがただただ嬉しい。


ブランチライン 1巻 / 池辺葵(祥伝社)

池辺葵先生の新作。シングルマザーの長女イチ、役所勤めの次女太重、喫茶店を営む三女茉子、アパレル通販会社勤務の末女仁衣、そして山の上に一人で住む母。女系家族をつなぐ長女の息子岳の存在。
1巻では特に仁衣の仕事ぶりを中心に家族の関係が描かれていて(これからもそうなのかな?)、懸命に生きる登場人物たちを見ていると無性に家族に会いたくなった。


怪獣8号 1巻 / 松本直也(集英社)

ジャンプ+で話題沸騰中(らしい)の作品。怪獣が蔓延る日本。討伐された怪獣の後処理を生業にする主人公の日比野カフカはある日、怪獣に寄生され、怪獣の力を手に入れる~という話。最近はダークヒーロー的なのがウケるんだろうか…?今のところ、どこかで見たことある要素の集合体だなという印象。そのうちアプリで追いつきたい。


うみそらかぜに花 1巻 / 大石まさる(少年画報社)

両親の再婚を機に一緒に暮らすことになった中学生のカナメ(よくできた子)とアミ(破天荒道産子娘)が海沿いの街で送る青春。…これだけだとラノベみたいな設定だけど、全然そんなことはない。
大石まさる先生の作品は初めて触れたけど、ページの端から端までがモノクロなのにカラフル(実際に巻中にカラーページあり)で、実に大好物な作品だった。他の作品も読んでみたい。


渡り鳥とカタツムリ 1〜2巻 / 高津マコト(ワニブックス)

車中泊で旅する絵本作家のつぐみさんとそれに感化されるサラリーマンの雲平。現実の車中泊旅は作中で描かれているよりももっと結構しんどそうではあるけど、車内を秘密基地みたくあれこれ改造するのは楽しそう。読むとどこか遠くへ行きたくなる。ノマドは少し憧れる。


メイドさんは食べるだけ 1〜2巻 / 前屋進(講談社)

イギリスから日本にやってきて、アパートで暮らすメイドのスズメちゃんがひたすら食べるだけ。凝った料理が出てくるわけじゃないけど、毎回すごく美味しそうに食べる姿が印象的。やはりメイド服は健康にいい。あと、ちょこちょこ出てくる豆知識が結構タメになる。


チ。-地球の運動について- 第1〜2集 / 魚豊(小学館)

思想弾圧の激しい15世紀の中世ヨーロッパ。合理性を重んじる天才児ラファウが出会ったのは「地動説」という”禁断の真理”だった。
歴史漫画と言ってしまえば、それまでなんだけど、もっと人生観を抉ってくるような「スゴ味」のある漫画だった。震えた。

今は、あの頃よりハッキリと、宇宙(そら)が、よく見える。


はぐちさん 7巻 / くらっぺ(祥伝社)

TwitterとFEEL YOUNGで連載中の大好きな作品。もう7冊も出ているんだなぁ。今回はコロナが流行り始める直前頃掲載の話からコロナ禍真っ只中掲載の話が収録ということで、始まりと終わりとで八千代さんの心境が真逆になっていたのも面白かった。(あとがきにてくらっぺ先生談)
今回もたくさん元気を貰いました。


違国日記 7巻 / ヤマシタトモコ(祥伝社)

違国日記は「【他者】と【自分】」みたいなことがテーマなのかなと勝手思いながら読んでいる。朝がどんどん【他者】と触れ合って【自分】を形作っていく様を読者として見守れることが楽しみでもあり、不思議な体験でもある。でもほんと、ずっと考えていて偉いよ朝は。疲れそう。読んでいるこっちも結構疲れるくらいだから。


ぽんこつポン子 8巻 / 矢寺圭太(小学館)

ポン子とじいさん、東京へ行くの巻。ゆうなちゃんの学校での姿が想像以上に可愛かった。あと、近未来の東京だと秋葉原は廃れがち。
ポン子は最終回を読んで泣く自信があるんだけど、今回後半にかけて不穏な空気が漂っていて、いよいよ終わりが近いのかなという感じ。


僕の心のヤバイやつ 4巻 / 桜井のりお(秋田書店)

ヤバイ漫画の第4巻。今回も実にヤバかった。もう読んでいる間ずっと「ヤバイヤバイ」と言いながら読んでた。今までは市川と山田だけ見ていればそれで良かったけど、今回姉貴が良いキャラしてた。考察とかはよくわからんから置いといて、僕ヤバはこれからどこまで行くんだろう。


姫乃ちゃんに恋はまだ早い 6巻 / ゆずチリ(新潮社)

おませな姫乃ちゃんと全くおませてないオージくんのラブ?コメももう6巻目。相変わらず姫乃ちゃんだけが一人突っ走る姿がおもしろ可愛い。個人的には姫乃ちゃんの姉梓さんとオージくんの兄一嵩メインの話がもっと読みたいけど、きっと今くらいが丁度いいんだろうな。


おとなになっても 4巻 / 志村貴子(講談社)

読み終えて一言「めんどくせッッ!!!!」と声を上げてしまった。こんなにもめんどくさい恋があるのか?ってくらいめんどくさい恋をしている綾乃と朱里。それでも読めてしまうのが志村貴子先生の凄いところ。
一歩進んで二歩下がるような展開の中で、登場人物それぞれにそれぞれの視点があって、各々が自分の納得いく行動ができているわけではないかもしれないけれど、皆が幸せになる方法があるといいなぁ。
前作『こいいじ』に引き続きサブタイが映画のタイトルなのも凝ってて好き。


弱虫ペダル SPARE BIKE 8巻 / 渡辺航(秋田書店)

東堂と巻ちゃんの別れを描いた巻。弱虫ペダルの中で東堂が一番好きだから読めて良かった。巻ちゃんへ熱烈なアタックをしてる割には修作とは一定の距離感を保とうとするところが面白い。これ「東堂イギリス留学編」はあるんだろうか。あってくれ。


弱虫ペダル 71巻 / 渡辺航(秋田書店)

とうとう第三世代が始動してしまった。展開はどうせ同じだろうし、坂道が主将になったのは正直今のところどうでもいいんだけど、真波が主将になったのは熱い。意外とすんなり受け入れて、スイッチが入った時の表情も良かった。これからハコガクのチーム色ががらりと変わりそうな予感。新キャラ(ではない)のインテリ眼鏡の活躍にも期待。


舞妓さんちのまかないさん 15巻 / 小山愛子(小学館)

前巻のラストで上洛してきた健太がメインの15巻。高校中退してまで青森から京都に出てくるあたり思い切りが良すぎる。バイト先の洋食屋さんのモデルはどこだろう?場所的にボンボンカフェとかかなと思ったけど多分違う。
キヨちゃんとすみれちゃんと健太がお互いに良い影響を与え合っていくのが楽しみ。すみれちゃんは舞妓さんの仕事に支障が出ないか心配だけど。
2月からはNHKでアニメもスタート!(テレビないから見れてない)


ダンジョン飯 10巻 / 九井諒子(KADOKAWA)

迷宮の最深部に辿り着いたライオス一行は遂に”狂乱の魔術師”シスルと対峙する。と、思ったらやっぱり絶体絶命の大ピンチでまだまだ続きが気になる引きだった。(気になりすぎてハルタ本誌を読んだ)
『ダンジョン飯』は登場する生き物すべてをちゃんと練りに練り込んでいて、物語としての奥行きさに本当に感心する。これが数百円で読めてしまっていいんだろうか、と思うほど。同時発売の冒険者バイブルも大ボリュームすぎてなかなか読めてない。


ライカの星 / 吉田真百合(KADOKAWA)

旧ソ連のスプートニク計画によって宇宙へと飛ばされた犬ライカの人類への復讐の物語+短編。ライカの冷徹な性格と絵柄の可愛らしさのギャップに加えて、犬独特の哀愁も作品を通して漂っていて良い味出てた。デスノートみたいな漆黒の装丁も含めて大好きな作品。


からかい上手の高木さん 15巻 / 山本崇一朗(小学館)

昨今の少年漫画ラブコメの典型「付き合ってはいないけど延々と(基本二人で)イチャイチャするだけの関係」の元祖は伊達じゃないなという安定感。
高木さんは西片をからかっとらんでさっさと告れや!!(超野暮な感想)


ウマ娘 シンデレラグレイ 2巻 / 久住太陽・杉浦理史ほか(集英社)

「勝ったら中央、負けたら東海」カサマツの怪物オグリキャップに強いられる選択。”ウマ娘の本能”に従えば答えは決まっているはずなのに北原トレーナーの気持ちを考えると辛い。その北原の気持ちを汲めるオグリの成長にちょっと驚いた。
ウマ娘シリーズは競馬の史実を一切持ち合わせてないから純粋な気持ちで楽しめる。アニメ2期やアプリゲームも好調そうで何より。
ただ、せっかく色々盛り上がりそうな中、笠松競馬場で八百長問題とか諸々発覚してたのは笑えない。ウマ娘協賛レースも中止になったみたいだし。どうなるんや…


君は冥土様。 1〜2巻 / しょたん(小学館)

イラストレーターとして認識していたしょたん先生の連載作。元殺し屋の天然ポンコツメイドが感情を知っていく漫画。メイドの雪さんが表情豊かで可愛い。シリアスな展開になりすぎず笑えるシーンも多め。あと、やはりメイド服は健康にいい。


推しの子 3巻 / 赤坂アカ・横槍メンゴ(集英社)

アイの過去を探るため「恋愛リアリティーショー」に出演するアクア。出演者たちで恋愛頭脳戦的なのをおっ始めるのかと思ったらみんな良い子でよかった。そもそもそういう内容じゃないのかこの手の番組って。
なんだかんだ一番ヤベェ奴だったあかねちゃんはこれからどうストーリーに絡んでくるんだろう。とりあえず、やっとルビーのターンが来そうで嬉しい。


かぐや様は告らせたい 21巻 / 赤坂アカ(集英社)

石上も成長したなぁ。普通に玉砕するのも石上っぽいというか、強引にくっつかなくてよかった。ただ、つばめ先輩好きとしては今後出番が減りそうで悲しい。最後の方ぞろぞろと新キャラも出てきたし、物語自体はまだまだ終わりそうになくて、それもそれで悲しい。四宮家の闇が深すぎるんよ。


絢爛たるグランドセーヌ 1〜3巻 / Cuvie(秋田書店)

バレエの世界にのめり込んでいく少女奏の物語。3巻まで読んで既にこの先に果てしない努力と成長が続いていくんだろうと想像できた。こういう”ココロは止まっていられない”系のストーリーは読んでいてとてもワクワクする。


メダリスト 2巻/ つるまいかだ(講談社)

いのりちゃんが初めての大会で見せた本気の演技と司が憧れの人に対して放った宣戦布告。今回も興奮しっぱなしだった。いのり姉が面白かったからもっと出てほしい。
大好きな『蟲師』の折り返しコメントで作者の漆原先生が仰っていた「理由を言葉にしづらい涙の出る瞬間」というのがこの世には結構あって、『メダリスト』を読んでいる時もそれにあたるなと感じる。シンプルな熱さや美しさが一番クる。

あんなに震えていたのに 転倒したのに 最後の最後まで勝つことを考えてたんだ


妹の友達が何考えてるのかわからない 1巻 / 玲。(一迅社)

待望のコミックス化で嬉しい。リアルの妹がいる身としては漫画によく出てくる「主人公(兄)のことを溺愛している妹キャラ」がどうしても受け入れられないけど、「妹の友達」ポジションだと話は別。可愛い。尊い。最強。
確か作者の玲。くん(くん呼び)が同い年のはずだったからなんか応援してしまう。がんばってほしい。


あせとせっけん 10巻特装版 / 山田金鉄(講談社)

トラウマが蘇ってしまった麻子さんと寄り添う名取さん。気持ちを打ち解け合って、分かち合っていける二人の関係がとても香ばしい。そして結婚。指輪選び、両家挨拶、婚姻届提出、式打ち合わせ、ドレス選び。正直面倒臭そうすぎる諸々の作業を乗り越えて、次巻いよいよ完結!
そして特装版にはなんと「婚姻届」が付く。(電子版で買ったから実物はない)


猫が西向きゃ 3巻 / 漆原友紀(講談社)

ヒロタの過去が描かれつつも(良い意味で)あまり最終巻みのない最終巻だった。人間も自然ももっとゆらゆらとしていていいんだよね。きっと。

だって物事はずっと同じじゃない 変わってく
それも たいてい思ってもなかったほうに


4人はそれぞれウソをつく 1巻 / 橿原まどか(講談社)

宇宙人、抜け忍、超能力者、女装男子、4人がそれぞれ自身の正体を隠していることを除けば、ごく普通の女子中学校で繰り広げられるカオスな日常コメディ漫画。互いの秘密を隠し通したまま育まれる友情の行方がめちゃくちゃ気になる。


まばたき / ばったん(リイド社)

本屋で表紙買いした短編集。どの話もよかったけど、強いて言うなら、『アンテロースの休日』、『みどりのなかのみずたまの』、『初夏の葬式』、『さらば人間』、『人魚姫』が特に好きでした。(全部)


ダブル 1巻 / 野田彩子(小学館)

同じ劇団に所属する役者仲間の二人、多家良を支える友仁と、友仁に支えられる多家良。多家良のズバ抜けた演技の才能に世界が少しずつ気づいていく中、二人の関係はこれからどう変化していくんだろう。
多家良が所属することになる芸能事務所の冷田さんがとても理知的でかっこいい。

役者という生き物は 一人では生きていかれない
一緒に生きていくこともできない


黄昏星のスイとネリ 1巻 / 徳永パン(KADOKAWA)

過疎化した地球で暮らす少女スイと喋るナマケモノのネリが織りなす終末。コミックキューン連載と知ったときは驚いた。出てくる動物たちがかわいい。


はじめての諏訪さん 1巻 / 真沼靖佳(スクウェア・エニックス)

告白から始まる展開、中学1年生(小学7年生)という年齢設定、主人公視点で描かれる「女子」という得体の知れない存在に対する感情の描き方、100点満点でした。特に身長差がいい。諏訪さんも高い方ではあるけど、不自然に高身長にしているわけでもなく、あくまであの年代特有の男子より女子の方が身体的にも精神的にもちょっと成長が進んでるって感じがもう最高。大好き。次巻が楽しみ。紙でも買おう。


足摺り水族館 / panpanya(1月と7月)

やっと手に取れたpanpanya先生の御本。現在刊行されているはずの単行本は7冊で、まとめて全冊購入。他人の夢を覗いているかのような不思議な作品だった。一度に摂取するのは危険そうなので、月に1冊くらいのペースでゆっくり読んでいきたいな。


よつばと! 15巻 / あずまきよひこ(KADOKAWA)

約3年ぶりの待望の最新巻。変わらないよつばと!ワールドにほっこりした。最後の「ランドセル」回でちょっと泣いちゃった。次巻が出るまでのまた長い日々の中で何度も読み返したい。


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