芳香族化合物の化学(11)「フェノールの反応」
有機化学の中でも芳香族化合物は構造,反応に特徴があります。
ここでは大学レベルの「芳香族化合物の化学」について解説していきます。
今回のテーマは「フェノールの反応」です。
【フェノールの求電子置換反応】
基本的にはベンゼンの求電子置換反応と同じ。特筆すべき点はフェノールのヒドロキシ基は活性基なので反応条件が温和になる傾向がある。
【Claisen転移】
2-プロペニルオキシベンゼンは200 °Cでアリル位のエーテル結合が開裂し転移する。これは6電子の移動を伴う遷移状態を経る協奏反応である。
【Cope転移】
酸素原子でなく炭素原子が含まれる類似の転移反応も存在する。
【ベンゼンジオールの酸化】
ベンゼンジオールは酸化剤に二クロム酸ナトリウムあるいは酸化銀を用いることで脱芳香族を伴いベンゾキノンが得られる。
p-ベンゾキノンは共役付加反応やDiels-Alder反応を起こす。
【参考図書】
ボルハルトショアー現代有機化学(下)
「芳香族化合物の化学」をまとめたpdf(power pointスライド)も作成しております。
ご希望の方がおられましたらコメントをよろしくお願いします。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?