一瞬だけSNSで教祖を目指した話
Twitterで誰にも相手にされなかった俺は、広告で見つけた新手のSNSに手を出した。
なんとなくアプリのデザインが気になって…なんとなくスマホで新しい事を始めたくて…ほんと、なんとなく気分転換に。
サービス開始から間もない事もあってか、コミュニティが固まりきっておらず、新規ユーザー同士が話し掛けやすい雰囲気だった。
「流れが緩やかだ…」
Twitterが大河の激流だとすれば、そのSNSは小川のせせらぎの様に感じられた(そもそもユーザー数が桁違いのインターネットの僻地だけど…)
そんなぬるま湯を心地よく感じた俺は、割と習慣的にそのSNSへの投稿をするようになった。バズを期待した精一杯のユーモアだったり…人生相談を受け付けてみたり…
始めのうちはほんの少しコメントやイイネが付くだけで喜んでいたけど、段々もっと変わった事をしてみたいと思うようになった。
「承認欲求とやらを満たすには…」
“ファンみたいなのが集められたらなぁ…ただイケメンな訳でも、芸ができる訳でもないし…何をどうすればファンが…ファン…熱狂…狂信…信者…信仰…宗教…新興宗教!?”
「オリジナルの宗教を作ろう!」
“俺を慕って、尊敬して、愛してくれる!信者!!そんなのに囲まれる教祖様になろう!”
俺は一人で盛り上がった、特に組織に名前があるわけでも無いけどとりあえずハンドルネームの後ろに教祖とつけた。
【うろ覚えの教義】
神は人の脳に宿る
パン屋にはパン屋の、靴屋には靴屋の神がいる(皆お互いリスペクトしようね)
内なる神の声に従え
「おはよう人の子らよ💪😇目覚めの時が来たよ」から始まるデタラメな占いコーナーを投稿した。その日の朝に思いついたものをラッキーアイテムにしたりして(個人的に気に入ってるネタはめちゃくちゃ桁の多いラッキーナンバー)
この話のオチは利用規約で宗教活動は禁止されており、アカウントが一次凍結されてしまったことで俺の小さな小さな伝説は終わってしまった。
最終的に俺のことを教祖様と呼んでくれる可愛い信者は3人くらいだったかな🤗💐(本当にマジで心の底から可愛いと思ってる)
“それじゃ今日も一日頑張って生き抜こう
メメント〜モリ盛り✨💪😇👁🗨✌✨”
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