思考する文章:アカデミックライティング

文章化って大事

 人間のワーキングメモリーは,現代人に必要な複雑な思考にはちょっとというか,かなり容量足りてないと言っていいでしょう.
 じゃあどないして,現代を作り上げたのか,といえば文字を書き記したり,計算過程を書き出したりと外部化することで思考をデベロップし,さらに外部化ツールをスマホやらエクセルやらとデベロップして,という感じじゃないでしょうか?
 で,エクセルなどという思考の補助ツールの使い方みたいなのが大事なのと同じくらい,文字で,文章で思考を補助する方法みたいなのも大事なんじゃないかと思います.
  ということで今回は,その文章でものを考える方法の一つとして「アカデミックライティング」と呼ばれるものを紹介してみようかと思います(ま,実際のアカデミックライティングは,分野領域雑誌ごとに違ったりで,細かくいえば人文系レポートの方法と言った方が良いのかもしれませんが).


思考する文章とは?その要素

 アカデミックライティングとは,ざっくりといえば「問題や謎」に対して「理屈・論証」を持って何らかの「主張や答え」を出すための文章です.つまり必須な要素は三つ「問題・謎」,「理屈・論証」,「主張・答え」です.

問題・謎

 まずは,「問題と謎」を明確にする必要があり,そうしなければ後にも先にも行かないよってわけですが,ここで大事なことは,一つの文章で扱う「問題と謎」は基本的に一つにすることです.一貫した思考の一番の妨げとは,複数の問題を扱ってごちゃごちゃしてしまったり,さまざまに絡み合う謎の切り分けが行えてなかったりで,一つの「問題と謎」を扱えていない時に生じやすいです.いわゆる「論点がブレる」はここから始まっています.
 つまり「問題・謎」の整理が必要となるわけですが,それには問題だと思うことや疑問なことへのリサーチが必要で,そのリサーチ結果も書き出すのが良いでしょう.
 
 それでは次の要素「論証」と行きましょうか

論証

 とはいえ実は,「問題・謎」を一つに整理して,明確にするところまでで,思考は8割済んだようなものです.「論証」とは「問題・謎」に対するあなたなりの「主張・答え」が「なぜそう言えるのか」を言うだけなんだもの.
 でも,ここでも思考を洗練させるコツはあります.それは,独りよがりな理屈になってしまわないように「論拠」を持ってくることです.論拠として問題の専門家の記述,あるいは数値的なデータを引用を行うことで,理屈をたたき上げるわけです.
 つまり,まぁ,またリサーチと書き出しが大事になるわけですが,「論証」におけるリサーチと書き出しには少し注意が必要です.それは何かといえば,ここでは,どこからどこまでが「論拠」でどこからどこまでが,その論拠に対する自分の解釈なのかを,形式上明確にしておく必要があります.そうしなければ,また思考がぐちゃぐちゃになりかねないので.「」を使いながら,いつどんな立場の人がどのように出したデータや意見なのかを()に入れたりしておくのが良いでしょう.

 さてそして,最後の要素です
 

主張,答え

 

 「主張,答え」の良し悪しですが,それは「問題・謎」「論証」を丁寧にやるかにかかっており,こうしたら良いはありません.「主張・答え」も忘れないように明確に書いときゃいいです.
 でも,それまでの「問題・謎」「論証」がうまく行ってなくて,ダメな「主張,答え」になる時の特徴はあります.それは「一つの問題・謎」に対応した,「一つの主張・答え」になっていない場合です.その場合は,「問題・謎」の検討に戻りましょう.

各要素における文章化のコツ

 人類は思考を整理して書くために偉大な概念を生み出しております.それは「段落」です.話が変わったり,別のアイディアを出すときは,段落を変えましょう.「話が変わってないか?」を自分で気にするということでもあります.常にすこし俯瞰しておくコツとして「段落」作りが効いてきます.
 
 次に細かいなと思うかもですが,最初は一文は短くするようにした方がいいです.最初に述べたとおり,人間のワーキングメモリって小さくて,一文が長くなると,自分でも書いてて内容を把握しきれずに訳わかんない文になりがちで,思考がクラッシュします.

終わりに

 もっとちゃんとした,大学生のレポート指南みたいな話(構成,展開,あとリサーチの仕方や論拠になるもんならんもんの判断;つまり,読み手がいて,読み手に思考をついてこさせるコツ)もありますが,需要があればそういうちゃんとした話もやるかもです.
 が,今回はあくまで思考するための文章ということでここまでにしておきま(52分)

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