Copilot+ PC: 購入前に"+"の意味に注意〜現時点での評価と課題〜
話題のCopilot+ PCの一つ、レノボの「Yoga Slim 7x Gen 9」を発売前に予約購入しました。Snapdragon X Eliteプロセッサー、32GBメモリ、1TBストレージ、そして2944×1840ドットの高解像度OLEDディスプレーを搭載しながら、23万6000円前後という手頃な価格が魅力的でした。
しかし、いざ実機を手にして使ってみると、Copilot+ PCの現状と課題が見えてきました。今回は、「Copilot+ PC」の "+"に隠された真の意味 を探りながら、レビュー記事を綴ってみたいと思います。
Copilot+ PCとは?"+"の意味を再確認
そもそも、Copilot+ PCとは何でしょうか?その名称の意味を再確認しておきましょう。
Copilot+ PCは、「Copilot+」という機能を搭載した「PC」を指します。つまり、「Copilot」と「PC」が組み合わさったものではなく、Copilotの進化版である「Copilot+を備えたPC」なのです。
「Copilot+」: 現在のCopilotよりも機能が向上し、新機能が追加されたAIアシスタント
「PC」: この機能が向上したCopilotを搭載したコンピューター
実機レビューで見えてきた課題
Yoga Slim 7x Gen 9を実際に使って感じたCopilot+ PCの主な課題は以下の通りです。
対応するプロセッサが限定的(現時点ではSnapdragon X Eliteのみ)
ソフトウェアの最適化が不十分(特に目玉機能の「リコール」は未実装)
ローカル推論の実力が未知数
バッテリー駆動時のパフォーマンスに不安
特にソフトウェア面での課題が大きく、Copilot+ PCの真価を発揮するにはWindows 11のバージョン24H2の登場を待つ必要がありそうです。
一方で光る、ハードウェアの完成度
ソフトウェア面での課題はあるものの、ハードウェア面ではレノボらしい手堅い作りが印象的でした。
キーボードの打鍵感は良好
高解像度OLEDディスプレーは鮮やかな表示を実現
タッチ操作にも対応
ウェブカメラの品質も申し分なし
ただし、キーボードが英語配列を流用しているため、一部のキーが密着した変則的な配列になっているのが玉に瑕。日本語に最適化されたキーボードパネルの採用を望みたいところです。
総評としては、Yoga Slim 7x Gen 9は、現時点でのCopilot+ PCの可能性と課題を体現したモデルだと言えるでしょう。ハードウェアは高スペックながら手頃な価格で魅力的ですが、ソフトウェア面での熟成にはまだ時間がかかりそうです。
まとめ:進化の過程を楽しむ、テクノロジー好きのためのPC
Copilot+ PCは、まだ発展途上の段階にあります。レノボのYoga Slim 7x Gen 9は、Copilot+ PCの将来性を感じさせつつも、現状の課題を浮き彫りにしました。Microsoftの技術力と、Windows 11のアップデートによる最適化に期待したいところです。
プラスの意味を込めたCopilot+ PCですが、今はまだ、そのプラスの意味を実感するには至っていません。しかし、その進化の過程に立ち会えるのは、テクノロジー好きにはワクワクする体験かもしれません。Copilot+ PCの更なる進化に期待しつつ、今後も注目していきたいと思います。
おまけ:イメージクリエーターで遊んでみた!
Copilot+ PCには、「イメージクリエーター」というローカルで画像生成&編集ができる面白い機能も搭載されています。「フォト」アプリから利用でき、無償で高速に動作するのが魅力的!
心象的なひらめきや同じコンセプトで別のビジュアルを求めているときにお勧めです。ユーザーの好みに合わせて、制限なく画像を手直しできるのも嬉しいポイント。気に入った画像は保存して、必要なときにいつでも呼び出せます。
ローカルのNPUで処理されるため、高速かつ無料で画像生成や編集が可能。ガンガン生成して試行錯誤できるのは楽しいですが、プロンプト作成の難しさは課題かもしれません。
イメージクリエーターの使い方や実際の生成例は、こちらの動画をチェックしてみてください。