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産直「野田モデル」:新規性とその課題

農業の新たな販売モデルが注目を集めています。それが「野田モデル」です。農業経済学者の鈴木宣弘氏が提唱するこのモデルは、単なる産直販売の枠を超え、農家さんが直面するさまざまな問題に対して、実践的な解決策を提案しています。今日はこの画期的な「野田モデル」に焦点を当て、その特徴と可能性について掘り下げていきましょう。

このままでは飢える! 食料危機への処方箋「野田モデル」が日本を救う
鈴木 宣弘 (著)


野田モデルとは何か?

2002年、野田忠氏によって創業された「産直市場よってって」は、地域の農産物を直販する新しい形態です。

従来の道の駅スタイルとは一線を画し、消費者との直接的なつながりを重視。野田モデルは、農家さんが自分の作物を自由に価格設定し、全国の消費者に届けることが可能です。

3つの特徴

1. 全国への展開が可能

野田モデルでは、地元の直売所に持ち込まれた農産物が、よってってチェーンの30店舗で販売されます。これにより、農家さんは地域にとどまらず、全国の消費者に自分の作物を届けることが可能になります。

2. 高単価での販売

市場では見過ごされがちな規格外の商品も、独自の工夫を凝らして販売することができます。野田モデルでは、農家さんが自らの想いやストーリーを消費者に直接伝えることで、高単価での販売が実現します。

3. 顧客の声

産直ECにおいて、消費者からの声を直接聞くことができるため、ニーズに合わせた生産調整や品質向上へと繋がります。これは、市場を通さない販売モデルならではのメリットです。

課題とその克服

1. 売り場メンテナンス

店舗ごとに販売状況を把握し、売れ残りが発生した場合の対応が必要です。野田モデルでは、これらの課題を農家自身が負担することになりますが、売り場の工夫やマーケティング戦略を駆使することで、廃棄リスクを減らす努力が求められます。

2. 競争と差別化

農産物の価格競争は避けられない課題です。趣味で農業を行う方々との価格競争は特に厳しく、こだわりを持って作った農産物も、価格で選ばれがちです。しかし、野田モデルでは、独自性や品質、ストーリーを前面に打ち出すことで、価格だけではない価値提供が可能です。

「1億円プレーヤー」中山農園の事例

農業界に一石を投じる「野田モデル」ですが、その成功例は具体的にどのようなものがあるのでしょうか?今回は、モデルを実践し「1億円プレーヤー」と呼ばれるようになった農家の実例を見てみましょう。
和歌山県田辺市にある中山農園は、野田モデルを活用して大きな成功を収めています。

みかんや梅などを生産しており、1億円を超える売り上げを達成。しかし、彼らの成功は直売所だけでなく、自社サイトやECサービスを通じた販売戦略があってのこと。これにより、中山農園は独自のファンを築き、価格競争から一歩抜け出した状態を作り出しています。

野田モデルの真価

野田モデルが提唱するのは、農産物を全国の直売所に展開できるシステムです。これにより、農家は販路を広げ、売上を増やすことが可能になります。しかし、全ての農産物が売れるわけではなく、やはり消費者の信頼を得るための努力が必要です。

メタバースと農業の可能性

現代の農家にとって重要なのは、いかにして新しい販路を開拓し、独自のブランディングを築くかです。直売所のモデルを取り入れ、ECやメタバースを活用することで、農家は新しい顧客層を開拓し、高単価での販売を目指します。
メタバースを活用したマルシェは、農業の新しい形として可能性を感じています。現在、私自身も農業×メタバースのプロジェクトに取り組んでおり、これからの農家さんが直面するであろう多様な課題に対する一つの解答を模索しています。

まとめ

野田モデルは、直売所にとどまらない多様な販売手法を可能にし、農家が自ら価値を訴求し、ファンを獲得する新しい時代のモデルです。持続可能な農業を目指し、新しい技術やプラットフォームを取り入れ、農家が新しい市場を開拓するためのツールとして、野田モデルは大きな可能性を秘めています。

今週末、私のプロジェクトであるメタバース マルシェを2Dのメタバースプラットフォームで実施します。新しい農業の形を一緒に見ていきましょう。あなたの参加を心からお待ちしています。


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