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NFTプロジェクトのメタバース進出が持つ意味とは? 「あおぱんだ」がフォートナイトに登場!

最近、注目すべきニュースがありました。TikTokで120万人ものフォロワーを持つNFTプロジェクト「あおぱんだ」が、人気のメタバースプラットフォーム「フォートナイト」に進出します。

このフォートナイトとIPコンテンツのコラボを手がけるのは、Cre8tFun(クリエイトファン)という会社。既にスペースデータやSkyland Venturesといったスタートアップ向けの投資家集団から資金調達を行ってます。

今回はこの話題を中心に、NFTプロジェクトがメタバースに進出することの意義と可能性について考察します。


あおぱんだとCre8tFunのコラボによるフォートナイト進出

フォートナイト上で展開される【あおぱんだRUN(仮)】は、プレイヤーがパンダになってゴールを目指すゲームになるようです。興味深いのは、おそらく「あおぱんだ」側は特に製作費用を払っていないだろうという点。つまりCre8tFunにとっては、あおぱんだのIPを活用することで、フォートナイト上での認知度アップやマネタイズを見込んでいるのでしょう。
一方、メタバース空間の制作には数百万円後半の開発費がかかると見られています。Cre8tFunはSkyland Venturesから3500万円の資金調達を行っていますから、その一部を充てるのかもしれません。

フォートナイトでのマネタイズの難しさ

ただし現状、フォートナイト上でのマネタイズはかなり難しいのが実情です。プレイ数に応じた収益還元制度はあるものの、Cre8tFunの過去の「ベイビーゲーム」は600万プレイを記録しています。

https://www.fortnite.com/@cre8tfun/2304-0554-5967

一方で、あるフォートナイト収益分析サイトによると、2023年6月に公開してから200万円程度の収益分配であり、製作費を回収するレベルの収益しか得られていません。まだまだ、収益を充分に得られているとは言えない状況です。そのため、今回のコラボでは、まずは認知度を高め、実績を積むことが主目的なのでしょう。

NFTプロジェクトにとってのメタバース進出の意義

それでは、NFTプロジェクトがメタバースに進出する意義とは何でしょうか。

1つには、新たな市場層へのアプローチが挙げられます。フォートナイトのユーザーの6~7割は10代後半から20代前半のいわゆるZ世代だと言われています。しかも全世界で5億人もの登録ユーザーがいる巨大プラットフォームです。NFTプロジェクトにとって、こうした層にリーチできるのは大きなメリットとなります。

また、「あおぱんだ」としてはIPコンテンツの拡張を積極的に行っているプロジェクトです。現在はジェネラティブNFTとして「Aopanda Party」を発行しています。

フォートナイトを通じてファン層を広げ、NFTの売上アップやグッズ販売にもつなげていくのでしょう。メタバースはIPの認知度向上とマネタイズの起点になり得るということです。

ZEPETOとの相性の良さ

あおぱんだプロジェクトを見ていて感じたのは、TikTokでの高い人気を考えると、フォートナイトよりもNaver Zが手掛けるZEPETOの方が相性が良いのではないかということです。

ZEPETOは女性、特に中高生をターゲットとしたSNS的なメタバースプラットフォームです。TikTokユーザーとの親和性が高いZEPETOに進出することで、現在の120万人のフォロワーをさらに増やせる可能性があります。

NFTプロジェクトのフォートナイト進出の課題と対策

ただし、NFTプロジェクトが簡単にフォートナイトに進出できるわけではありません。繰り返しになりますが、フォートナイトでのゲーム制作には数百万後半から数千万円のコストがかかります。IPコンテンツを持つあおぱんだのようなプロジェクトであれば、Cre8tFunのような制作スタジオからの声がかかる可能性はありますが、知名度の低いNFTプロジェクトでは現実的に難しいでしょう。

トークンエコノミーを活用した資金調達と収益還元モデル

そこで注目したいのが、メタバース麻雀プロジェクトのようなトークンエコノミーを活用した資金調達と収益還元のモデルです。

トークン発行やクラウドファンディングで制作資金を調達し、将来の収益をトークン保有者に分配するのです。

YouTubeのようなスポンサー収益モデルが、将来的にはロブロックスやフォートナイトでも主流になると予想されます。メタバース上の広告収入なども期待できるでしょう。NFTプロジェクトがメタバースに進出することで、新たな収入源の確保と認知度の拡大が可能になります。

おわりに

NFTプロジェクトがメタバースに進出する大きな意義は、Z世代を中心とした新たなユーザー層の獲得と、IPの認知度向上・マネタイズの可能性にあると言えそうです。もちろんメタバース上での直接的な収益化はハードルが高いものの、コアファンの拡大によって、NFTやグッズ販売などの2次的な売上増加を目指せるでしょう。
そして、メタバース進出に際してトークンエコノミーを掛け合わせることで、リスクとリターンをNFTホルダーやトークン出資者と分かち合うことができます。これはweb3の理念とも合致する、NFTプロジェクトとメタバースの相性の良い組み合わせだと言えます。

今後、NFTプロジェクトとメタバースの融合が加速していくことは間違いありません。新たなファン層の獲得や収益モデルの確立など、そこには大きな可能性が秘められています。
今後もNFTとメタバースのコラボレーションから目が離せません。プロジェクトの今後の展開に大いに注目したいところです。
今回も最後までお読みいただきありがとうございます。

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