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決してオススメしない! 役員報酬の設計による攻めの節約術

今回は「役員報酬の設計による”攻め”の社会保険料引き下げ術」について紹介します。
YouTubeではあまり触れられていないリスクやデメリットもありますので、その点もしっかりとお伝えします。


役員報酬の設計による攻めの節約術とは!?

役員報酬の設計とは?

役員報酬というのは、給料と同じように、月額の報酬に応じて社会保険料や厚生年金が一定の比率でかかるものです。しかし、この報酬を最低限に抑え、賞与を増やすことで、社会保険料や厚生年金の支払いを節約することができるのです。

具体的な方法

月額報酬を約5-6万円程度に設定し、会社の利益を役員賞与として支払います。特に、賞与が573万円以上の場合、健康保険や厚生年金が一定額で頭打ちとなり、それ以上の額でも増額されません。
そのため、それ以降は、役員賞与を増やせば増やすほど、社会保険料や厚生年金の支払いが節約できるため、年間で百万円単位の節約も夢ではありません。

しかし、デメリットやリスクも...

  • 厚生年金の減額:年金は支払った分だけもらえるので、節約すると将来受け取る年金も減少します。

  • 税務調査のリスク:攻めの節約術を行うと、税務調査が入る可能性が高まります。

  • 賞与の支払い日のミス:1日でもずれると、賞与が経費として認められない可能性があります。

リスクを踏まえての挑戦

私自身、顧問税理士と話をする中で、役員報酬の設計に関するメリットやデメリットをしっかりと理解しました。確かに、この方法には税務調査が入るなど大きなリスクも存在しています。
しかし、私としては「一度はやってみたい」という挑戦の気持ちもありました。そこで、お勧めはしないものの、今期についてはこの節約術を実践してみることに決意しました。

攻めの節約術を実践する前に知っておくべき3つのポイント

役員報酬の設計を変更し、社会保険料や厚生年金を節約しようと考える前に、私が実践する上で感じた3つの大きなポイントについてシェアします。これらのポイントを踏まえた上で、皆さんも自身の経営やライフスタイルに合わせて判断してみてください。

1. 利益をしっかり見込めるか

最初に考えるべきは、自社の利益をしっかりと見込めるかということです。賞与として600万円を支払うことを考える場合、それだけの利益がなければ実現は難しいでしょう。具体的な数字は一例に過ぎませんが、今期の利益をしっかりと予測し、それに基づいて報酬の設計を考える必要があります。

2. 厚生年金の減額は本当に良いのか

厚生年金の減額というのは、一見節約としては良さそうに見えますが、実はその背景には「老後の年金がもらえるか」という大きな問題が潜んでいます。私自身も、将来の年金を期待せず、今のうちから他の投資方法を探るスタンスを取っています。この点に関しては、それぞれの価値観やリスク許容度によって、考え方や取り組み方が変わるでしょう。

3. 税務調査のリスクを軽視しない

私の中で一番のリスクと感じているのが、税務調査のリスクです。特に、新たに始まったインボイス制度のもと、私の法人の売上が特例措置のギリギリの1000万円手前のため、税務調査が入りやすくなるとの指摘を税理士からも受けています。このような背景を持つ中、今回の役員報酬の設計スキームを実施したところで税務調査のリスクは変わらないとの判断のもと、節約のアクセルを踏む意思決定をしました。

まとめ

YouTubeでお金の勉強をしていると、とても魅力的な情報がたくさん出てきます。しかし、多くはメリットだけが強調されており、実際のリスクやデメリットについてはあまり触れられていないことが多いです。

事業者として、リスクやデメリットをしっかりと理解し、それを踏まえた上での判断が求められます。私自身も今回のテーマに取り組むにあたり、様々な角度から検討しました。そして、これらのリスクやデメリットを皆さんにもしっかりと伝えたいと考え、今回のブログを執筆するに至りました。

最後に、この記事が皆さんの法人経営の参考になれば嬉しいです。攻めの節約術も魅力的ですが、それにはリスクも伴います。しっかりとした情報を元に、自身の経営方針やビジョンに合わせて最適な選択をしていただければと思います。
今回も最後までお読みいただきありがとうございます。

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