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<テーマ>
視床出血に対する評価と治療の考え方(オンラインセミナー)

≪セミナーレポート≫    

作成者:嚥下講師ST 柳本友紀子

《はじめに》
今までは読んで覚えることが求められてきたが、これからは理解することが大事。どれだけ体感して自分の中で落とし込めるかがテーマ。
内的言語を明確化していくことがテーマ。
情報はフリーでとれる。正しい情報は本に載っている。でもほとんどの人が使えていないのが現状。
理解して使えるようになろう!!

《視床の役割って何?》
脳出血の大半が視床出血か被殻出血。
視床と被殻は違う役割。
血管支配も違う。視床は脳底動脈からでてくる後大脳動脈。被殻は、中大脳動脈領域。
下位の脳と大脳皮質を連絡する中継地点。中継先のことを評価する必要がある。
治療するときはちゃんと入力しているかが重要。

《脳画像》
視床の大きさはゆで卵くらい4センチ。
視床がうつるスライスは脳室が5つ。
脳室は眉毛と鼻とほうれい線のような形。
ここのスライスから初めて側頭葉がうつる。
前角と後角の脳室を見つける
前角のでっぱりと後角の外側を見つける。
内包は黒っぽくうつる。
尾状核と視床を見つける。
視床は中継点、ゴールは皮質。
入ってきた情報を脳に届ける役割、インプットの問題。

スクリーンショット 2020-10-06 12.55.14

皮質核路は内包膝部。
皮質脊髄路は内包後脚。
運動麻痺:空間的位置変化、本来あるべき状態ではない。骨格筋を随意的に収縮できないことによって関節運動ができない。

*脳画像がわかると、下記予測がすぐに立てられ評価すべき項目が明確になる!!

<症例画像①>

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視床出血部位から頭頂葉評価が必要。
運動麻痺はなさそう。
意識レベルも見る必要あるな。
姿勢やバランスの問題が出てくる。


<症例画像②>

スクリーンショット 2020-10-06 12.55.31


被殻出血。
運動の手順、カテゴリー分け。
スタートとストップ。
運動麻痺はなさそうだけど浮腫があるから
初期に下肢の麻痺が出ているかもしれない。

<症例画像③>

スクリーンショット 2020-10-06 12.55.38

視床出血。
島皮質がわかりやすいからそこから見つける。
皮質脊髄路には少しかかってうるけど、
顔は問題なさそうで構音障害はなさそう。
上肢が少し問題出るかも?
前頭葉症状が強くなる。
情動や記憶、意識の問題が出てくる。

*同じ症状でも視床からの皮質へ向かうゴールが違うから、頭頂葉症状が強いか前頭葉症状が強いかで評価治療は変わってくる。

《視床の役割》
視床=郵便局:効率よくするために収集する役割と配送する役割
感覚情報→メニケル・ルフィニ→後核→(脊髄視床路)→視床→(視床放線)→3野

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① いろんなところから情報が送られてくる。
セラピストは郵便番号を明確にした治療展開をしているのか?
どこに届けるためにどんな情報を入れていくのか?
② 宛先ごとに選別している。
感覚情報も脳に届く速度が違う。
③ 郵便番号→スピーディーに脳に届けるため。
④ 届けていいものか選別。
送れないもの・・・住所が載ってない、切手が貼ってない、ポストに入れてない、対象物以外
今脳に必要じゃないものはシャットダウンされる、意識化されるものは速達のように送ったりできる。

スクリーンショット 2020-10-06 12.55.55

中継点は3つのグループに分かれる:特異核・連合核・非特異核
特 異:優れている、他とは違う、行き先が明確(個人の家)
連 合:連合野へ届ける部署(会社・企業)
非特異:脳全体(地域・チラシ)

《感覚情報》
感覚は関節受容体、筋紡錘、腱紡錘から内側毛帯通ってV P L核で選別して3野にいったら運動覚と位置覚がわかる。
自分の身体がどうなっているかわからない、手足を忘れている患者さんはこの経路のどれかに問題がある可能性がある。その関節をどっちに動かして欲しいかの感覚情報を入れていかないといけない。
手を忘れてしまう患者さんはどこの感覚受容器が必要?
筋紡錘は伸長されたら発火する。
大胸筋、小胸筋、上腕二頭筋を伸長したときの感覚情報を入れる。
関節受容器は圧縮。
うまくV P Lに入ると3野から5野7野で自分の身体がどうなっているか分かったり、40野で意識化できて管理できる。
表在感覚(例:忘れている手をさする)を入れても何も変わらない!!
ちゃんと郵便番号を正しく入れないといけない。

《視床の脳画像の位置》

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視床の脳画像は十字に切ってみていく。
脳の縮図のような配置!!
横点線を中心溝だと思って後ろが感覚、前が運動。
視覚は後ろ、中の方が感情、V A 、V Lは前頭葉にいく。
P U Lは頭頂葉。M G:聴覚。L G:視覚。半盲おきやすい。
V P M:顔面の表在感覚、口腔内の感覚。

《運動情報》
運動を収縮させる実行系のことではない、プログラムや調節の運動情報。
V L:失調=運動における協調性を失う、タイミング、出力、組み合わせ、筋緊張

小脳の役割
・随意運動の調節・組み立て(F F)
・四肢体幹の運動制御(F B)
・姿勢維持眼球運動

上記をするために
随意運動における協調性(内部モデルを決めているもの)が必要。
時間的秩序:筋出力のタイミング
空間的秩序:運動に用いる筋肉選択と組み合わせ
強さの配列:出力の程度

V A・V L:基底核:スタート、ストップ、運動手順、カテゴリー分けした抑制、筋緊張
運動ループ(V L核)
眼球運動ループ(V A核・M D核)
連合野ループ(V A核・M D核)
辺縁系ループ(M D核)

視床の障害では小脳核などにある元データはしっかりしている。
いかに脳が必要として引き寄せるか、住所を正しく入力して送り届けるか。
目的を変え、情報をどんなバリエーションで脳に届けていくかを考えていくことが大事。

皮質連合野から補足運動野から大脳基底核で作ったものは視床のV Aを介して脳に戻って、もう一回運動前野に行って小脳にいって小脳の情報がV Lにいって運動野に行って運動が出てくる流れ。

作業タスクは手順があるタスクがいい。
リーチする課題じゃなくてペットボトル開けて飲む動作とかA D L動作や移乗動作で見ないといけない。
V Aだったら特に。
患者さんをその視点でみれているか?
脳画像は見る視点を明確化すること!!

《情動》
心。帯状回。記憶。
M D核。好きとか嫌いとか感じていく部分。ヤコブレフ回路、情動の記憶。
健忘症。視床A核の記憶は陳述記憶。エピソード記憶や意味記憶。
アルツハイマー型患者さんや基底核の患者さん、意味記憶やエピソード記憶は低下するけど情動の記憶は残っているからスタッフの好き嫌いは残っている。

A核:見当識、昨日何していたかとかエピソード記憶、意味記憶。長谷川など認知検査でみれる。
M D核:日常生活での接しか方など。関わりの中で見つけていく。

《連合核》
連合野は2つ以上の感覚情報を統合し、知覚、記憶、学習、思考、判断などの認知過程。
P U L:視聴覚・体制感覚の連合(40・39野)身体図式。
L P:頭頂連合野(5・7野)身体イメージ。

プッシング(姿勢定位障害)を起こす患者さんが多い。
患者さんの正中の認識が理解できていない。
視覚的垂直判断(7野)と身体的垂直判断(5野)。
自分の身体がどうなっているかは体性感覚と視覚のマッチング。
体性感覚の問題だけではプッシングは起きない。
姿勢は視覚、体性感覚、前庭感覚情報を頭頂葉の5野7野で統合する。
その情報をさらに外界に繋げていくために精査しないといけない、それを視床のL Pがしている。
プッシングの患者さんは目をつぶった方が真っ直ぐなれるか?
目で見た方が戻りやすい。プッシングは5野の症状が強い。

《非特異核》
脳全体にいく。
上行性網様体:覚醒。
下行性網様体は姿勢筋緊張。
そもそも脳は働かない。どうすれば脳が発火するか?視覚、前庭感覚、体性感覚を入れて覚醒を促す。
感覚情報を単独で入れると、V P Lを通って3野いくと一瞬目を開けるけどまた寝てしまう。
単独感覚を特異核に入れてもいいけど、覚醒はするけど持続しない。
視床の非特異核(C M核)を使う方が良い!!
脳全部に送ってくれるのがC M核。
視覚、前庭感覚、体性感覚を複合的に働かせて上行性網様体が働いてC M核が働いて脳全体を起こすことができる。

《視床網様核》
R:他の視床核の活動を調整している。
不必要な情報は網様核で消してくれる。
郵便局の届けていいものかの選別をする
視床痛:脳のシャットダウン機能、痺れるとかビリビリするなどいらない情報を消せずに異常感覚を感じる。
何もしないと感覚を選べないので思い出したかのように痺れの訴えなど言ってくる。
感覚の鈍麻系なのか、抑制できない過敏系なのかを評価をしないといけない。
いらない情報を入れないことが大事。視床痛の患者さんは必要な情報だけ入れていく。
マッサージに行って自分の身体を触ってもらう体験が重要。触る意味も明確になる。
Rは内包と視床の間にある。

《まとめ》
視床の核の話をしてきた。
特異核、連合核、非特異核がある。
差出人の理解をして情報を届けていくことが大事。
運動や情動をどんどん使っていく、廃用起こさないように。
ただ一つわかっていて欲しいのはとにかく入れればいいわけではない。不要な情報は求めていない。不要な情報入れれば入れるほど視床がうまく働かない。受取人がさらに困ってしまう。
脳画像を見る。
どこが障害されているかによって評価や治療展開は変えていくべき!!

《症例画像①》

スクリーンショット 2020-10-06 12.56.10

視床出血により内包の方へ伸展し、R核の損傷。
いらない情報入れると異常感覚となって
視床痛を誘発する可能性がある。
触り方はいかにピンポイントで触れるか。
目的に必要な情報だけ入れられるように。
V P LとV P Mの障害がありそう。
温度がわからない、運動している方向がわからない。
目で見ないと手の状況がどうなっているかわからない。
手足を忘れるのは高次脳の話。管理できないとは違う。
口腔内にものが入っていることに気づかない、流涎に気づけない。
V Lも損傷している、基底核なので抑制帯やセンサーマット付けられている可能性あり。
麻痺がないから左手の要素、動いた時にものをこぼしたりする。
方向転換や階段昇降とかは危なそう。内側L P核の損傷あり、体軸要素の問題もありそう。
体性感覚情報と視覚の情報のマッチングだけどそもそも体性感覚入りにくいからそこを入れるべき。
座位や立位を取りながら、体性感覚情報を入れつつ、楽しいという感情とくっつけながら手順や協調動作を意識しながら実施。姿勢やバランスをA D Lの中で見ていく。転倒しないかどうか。動作の問題。食事動作などから見ていく。

《症例画像③》

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さっきの患者さんと同じところはどこか?
違うところはどこか?
サーチライト機構を意識しないといけない。
姿勢障害もある。
前頭葉など記憶や情動要素の損傷あり。
覚えてられないとか情動や記憶も難しい。汎化が次の日にしにくい。
目標設定が社会性の行為問題。
病棟に行ってコミュニケーション行って、しばらくしてからもう一回行って覚えているか。意識改善のため立たせる、プッシャーに対して体性感覚入れてみる、ボディスキーマどう変わっていくか、コミュニケーションは記憶という観点で関わる。

《患者さん動画供覧》
どこの核がやられているかを評価。
運動麻痺があり、視床を突き抜けて皮質脊髄路を損傷しているのでR核の問題がある。
感覚障害と姿勢障害が重度であり、頭頂葉の問題がありそう。指示はしっかり入っていた。前頭葉は大丈夫そう。麻痺が顔にも足にもある人は放線冠の方にも出血が及んでいそう。眼球運動障害や姿勢障害あり。脳室穿破もありそう。

《予後》
フルリカバリー。患者さんの可能性は全人間的復権。
元のゴールに戻ること。そのステップの中でどう組み立ていくかが大事。
予後はそこがゴールと決めることではない。
患者さんと目指してやり切ったことがゴール。チャレンジし続けて欲しい。

《最後に》
飛べない跳び箱があると、跳び箱を下げることをしていた。目標を下げてできることをさせていた。その子が最後に飛べたのは、その子のことを信じたから飛べた。できるできないを判断する係じゃなくて、あなたは絶対できるからって心から信頼できるセラピストになりたい。ここまでくるまでにこの日絶対飛べるように練習してきている。患者さんを信じること、目標を下げないこと、そのために知識と技術を磨き、絶対そこに連れて行けるように患者さんと一緒に目指していく。逃げずに向き合って、患者さんが一ミリでも良くなるように。

《質問コーナー》
質問①  今、何の情報が必要かはどうやって決まっているのか?速度は?
目標達成型。本読んでいても必要性感じなければ残らない。普段も必要なことでも聞き逃す。目標設定して意識化しないと情報は上がってこない。速度は2種類あって、行為に必要な物と危険回避に対応するものとある。

質問②  右の視床出血と左の視床出血で変わってくるか?
基本的には違う。右脳、左脳の皮質の役割が違うから。右脳は空間的・身体的要素が強い、左脳は言語的要素が強い。

質問③  重症度は?
重症度は出血巣の大きさ。スポーツしているか、していないかも大きい。
いろんなことにチャレンジしているかで脳のマッピングが変化している。
アテロームがある人は虚血に強いので血管の状態で重症度は変わってくる。年齢。

質問④ 視床失語とは?
どこの核か詳細はわかっていない。言語野でやりとりをしている。
身体的要素からも感覚的要素からも、側頭葉とやりとりをしている。
前頭葉機能と頭頂葉要素も関わってくる。

質問⑤ 座位で座れるようになっても立位でプッシャーが残っている。
立位になればなるほど体性感覚情報処理は多い。
空間が広がれば広がるほど、重心が高くなればなるほど、関節が多くなればなるほど立位の方が難しい。

質問⑥ 症状は対側?
小脳の話。右の運動前野から同側の橋核にいって対側の小脳へいき、戻って右の視床にいき右の皮質に行って対側に症状が出る。

質問⑦ 視床痛を治すには?
Rの情報選択ができているか?
脳の中でどう情報処理しているか理解できるか。何が抑制できているか。
まずは感覚入力して、どんな感覚情報を不快に感じているのか?どんな感覚がとれているのか?
セラピストが視床痛を作っていることがある。
「痛みどうですか?」って聞きすぎ。必要な情報が痛みになってしまっている。痛みについて聞きすぎ。
痛みが緩和していくことが治療展開。
快の感覚を探していく。
非麻痺側から触って、触って欲しいと思ってもられる信頼関係を作っていく。
患者さんから「悪い方触ってくれないの?」って言ってもらったら勝ち。精神的戦略、情報の戦略。
患者さんの手を介して患者さんの手を触っていく。予測可能な感覚に変える。脳の統合を進めていく。
Rの役目を非麻痺側でする。
どこ触ったら好きとか気持ちいいかを聞く。どんな触り方が好きか。いい情報だけを上げていく。

質問⑧  プッシャー症候群で意識がある人なら立位で修正しても余計な情報にならない?
立たせることが目的ではない。
意識を上げることは上行性網様体を発火させることであって立たせることではない。
スタートポジションでプッシャーを出さない。プッシャーが出ることは反射、エラーなので制御不可能。
プッシャーは治療中出しちゃだめ。
どんな感覚を準備するのか、どんな情報を取らせるのか、どんなポジションで始めるか、どんな制御をするかプッシャーが起こらないか。
プッシングは結果。


セラピストは技術者!!料理人であって、料理を査定するわけではない。料理を作る職人。
どうすればおいしい料理が作れるかということを考える必要がある。
どういう入力をすればどこに影響を及ぼせるかが大事。

触り方でも感覚を入れたい触り方なのか、タイミングや組み合わせを治療する触り方なのか、弛緩性麻痺の人に収縮出したいのか、と触り方のバリエーションがたくさんある。

視床出血は上記一覧を思い浮かべること、これに伴う評価ができること、入力が何なのか出力が何なのか、それを実技としてできること、それが当たり前にできること。
この5つの過程を一段ずつクリアしていこう!!
患者さまのフルリカバリーのために、自分の成長のために!!

≪こんな人におすすめ≫

・今から脳を勉強しようと思っている人
・知識が臨床に活かせない
・他の脳の勉強会に行ったけど難しかった人
・臨床で活躍してる人の話が聞きたい人
・もっと患者様を良くしたいと思っている人
・なかなかモチベーションが上がらない人
・一人で臨床に悩んでいる人

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