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展覧会1箇所 アトリエ Beehive展 2022@茶廊法邑

本日、「アトリエ Bee hive展 2022」@茶廊法邑を見てきました。絵画、金工、木工といろんなジャンルの作品があり、見応えがありました。「アトリエ Bee hive」については、以下のURLにホームページがあります。

ホームページを見ると以下のように書いてありました。
「アトリエ Bee hive(ビーハイブ)」は、2009年7月に、制作の場を求めて集った8人の作家達の手により設立しました。(中略)現在、1階は金工、木工エリア、2階は作品収蔵と油彩のエリアとなっております。(中略)今現在は金工、木工、絵画等合わせて10人のメンバーでアトリエを運営しております。」
こういったアトリエってほんと良い感じですね。前から自分も、アトリエがあると良いな~とボヤ~っと考えてはいましたが、様々なジャンルのメンバーが、一つのアトリエに集う・・・というスタイルが素晴らしい、というか自分も仲間に入れて~と言いたくなるほど、羨ましいです。

以下では、今展を拝見して、自分自身が感じた「何か」を感想文的にお届けします。

1.アトリエ Beehive展 2022@茶廊法邑
「金工」というジャンルだと後から知りましたが、金工作品が多くありました。金工の作品を見た経験値は非常に浅い自分ですが、私自身、金工の作品を見ると、なぜかそれを制作している作家ご本人の姿を脳内で思い浮かべようとしている・・・ということに今日気が付きました。なんでだろ?と考えると、おそらく、金属の細工って自分はやったことが無いので、叩くとか、曲げるとか、鍛冶?をするっていうことに対しあまり現実感が無く(映画とか想像の世界)、それが相まって真っ先に作家さんの作業像を思い浮かべようとしたのだと思います。

あと、「溶接」については、「叩く」とか「曲げる」よりは身近な感じがしていて、昔から憧れていた(溶接している姿ってかっこいい!)側面もあるので、余計に作家ご本人の作業姿を思い浮かべようとしたんだと思います。なので、金工の作品については、どうやって作っているのか?が非常に気になってしまい、いろいろ在廊している作家さんにお聞きした次第です。素人の私に丁寧に教えていただき、ありがとうございました。その中で「鋳造」というワードもたくさん出てきましたが、今webで調べると・・・「金属を熱でとかし鋳型(いがた)に流し込んで器物を作ること。」「金工技術の一つで金属を溶解し、これを鋳型に流し込み、冷却してから鋳型から取り出し、表面を仕上げる技術です。」などとありました。また、「鋳造品を大別すると二つに分類できます。まず一つはエンジンなど工業機械。もう一つは銅像や梵鐘、花器、置物、ジュエリーなどの美術品や工芸品です。」ともありました。「工業製品」にも使われてる? 複製が可能・・・ということか?
このあたりはまったくの素人なので何とも言えませんが、いろいろ奥が深そう・・・今度制作工程を見てみたいなと思いました。

絵画で出展されている方が2名おり、在廊されていた方に、製作手法などをいろいろ聞かせていただきました。「油彩」作品だったのですが、見た目が全然油彩じゃない感じ。作家さんの話を聞くと、「よく日本画のようだ・・・と言われます」とのことでした。さらに聞くと、油彩でよくある凹凸?マチエール?ではなく、平面性にこだわって制作されたとのこと。ここで、(写真をやってる身として)私が思い浮かべるのは、いわゆる「写真」プリントでは、作品の表面が平滑なのが当たり前ですが、油彩の方からしてみると、逆に平滑なのが当たり前ではないのだな~と。私は最近、写真ではあるが、素材感というか凹凸というか、平滑ではない作品を好んで作っていますので、それは写真出身の身だから?、などと、少し考えさせられました。特に最近は「インパスト」に興味がわいてきてまして、web(コトバンク)によると、インパストとは「カンバスやパネル に厚塗りされた絵具の盛上がりや、絵筆またはパレットナイフの跡がはっきりわかるほどの画面上の絵具の凹凸をさす。原義はイタリア語で練り粉またはこねること。」とあります。写真をただプリントしただけは成しえないことでもあるので、余計にインパストに興味が沸いていたのだ・・・と認識させられました。

最後に一つ。以下ホームページに掲載された情報からの引用です。
「多ジャンルの作家が集う共同アトリエならではの多彩な作品たちは、見ていて飽きることなく楽しんでいただけるかと思います。」
このとおり、見ていて飽きない、飽きない=何度も見たくなってしまう・・・。絵画は絵画(油彩は油彩)、写真は写真、彫刻は彫刻・・・と、作品ジャンルが大前提にあって展覧会が開催されることが通例ではありますが、ジャンルをまたがって展示された作品(における個々の作品の見え方)・・・という意味で、少し今後の自分の展示の方向性についても、考えさせられるところがありました。自分もここ数年、展示の企画?と言ったら大袈裟ですが、似通った趣向の作家さんに声をかけてグループ展を主導することが多くなっていますが、大前提として「写真系」というのが、まるで当たり前のように脳内に鎮座しています。本来は、作品ジャンルを限定するのではなく、もっと作品の根源的な所に依拠して展覧会が構成されると(というか構成できるようになれば)、非常に刺激的な展覧会になるのだろうと思いました。こちらの見せ方、観客の見方、会場のつくりなど、いろいろ時と場合によって考え方は変わるのでしょうけれど、何を表現しているか?とか、何を目指しているか?など、作品の根本や存在に通ずるリンクでもって、展覧会を企画できるようになりたいです。60歳になるまでになんとか実現することを目標に日々精進します。


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