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半側空間無視[Fluff test(身体無視の検査)]

お疲れ様です。はらリハです。

本日は…
半側空間無視の評価:Fluff test(身体無視の検査)」について解説します。

※ 引用、参考書籍

Fluff testとは?

 半側空間無視の症状は、以下の空間領域に出現します。

1)自己身体空間:身体を中心とした空間表象
2)近位空間:身体表面からリーチングした数10cmの範囲で身体を取り巻く空間
3)遠位空間:手の届く範囲より外の空間

空間認知の身体化過程とその機序をめぐって

榎本玲子

 半側空間無視はこの3つの空間で無視症状が解離して生じることが報告されています。

 その中でも「身体内空間の無視」は、半側身体無視であり、当事者は自己の左身体に注意を向けようとしない傾向があります。

 観察として…

☑︎ 左側の耳や頬に右手を触れない
☑︎ マスクやメガネを左耳にかけない
☑︎ 食事で左側の口腔内の食物を噛まない、残留する
☑︎ 寝返りや起き上がりで左手足を無視する
☑︎ 車椅子上で左手を車輪に引っ掛ける、左側だけブレーキをかけ忘れる
☑︎ 左上下肢を随意的に動かそうとしない

 このような現象が多々見られます。 

 この現象に対しての評価として『Fluff test(フラッフテスト)』を用いることができます。

Fluff test:方法

□ 準備

直径2cmの円形ステッカー(洗濯バサミで可)24個

□ 方法

① 開始姿勢は座位(椅子)

② 閉眼or目隠し

③ 患者の身体部位に取り付ける

☑︎ 体幹正中の左右に3個ずつ
☑︎ 左上肢に6個
☑︎ 両下肢に6個ずつ

The Fluff Test: A simple task to assess body representation neglect

※ 取り付けていることに意識を向けさせないよう、最低限の接触と、会話などで紛らわせる配慮が必要

④ 右手を用いて全てを取り外すように要求する

※ 制限時間はなく、患者が取り終えたと発言した段階で終了

Fluff test:結果と解釈

 明確なカットオフ値の報告はありませんが、半側身体無視を認める場合は、集めることができたステッカーの数の割合に差が生じます。

 見落とした数に加えて、集めるのにかかった時間も計測すると、質的な部分も評価できます。

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