7月の前

この季節になると外の風が気持ちよくて少し湿っていて、去年の前の前くらいの空気の中ににいるみたいな気分になれる。ベンチで街頭の少ないぼんやりの光だけで本を読みながら、実は全然内容なんて頭に入ってこなくって、会いたくて踊り場を何回も通ったり、そういえばあの頃は空が驚くほどピンクに染まっていて綺麗だったのは全然最近見てないな。空が心情を表すなんて国語の中だけだと思ってたけど、でも確かにあれは科学とかの現象なのに、なんで見なくなったんだろう。今では目を見て悲しむこともできなくなって、生きていて欲しいなと馬鹿みたいに心配になったり、でも私には何もできないどころか傷つけたり迷惑かけたり自分は何にも変わってなかったな。好きな人がいてでも大切な人がいて、それを聞いても大切な人は私を大切にしてくれて、すごい人だな。なんで話せる時にはあんなに何も言えないのに、遠くなった途端言いたくなるんだろう。過去に無理矢理してるのは自分なのに過去になるのが嫌だ。本当に嫌だ。何も思えなくなんてなりたくないけど、思い続けるなんて酷だ。一生をかけて忘れなきゃいけないんだろうな。一緒に生きていきたかったのにな。

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