花丸

都会の夜が思った以上に好きである。
お酒を飲みたくなる気持ちもわかる。

昼の駅周りもスーツだらけだし、
夜の街もまたスーツ姿で客を集める人たちである。
スーツを着ている人は、ただただ真面目に働いている。

本当に人生が面白いフェーズに入ったようで、
毎日なぜか幸せである。
お酒を酌み交わせる相手もいる。
こうなりたいと憧れる対象もいる。
期待以上でも以下でもない具合に仕事もできる。

自分も何かをしなければと焦った時期もあったし、
誰かを幸せにできる人にならなければと競った時期もあった。
そうなれない自分を悲観して自信をなくしたりもした。

でも、もういいのである。
モデルケースのような人生を外れる覚悟がついた。
そしてその道は、思っていたよりも幸せだった。

それを、卑屈で人との関わりがわからずもがいていた
20代までの自分に教えてあげたい。
あなたはあなたが好きになった人に人生を救われる。
だから、無理矢理でも分不相応でも好きだと思った人に近づいていけばいい。
それで良いのだと。そして、よく逃げずに頑張った。




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