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Don't think


ロダンの『考える人』はどこの誰が見ても「あぁこの人は何かしら考えているんだろうなぁ」とわかるので、一ひねり加えると深みが増すと思います。例えば『カンガルー人』ならどうでしょうか。『考える人』の前を一瞥して通り過ぎる人でも、『カンガルー人』の前ではピタッと足が止まります。「カンガルー人ってなんだ?カンガルーと人間の融合体か?出生証明書にはどのように記載するんだ?』と様々な疑問が生じること請け合いです。こちらの思うつぼですね。カンガルーのお腹の袋に取り急ぎ収納しましょう。

『考える人』は顎に拳を当てているので、差別化を図るために『カンガルー人』は拳を前に構えるのが良いでしょう。ボクシングのファイティングポーズみたいな感じですね。ちなみに、オーストラリアには「ボクシング・カンガルー」というキャラクターがいます。カンガルー同士が戦う際の振る舞いがボクシングをしているように見えることから、カンガルーとボクシングが紐づけられました。女性同士の殴り合いの喧嘩を「キャットファイト」と呼ぶのと同じですね。 私がその場にいたら、借りてきた猫のように押し黙っていると思います。

マンデラ・エフェクトの一例として『考える人』が紹介されることがあります。マンデラ・エフェクトというのは、世界規模で起きる記憶のズレのことです。実際の『考える人』は顎に拳を当てているのですが、多くの人の記憶の中では、額に拳を当てているのです。おそらく「考える=脳=額」という図式から、このような記憶のズレが生じたのでしょう。「いいや、俺の脳は身体中を自由自在に移動できるから『脳=額』という図式は成立しないぜ!残念だったな!」と主張する人もいるかもしれません。取っ捕まって人体実験の対象にならないことを祈っています。

それにしても『考える人』はなぜ顎に拳を当てているのでしょうか。「顎を無防備な状態にしていると、誰かに殴られるかもしれないな・・・そうだ!殴られる前に自分で殴ればいいんだ!俺って頭いいな!そして顎が痛いな!」と考えたのかもしれません。ですが、これはあくまでも推量です。『考える人』の考えることは私にはわかりません。ちなみに、ロダンの墓の上にも『考える人』のレプリカが設置されています。『考える人』の下に『考えるのをやめた人』が埋まっているというわけです。

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