2015年10月 主治医と初めて会う、同僚に伝える

10/9(金)夫と大学病院の腫瘍専門外来へ。
主治医のM医師と初めて会う。背の大きな飄々とした雰囲気の男性。真顔で冗談言いそうな感じ。K医師によれば腕のいい医師らしい。
舌の構造に始まり、今のがんの状態、治療方法などについてばーっと説明された。あたりまえだけど、前日のK医師からの説明と大きくずれるものではなかった。

<舌の構造、現在のがんの状態、手術>
・表面から順に、粘膜、粘膜下層、筋層という構造になっている。
・がんの状態は、粘膜下層に浸潤した状態の「初期浸潤がん」。再発率は5%。筋層まで浸潤していると「浸潤がん」となり、再発率は30%。
・ごく初期の状態で見つけた。ただ、「がんもどき」と「がん」とでわければがんではあるので、切除した方がよい。今回の病理検査でがん細胞をとりきれているかはぎりぎりのところ。残っているかもしれないし、とりきれているかもしれない。残っているかどうかを、切らずに調べる手段はない。
加えて、今回病理検査をした部分の後ろ側にも白い部分(白板症)があり、これが今後がん化する可能性もあるので、まとめて切除するのがよいだろう。
きりとるのは長さ5cm×厚さ2-3m〜6-7mm程度か。
切り取った部分を検査すると、99%くらいの精度でがん細胞の有無がわかる。

<手術による後遺症>
・会話:話しにくさは残るが、相手側の聞き取りにくさはない
・味覚:切除した部分はなくなるが、舌全体としては問題ない。復活する人もいる。
・感覚:ぴりぴり感は残る

<放射線治療>
早期のがんには効果が少ないことと、副作用があることから、おすすめできない

<術前検査>
・首の超音波検査:今日やって、今日結果がわかる→めだった所見なし
・舌〜首〜肺のCT:翌週10/13に検査して、2日くらいで結果がわかる
・採血、心電図、肺活量、鼻口粘膜感染症:今日
・胸部X線(麻酔のため?):10/15に検査

<術後の検査>
再発の有無を調べるために定期検査を行う。再発リスクが一番高いのは2年以内だけど、まれに7-8年たって再発することがある。
1-2ヶ月に1回、リンパ節の検査をして、6-12ヶ月に1回CT検査をする。
※口の中のがんは再発がこわい。首のリンパ節の状態がポイント。

<手術スケジュール>
早ければ10/20(火)に行う。手術自体は1時間くらいで終わる。
術後1週間くらいは鼻から栄養をとることになるかもしれない。

説明を終えて、忙しそうなM医師が、一つ上の階の検査フロアに連れて行ってくれた。M医師が階段をあがっていく後を夫とついていったら、くるっと振り返って「いったいどこまで歩かせるんだって思ったでしょ」「(あがるのは)1階だから安心して」というので思わず笑ってしまった。

検査フロアの待合室に血圧計があったので、夫もはかる。
私も夫も、まだがんという自覚が薄く、カルテに書かれた「左舌癌」という文字を見て、「”左舌癌”て文字がすごいな」「がんだもんな」などと言い合う。現実味がない。傍から見たら不謹慎に見えたかもしれない。
待合室に60代くらいの夫婦(夫が患者で妻が付き添い)もいて、「腫瘍専門外来に今日来ているということはこの人もがんなのかなぁ」「奥さんは心配だろうなぁ」と不思議な連帯感を覚えた。

午後出社。
ちょうど会議日だったので、会議のあと、出社していたスタッフ8名に現状と今後のスケジュール感などを伝えた。
腫れ物にさわるみたいにされるのはいやなこと、病気のことはふつうに話した方が私の気持ちとしては楽なのでふつうに話したいと思っていること、答えたくないことは答えないから病気のことで聞きたいことがあれば遠慮なく聞いてほしいこと、も伝えた。
同僚たちが衝撃を受けている感じとか心配している感じは伝わってきたけど、私の希望をくんでふつうにしてくれたのがありがたかった。
入院に向けて、現在の担当業務の一覧を作って関係するスタッフに引き継ぐことになった。

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