2015年10月 検査結果詳細を聞く

10/8(木)10時、病理検査の結果を詳しく聞くために、Hクリニックへ。
前回の診察と違って、奥の個室っぽい診察室に通された。
診察室でK医師がくるのを待つわずかな間に涙がにじんでくる。
K医師がくると涙はひっこんで、K医師の淡々とした説明(あえて、というように感じた)を聞いている間は、メモをとるのに真剣になる。

<検査結果>
10mm*3mm*2mmの組織を検査したところ、500マイクロメートルのがん組織が1つ見つかった。
1mm=1000マイクロメートルなので、0.5mmのがん組織があったということ。
がん組織は胞巣という蜂の巣のような構造になっていて、異分化(異常にかたくなること)は軽度だった。
組織の分化のグレードは2。高分化、中分化、低分化、の真ん中とのこと。
周囲硬結なし。切り取った組織のまわりがかたくなっていないので、周囲にがんがないということ。
低分化だとこわいと聞いていたので、少しほっとする。

<みたて>
ほんとの初期のがん。見落とすとまずかった。
今回きりとった部分のうしろの白板症もがん化する可能性があるので、手術で一緒に切り取った方がよい。

<舌がんの治療>
手術であやしいところまできりとるのがベスト。どの程度切り取るかは、腫瘍のタイプによる。
潰瘍型、内向型の場合には、舌の中心・真ん中あたりまできりとる。私のものだったら、切り取ってもたぶん深さ1cmまでいかないのでは。

手術後の傷口のふさぎ方は、「人工真皮」と「縫縮」とがあるが、「人工真皮」が多い。
・人工真皮:薬つきのガーゼを圧接。1週間〜10日くらいで真皮がくっついたらガーゼをとる
・縫縮:傷口のはしっこを縫い合わせる

※放射線治療について
・腫瘍の範囲がはっきり決まっているときにとる方法。
・正常な組織にあてると神経を壊してしまうので、味覚などの後遺症の問題がある。
・がん細胞の見落としがあるとこわい。
これらを考えると、最初の治療方法としてはとるべきではないだろう。

<検査>
・他の臓器への転移の有無
・術後も各種検査が必要で、5年以上はようすをみる。歯があたるようなら削ることもある。

<治療体制>
腫瘍専門外来の医師が外来と手術を担当する。責任者で、K医師の同期だそう。
入院中の病棟では、グループ制で別の医師達が担当する。

今後の大まかな流れは下記の通り。
・明日、腫瘍専門外来を受診(K医師が予約済)
・術前検査:手術までに1−2回。肺など。
・入院:1週間〜10日くらい。最大2週間。
・手術前日にムントテラピー(手術内容の説明)
・手術:全身麻酔で1時間くらい。できれば当日のうちに歩く。水のむくらいできるか? 手術直後は舌が少しつっぱるが、必ず軟らかくなる。

明日の外来でスケジュールがたったら、Hクリニックに連絡して、口内クリーニングの予約をすることになった。


<他の臓器のがんの治療>
初期のがんなので、可能性は低いとは思うが、もしリンパ節に転移していた場合には、リンパ節廓清など、大がかりな手術が必要になる。
肺に転移していた場合には、手術はできない。

上記の説明を聞いて、ごく初期のがんだと理解し、少しほっとした。
昼休みの夫から電話があり、伝えるとほっとしたようすで「なんなんだ」という。
聞けば、転職したばかりで有給休暇がまだないので、病院付き添いなどで欠勤することを考え、上司や同僚などに話したら、感極まって人前で泣いてしまったという。たまらずトイレで号泣し、「俺はOLか」と思ったらしい。「ごく初期」という情報がまったく無い状態だったので、そのことを知ってたらあんなに泣かないですんだのに・・・ということらしい。あと30分待てばよかったと話していた。
私はK医師との対話のあとでほっとしてけろっとしていたので、「ありゃ。かわいそうに」などと軽口をたたいた。

私は午後から仕事。
出社前に、近くのドトールで上司に報告した。舌がんという病気にあまりぴんと来ていないようだったが、「手術最優先でスケジュールをたてるように」と言われた。一緒に仕事をしている同僚たちには一律にオープンにしたいことを伝え、明日の外来を受診したあとに伝えることにした。
たまたま本社から来ていた社長には直接伝えた。30代でがんということにけっこう衝撃を受けているように見えた。
いつもペアで仕事をしている同僚は休みだったが、早く伝えた方がよいと思い、電話で簡単に伝えた。
本社の総務担当者には電話で連絡をし、傷病手当に関する手続きをざっと確認した。

検査結果を聞き、職場にも伝えたことで、がんの治療に臨む気持ちに切り替わった。


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