2015年10月 金のくす玉とマーチングバンド(入院13日目、退院日)

5時、腹痛で目が覚める。
2回トイレに行く。消化不良っぽい。

6時、起床。
荷物をまとめて、読みかけの村上春樹『走ることについて語るときに僕の語ること』を読み終わる。私も長距離を走り続けるようなことをしたくなる。
時間が空いたので、精選女性随筆集の向田邦子の巻を再び読む。毎回泣き笑いのような気持ちになる。

8時、朝食。
メニュー:全粥、白菜のみそ汁、青葉おひたし、ほっけ焼き(小一切れ)、バナナ1/2本、牛乳、ゆずみそ
毎朝、朝ドラを見ていたがテレビカードがちょうどなくなったのでデイルームにて。0655と朝ドラを毎回見ると、12日で1000円のテレビカードが切れることがわかった。

9:50、朝の診察。
今朝はてきぱきさんの女性医師。
昨日の主治医の診察でよく理解できなかったことを確認した。
舌を切除すると、口底(舌の下側の広いくぼみの部分)に唾液がたまってつまりやすい。今のところはないけれど、つまった場合にはつまった唾液をつぶす必要があるので、そのことを話したのだろう、とのこと。
術前説明の紙のコピー(私がもらってないと勘違いして再び依頼してしまった)と生命保険の手続きのための診断書をもらった。

10時、退院。
仕事に出ていた夫、母、兄に電話。夫の母は出なかったので留守電に。
母は、私が一人で退院することを心配していたが、たいして荷物もないので、人手があったところで何も変わらないからいいのだと伝えた。

10:30、病院の敷地の外に出て約2週間ぶりに街の空気を吸った。見知ったものばかりなのに新鮮な気分。
病院の近くで大きなブックフェスティバルがあったので、立ち寄る。
ちょうど開会のタイミングだったようで、メインの通りに金のくす玉とマーチングバンド。出店では赤飯も売っているし、好物の豚汁まで売っていて、退院祝かと錯覚する。
思った以上に体力が落ちているらしく、すぐに疲れてしまい、ブックフェスティバルはしっかりと見ることができず、目に留まった2−3冊だけ買い、珈琲屋で休憩。

帰宅して、家の中のようすが入院日とほぼ変わっておらず、驚く。入院日より散らかってもいないし、片付いてもいない。夫は本当に何もしていなかったようだ。
怒涛の10月が退院とともに終わり、帰ってきた、という実感がやってきた。

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