【色塗りの基本】#2 光と影について【塗り編】


こんにちは

イラストレーターの能登です


今回は色塗りの基本である

光と影」についてのお話をしたいと思います


光と影は絵において立体感を表すために重要で

絵の完成度を大きく左右させます


また上級者でも影の色選びや光の描き方影の付け方は

迷うことが多く奥が深い要素でもあります


今回はそんな光と影について

色塗りが初めての方でもわかるように

基本的なことを解説していきたいと思います!


1、光について



まず光について抑えておく3つのポイントです!

 ①光はまっすぐ進む

 ②光は反射する

 ③光源の色によって物体と影の色も変わる

それでは一つ一つ解説ていきます


①光はまっすぐ進む

まず1つ目のポイントは

光は直進する特徴があるということです


例えば放射線状に広がる太陽のような光源

一点を照らす懐中電灯のような光源も同様に

光は直進していきます

光1


そしてどのような光源も

光源から離れれば離れるほど光の影響は弱くなり

暗い色になっていきます

光②


またそれが空気中や、水中、ガラスの中など

場所がどこであろうとこの性質は変わりません

光3


これらはとても基本的なことですが

重要ですので覚えておきましょう!


②光は反射する

そして2つ目のポイントは

光は反射をするという性質

これも絵を描く上でとても重要な要素になます


 1、反射率

光2‐1


まず、それぞれの物体には反射率というものがあるのですが

反射率が高い物体は鏡

低い物体はアスファルトを思いうかべるとわかりやすいかもしれません


反射率の意識は絵で質感を表現する上で必要で

例えば服でいうと布は反射率が余り高くない物体なので

光源が当たっても特別明るくなることはありませんが

革ジャンなどのレザーのものは反射率がたかくハイライトが多用されます


 2、反射光

光2‐2

また、反射はもう一つ絵にとって重要な意味を持ち

それが「反射光」です


反射光は例えば地面からの照り返しの光源などで

これを描くことによってなんだか物体が浮いてしまうことがなくなり

周囲にうまくなじませることができます


反射光によってお互いの色が

どれくらい反射するのかは

その物体の反射率によって変わってきます


これらを意識するだけでも

絵の表現力がぐっと上がりますので

是非覚えておいてください!



③光源の色によって物体と影の色も変わる


そして3つ目のポイントは光源の色です


物体の色は光が反射することによって

人間の目に見えるようになりますが

光源の色が変わってくると物体の色にも変化が現れます


光3‐1png


例えば月明かりの光源で考えると

月は青白い光を発していて

夜の景色は昼間に比べるとかなり青みがかかっています


またロウソクはか細い光源ではありますが

周囲をオレンジ色に照らします


光3‐2png


また、例えばスポットライトなどの

強い色の光源を物体にあてると

物体の色は光源色に近くなり

影は光源色に対して補色の関係になります


このように色を塗るときには是非

光源の位置や向きだけでなく

その光源の色も意識するようにしましょう!



2、影について


続いて影の3つのポイントです


 ①影は立体感を表すもの

 ②影の二つの種類

 ③影の色について

それでは一つ一つ解説していきます


①影は立体感を表すもの


まず影とは何なのか解説していきたいと思います


影は光を物体が遮った時にできるものですが

光源の強さと向きによってできる影は

物体の形を表すものでもあります


例えば影がない状態だと

このような丸い形は平べったい板状の可能性もありますが

影がつくことによって球体上の形だとわかります

影1‐1


この影は立体感を表すものという意識

絵にリアリティを加える上で重要な要素となりますので

影を描く際には是非意識してみてください!


②影の二つの種類


次は影の種類についてです


実は影には2つの種類のものがあり

1つはその物体そのものに落ちる影です


 1、シェイド

影2‐1


この影のことをシェイド(陰)といい

シェイドは先ほど言った通り

物体の立体感を表します


 2、シャドウ

影2‐2


そしてもう一つは

物体によって地面や他の物体にできる影

この影のことをシャドウ(影)といいます


シャドウは物体が光を遮ることによって

物体の「シルエット」を表すものになります


影を理解するうえでこの二つの影の描き別けが重要になってきます


③影の色について


最後に影の色についての解説です


影の色選びはとても難しく

上級者でもなかなか決まらないことは多々あります


まず前提として影ができる場所は光が当たる量が少ないので

黒っぽい色になるというのはみなさんもご存じだと思います


しかし、単純に明度を落とした色を塗ってしまうと

なんだか物足りなかったり、周囲と上手くなじんでいなかったりしますよね


もう一歩進んだ知識としては

紫などの青系を塗るのがいいとか

彩度を落とすといいなどをよく聞きますが

どんなときにでも当てはまるものではなく上手くいかない時もあります


影3‐1


ではどうすればいいのかというと

まず一つとしては明度を落とすだけではなく

彩度にも変化をつけることです


どういうことかというと

本体の彩度が高いなら影は彩度を落とし

本体の彩度が低い場合は影の彩度を上げるということです


これは小手先のテクニックではありますが

本体と影の彩度に落差があると深みが出るのでおすすめです


そして次に影に反射光を混ぜるということです

先ほども言いましたが反射光を混ぜるだけでも

周囲になじませることができます


影3‐2png


それは影も同じで例えば物体の色が赤だったら影にも

赤を少しだけ混ぜてあげます


またそれがどんな場所にあるかにもより

青空の下だったら空の色が少し混ざりますし

森林の中だったら緑色が反射してきます


よく青系で影を塗るといいというのも

青が原色で一番暗い色という他に

空気の色が青(環境光)というのもあると思います


このようにただ暗い色を塗るだけでなく

彩度の変化や反射光や環境光を意識することによって

よりリアリティのある絵を描くことができあす


※リアリティを無視した空想イラストの場合

そういった固定概念を無視してしまって

どんな色を塗ってしまっても大丈夫です!



これらを踏まえた上で色の塗り方を解説しました!





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