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時間を「うまく使う人」と「追われる人」の習慣 / 滝井いづみ

◆時間を「うまく使う人」と「追われる人」の習慣 /  滝井いづみ

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◆分かりやすさ:★★★★☆
◆おすすめできるひと:新社会人、ビジネス書を読んだことがない人
◆載っていること:時間管理方法、タイムマネジメント

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時間の使い方ってみんな苦労するよね。

「時間が……時間がない!!」って、いつも時間に追われている感覚の人もいれば、時間がいっぱいあったはずなのに、なんとなくスマホとか見て過ごしていたら「あれ?もうこんな時間?」みたいな無自覚的に時間の使い方が下手な人まで。

わたしは、いまは仕事も落ち着いてるし、プライベートもゆったりしているので、時間に追われている感覚ってないんだけども、趣味のゲームをしていたら気づけば休みが終わっていたりして、時間の使い方が下手な断然後者。

でも、書店員時代には、やることが多すぎていつも時間に追われていて、残業が当たり前、みたいな時期もあったし、やっぱり時間には誰しもが苦労させられているものじゃないかとわたしは思います。『1日24時間』は、誰にとっても同じ。25時間ある人なんていやしません。

いまは時間に余裕があるけれど、それはそれで持て余し気味だったり、有意義な使い方ができなかったり(ゲームばかりやってる)、「私って時間の使い方下手だな〜」って思っていたところに、本屋で見かけたのがこの本。『時間を「うまく使う人」と「追われる人」の習慣』(滝田いづみ著)。棚に平積みにされていました。売れてるんですかね。

「何か得るものがあったらいいな〜」という気軽な考えですが、手にとって買ってみました。私は「追われる人」ではないけれど、うまく使えない人であることは間違いない。というわけで、読んでみました。


●50の習慣と目次

本の表紙に「心に余裕が生まれる50の習慣」と書いてあるように、時間の管理方法が50個載っています。

章立ては以下のよう。

第1章 思考編
第2章 スケジュール管理編
第3章 ムダとり・時短編
第4章 効率アップ編
第5章 環境・仕組みづくり編
第6章 メンタル編
第7章 人生編

この章の中に、

第1章 思考編

 01 時間をうまく使う人は全体の時間でとらえ、追われる人は仕事時間だけを考える
 02 時間をうまく使う人は自分で行動を決め、追われる人はやらされ感で行動する
 03 時間をうまく使う人は見通しを立ててから動き、追われる人は思いつきで動く
 04 時間をうまく使う人はロングスパンで考え、追われる人はショートスパンで考える
 05 時間をうまく使う人は振り返りを活用し、追われる人は振り返りをしない
 06 時間をうまく使う人は悩む時間が少なく、追われる人はいつまでも悩む
 07 時間をうまく使う人はコンディションを大切にし、追われる人はコンディションを軽視する

という感じで、章ひとつあたりに7〜8個の習慣がまとめられていて、さらに習慣1つにつき4ページで解説しています。

目次ってすごく大事で、もちろん読み返す時なんかの目印にもなりますし、それこそ時間がないときなんかは必要な箇所だけつまみ食い(つまみ読み)する場合にも役立ちます。

ビジネス書って、実はそんなに最初から最後まで通して読む人って少なくて、多くの人は自分に必要な箇所だけをかいつまんで読む傾向があります。そしてその傾向に合わせて、できるだけ分かりやすく、必要な箇所だけを抜き出して読むことができるように目次って作られているものなんですね。そもそもビジネス書って、何度も何度も読むもの。一度読んだだけでは身につかないので、なにかにつけて繰り返し読むものなんですね。というか自然とそうなります。そのときに、また最初から読むのは大変なので、読みたいところだけ読めるように目次ってまとめるものなのです。

さらにいうと、こういった時間管理の本が出版されて売れるくらい、時間に追われている人は多く、そういった人たちが1ページ目から順番に読むのって大変じゃないですか。だから、自分に不必要な箇所は最悪読まなくてもいいようにもなっているのです。もちろん作者や編集者の方は、全部読んでほしいでしょうが・・・。つまみ食いだけする人がとっても多いのも事実。そのために目次ってできるだけ分かりやすく作るんですね。(なかには極端ですが、目次だけで良書、悪書を判断するっていう人もいます)

その点で言うと、この本の目次は、もうちょっと分かりやすく作って欲しかったな、というのが正直なところ。

タイトルに合わせて「時間をうまく使う人は〜〜、追われる人は〜〜」に統一したかったのは分かるけど、そのせいで読みたい箇所を探しにくくなっちゃってる気がする。習慣が50個も載っている本なので、できれば探しやすくして欲しかったな〜というのが正直なところ。この点はちょっと惜しいな、と思っちゃいました。


●読みやすさが抜群!

・・・と、いきなりネガティブポイントを語っちゃいましたが、良いところももちろんあります!

読み終わったあとに気づいたんですが、すっごくスラスラ読めるんですよ。表現が分かりやすくてとても読みやすかったです。

著者の滝井いづみさんのプロフィールが本に載っていたんですが、しっかりとコーチングを学ばれた方なんですね。プロフィールを一部抜粋すると、

国際コーチ連盟認定コーチ養成プログラムであったCoach21(現在のCoachA)にてコーチングを学び、パーソナル・コーチ、研修講師、セミナー講師として活動。「流されるまま」になるのではなく、自分の人生を味わうためのタイムマネジメントを考えるコーチングを提供している。
企業や官公庁などで1on1コーチング研修、タイムマネジメント研修、コミュニケーション研修、リーダー研修、新人研修等を実施。
滝井いづみ著『時間を「うまく使う人」と「追われる人」の習慣』より

要するに、人に物事を教えるプロと言えそうです。だからできるだけ分かりやすくて飲み込みやすい文章を書かれているんですね。おそらく意識してやっていらっしゃるのではないかと思います。

50の習慣の中には、ある程度社会人を経験した方なら当たり前のような基本的なことまで書かれているんですが、おそらくそういうことをまだ知らないであろう人たち、たとえば新社会人の方とかを意識して本を作られたのではないかと思います。そのために、表現も内容も、ちゃんと基本の「き」から載せているのでしょうね。

そういうわけで、わたしは冒頭の「おすすめできる人」を新社会人としたわけです。加えて、言葉が平易で読みやすいため、ビジネス書をいままで読んだことがないような人にも読みやすくて良いと思います。ただし注意点としては、人によっては当たり前の内容も載っているので、社会人経験が長い人にはあまり向かないかな、とも思います。そう言う人は、時間管理の本はいっぱい出ているので、他の本を探された方が良いかもしれませんね。さらに言うと、1つの習慣あたり割かれているページが4ページで、文字も大きいので、当然ですが、説明が短くなってしまっています。もっと詳しく知りたい!と思う方も、別の本を探された方が良いかもしれません。この本はあくまでも入門編としての本ということですね。


●まとめ

上でも書いた通り、ビジネス書を読んだことがない人で新社会人のような人におすすめです。文章はわかりやすいですし、文字も小さすぎず、ページもそれほど多くない(233ページ)ので、1ページから順に読んでいってもわりと手軽に読めます。もちろん全部読まなきゃいけないわけじゃないですし、自分の役に立ちそうなところだけつまみ食いするのもいいでしょう。

あくまでも入門編として、日々の生活が少し楽になるヒントとして使うのがいいんじゃないかと思います。


◆雑記

「こんなの誰が読んでるの?」
「ビジネス書って難しそう」
「私には無理」

本屋のビジネス書棚の前で、こんなこと思ったことはないですか?わたしも今でこそビジネス書を読むようになりましたが、ほんの数年前まではこういうことを思ってました。「●●万部突破って書いてあるけど、誰が読んでるのこれ?」とか。

でもいざ読み始めてみると結構わかりやすくまとめてあったり、文章も平易な言葉で書かれていたりして、思っていたよりも読みやすかったと感じた覚えがあります。食わず嫌いだったんですね。もちろん中身はいろいろな知見の塊。目から鱗が落ちるような思いを何度となくしました。

漫画や小説なら読むけどビジネス書を読まない人ってとても多いようです。それはとてももったいないことのように思うのです。いや、ほんと、どこから目線やねん、と思われるでしょうが、実にその通り。私は1人の、ただの本好きでしかありません。書店員をやってはいましたが、ただの販売員でしたしね。私自身には知見などなにもないに等しく、どこにでもいる普通の人か、それ以下です。

こんな私がビジネス書を語るのはおこがましいのでしょうが、良いものは良い。そして、良いものは広めたいと思うのが人の性・・・。

というわけで、読んだビジネス書についてのnoteをぼちぼちやってみようかなどと思います。

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