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【能登半島地震】わかものと活動報告④ 森本石油さん


ご挨拶

このノートを開いてくださり、ありがとうございます。
能登地震において活動をする学生団体「わかものと」副代表の清水涼太です。
今回は2024/01/13〜2024/01/14にかけて穴水町にあるガソリンスタンド”森本石油”で活動した私と同じく運営の竹内圭介が活動したご報告をさせていただきます。

概要

活動期間:2024年1月13日〜2024年1月14日
地域:能登地域 穴水町
活動目的:穴水町のガソリンスタンド「森本石油」でのお手伝いと現地ニーズ調査
お世話になった方:森本さん、千頭さん
メンバー:能登地震学生グループ「わかものと」
副代表 3年生清水涼太 運営 1年生竹内圭介

活動の経緯

今回森本石油さんと出会ったきっかけはとても偶然で、代表の納田がたまたま寄ったガソリンスタンドが森本石油さんでした。
5分の立ち話の中で森本石油さんが毎日緊急車両や地元の人たちのために24時間ガソリンスタンドを開けていて、たった2人体制でガソリンスタンドを回しているということをお聞きし、私たちに何かできることはないか?ということでお手伝いする運びになりました。

活動内容

1日目:事務所の片付けと現地調査

まずは森本石油の事務所の片付けを行いました。
事務所は震災の影響で棚や書類などが崩れてしまっていて、足の踏み場がない状況でした。また、森本さん、千頭さんは2週間ずっとガソリンを入れる業務を行なっていたため、事務所の復旧ができない・寝る場所が作業所の椅子というかなり大変な中作業をされていたので、まずは住環境の復旧と片付けを行いました。

最初は地震でぐちゃぐちゃになってしまったお部屋を
2人で綺麗にできました!

被害の全容を見させていただく

その後、森本さんに穴水町の被害の現状を見させていただきました。
そこには家が崩れてしまったり、土砂崩れがおきていたりと言葉にできない光景が広がっていました。街が、生活が、変わってしまっていました。
森本さんはこれまでガソリンスタンドの業務が忙しかったこと、また自分のまちが一変してしまった光景を見ることができないお気持ちがあり、現地に行くことを今まで避けていらっしゃいました。
しかし自分達に実際の被災地を見せることで何か感じてもらいたいという気持ちで我々に町を案内させていただきました。
言葉にできないというのはこのことで、家が崩れてしまっていたり、道が陥没していたり、雪もあって家がぺしゃんこになってしまっている町が広がっていました。
森本さんのガソリンスタンドに来ていたお客さんも何人か亡くなってしまっていて、森本さんが泣きながらおっしゃった「自分の町が...変わってしまった...」というお言葉は今でも忘れられません。
自分の町が一変してしまう。昨日までお話ししていた、お客さんだった人が、歩いていた町が、変わってしまう。町の中にはもう穴水に戻ってこない人も多いそうです。
震災は一瞬にして生活も、命も、文化を消してしまう恐ろしさを知ることができました。

倒れてしまった家屋。このお家の住まれている方は森本石油のお客さんでした。

改めて、私たちは何ができるのか。この震災以降、今どんどん穴水町から出て行ってしまい、そのまま戻ってこない人も多いというお話も聞き、今の1次的な復興のその後、何をしたら町の長期的な復興に携わることができるのかを考えるきっかけになりました。

2日目:清掃とニーズ調査

2日目は異なる部屋の片付けを行いました。そこの部屋も同じく地震で多くの家具が崩れてしまっていて、同じく片付けを行いました。同時に店内の掃除を行いました。時間の関係から、全ての掃除を終えることはできませんでしたが、綺麗にすることができました。

地震で崩れてしまった家具類
ガラスが割れてしまっている窓を掃除します。

その後はガソリンを入れる業務を行いました。ガソリンを入れながら、国交省の方や様々な企業から来ている災害派遣の方々から現地のニーズ調査を行いました。
ガソリンスタンドという職業柄、数多くの緊急車両や被災をしているかたが集まってきます。何が今足りていないのか、どのような被害状況なのかをヒヤリングし、学生を新しく派遣するところを探していました。

ガソリンを入れる業務も板についてきました!
緊急隊員の方にヒヤリング

その後、1年前の能登地震から能登を舞台にした映画を撮っている映画監督の方から詳しいヒヤリングを行いました。珠洲市では穴水町とは大きく被害状況も違うし、足りないものや、避難所の情報も大きく違いました。
そのほかにも津波の映像を見させていただき、町が飲み込まれていく映像はとてもショックが大きかったですし、被災して無くなってしまったご家族のお話で、亡くなってしまった奥さんを霊柩車に乗せることができないという理由から車の助手席に乗せて運ぶというお話では自分だったら、、と考えると言葉にできない思いがありました。

お話をお伺いした映画監督の有馬尚史さん

2日間を通して

私は地震がいかに恐ろしいもので、何もかも奪ってしまうものかということを体感することができました。実際に避難のお話や現地の町の光景を見て、言葉にできない悲しみに襲われたのと同時に、自分達にできることはなんでもしていこうという意識も一段に強くなりました。
でも、マイナスなものばかりではありません。現地の方々はそれでも暖かかったです。
森本さん、千頭さんは学生の我々を暖かく受け入れてくださって、能登の美味しいご飯も頂きました。そして我々に様々な体験も同時にさせていただきました。
我々は初めての受け入れ学生ですし、お仕事中ということもあり大変なときに我々を受け入れてくださりました。ボランティアをさせていただく身として現地で色々と活動させていただきましたが、数多くのおもてなしをいただきました。
最後には熱い抱擁を交わし、涙を浮かべながら見送っていただきました。
こんなに人に感謝される経験は今までなく、本当に嬉しかったです。
そのほかに会った方々も食事をいただいたり、気軽にお話をしていただき、能登の人の人情の深さと暖かさに触れることができました。
今後とも私たちは森本石油さんをお手伝いさせていただきながら、穴水町、もちろんそれ以外の地域にも何か一助できるように精進して参ります。


中日新聞の方に取材をしていただきました。

一緒に活動した1年竹内圭介の感想

2日間を振り返って
改めて災害の怖さを知りました。
自分は今、「パニボー」という自分が被災した経験から地震が起きたときにパニックにならないようにするサービスを考えていますが、自分がやっていることの需要を再確認できました。やっぱり1人でも多くの人を助けようと感じましたし、いろんな人から話を聞いていろんな現場を見たときに自分がするサービスで悲しい思いをする人を減らすという使命感を強く感じました。
映画監督さんのお話にあった「奥さんと帰省してきて、奥さんが亡くなってしまい、、亡くなった奥さんと地元の葬儀場に2人で助手席に座らせて帰る」というお話はではあまりにも無惨で、もしも自分だったらと考えると耐えられないし、それを思うと思うところがあるし、苦しいところがありました。
地震はなんて残酷なんだ、無惨なんだと感じました。自分の価値観が大きく変わりました。
人の温かみでは、千頭さんも森本さんの人柄のありがたさがものすごかったです。初めましての人を自分の職場に入れるのは体力もいるし、仕事もあるのに大変な状況なのに丁寧に教えてくださり、とてもお世話になりました。

現地に行く人へのメッセージとして、自分が言いたいのは、
とりあえず行ってあげて欲しいです。
僕らが言っても正直人手はまだまだ足りないし、避難所も大事だけど、森本石油のようなインフラとか店を開けている人たちの支援も大事です。
森本さんたちは本当にいい方で、人柄も素晴らしい方です。
お二人は未だベットのような寝床が確保できていないし、シャワーも浴びていません。森本さんは自分達が滞在した中でも、お仕事をしてらっしゃいました。限界だと思うし、休ませてあげたいです。そのためにもまずは行って、お手伝いをしてあげたいし、また自分も行きたいです。

最後にお世話になった森本さん(一番奥)と千頭さん(一番手前)と1枚!ありがとうございました!

最後に

私たちは現地のニーズに応えることを1番に活動を進めていきたいと考えています。実際にボランティアや支援を経験したことがある方々からお話やアドバイスをいただくことで、心構えと自分たちの役割を把握した上で向かうことを事前に行い、現地へ向かった時には、地域の人と協力し合い効果的に持続的に支援を行うことを目指します。
持続的に人を派遣することで学生メンバーのマンパワーを発揮していきます。活動を継続的に行うために、お金のない学生に対して、 活動の支援資金を集めて、被災地の支援のために使っていきたいと考えています。
私たちの団体の強みは、過去の震災経験の受け入れサイドとボランティアサイドの方をアドバイザーに迎え、東日本大震災や中越沖地震などの知識を共有する勉強会を実施していることです。
また、先遣隊を派遣し、現地の地域団体やNPO法人等と緊密な協力体制を築いています。これにより、確かな知識と信頼性のある受け入れ先を把握し、初めて行く学生でも行ってすぐ活動を行う安心感があります。

わかものとの活動は、学生たちが独断で行動するのではなく、中間管理・支援団体を介して、大人の方々のサポートを得ながら活動しています。
学生の方で参加したい方はぜひ私たちと一緒に活動しましょう!
https://forms.gle/orvvhnAeiLbw6mhf8
こちらのボランティア参加フォームからご登録をお願いします!

ご支援をいただける方も募集しております。
代表の個人口座までお願い致します。

口座情報 ノウダ カオル
金融機関名 PayPay銀行
金融機関コード 0033
店番号(支店コード) 007
支店名 かわせみ支店
口座番号 3266065
預金種別 普通預金

これからも皆様のご支援ご協力を心よりお願い申し上げます。

活動報告はこちらでもご覧いただけます。
公式Webサイト
https://wakamonoto.studio.site/
公式X
https://twitter.com/notofukkou
公式Instagram
https://www.instagram.com/notofukkougakusei/

副代表 清水涼太

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