世界の名ボクサー:ナジーム・ハメド⑦ラスト「柔軟な身体&強打の王子」

世界フェザー級王者。WBO王座防衛戦&初黒星。セサール・ソト戦、ブヤニ・ブング戦、マルコ・アントニオ・バレラ戦、マヌエル・カルボ戦ほかを紹介します。

ナジーム・ハメド(イギリス)
身長164cm:サウスポー

①ナジーム・ハメド 12R 判定 セサール・ソト
(WBC・WBO世界フェザー級タイトル統一戦、1999年)
(感想:ハメドがタイトル統一。これまで32戦全勝(29KO)のWBO王者ハメド。かつてIBF王座を獲得し、直前までWBA王者だったウィルフレド・バスケスを下したが、ついにWBC王者と対戦(99年最後の試合、10月)。これに勝てば実質的に「四団体制覇」となる。WBC王者ソトはメキシカン。デューク・マッケンジーのWBO世界バンタム級王座に挑戦したときは判定負け。その後、連勝。アレハンドロ・ゴンザレスとのWBC世界フェザー級王座挑戦者決定戦に判定負け。そして、連勝。フィリピンでルイシト・エスピノサのWBC世界フェザー級王座に挑戦したが勝てず(1996年)。しかしながら、このソトという選手はしぶとい。その後、また連勝。エルパソでエスピノサに勝利してWBC王座獲得(1999年)。ハメド戦は統一戦であり、WBC王座の初防衛戦でもある。デトロイト「ジョー・ルイス・アリーナ」での一戦。ハメドがマイクパフォーマンスをしながら派手に入場。ゴング。ガードを下げた構えからジャブを打つハメド。オーソドックスにスイッチしたりしながらパワーの乗った左ボディ攻撃。ソトはガードを上げてフックで前進。ところが試合が荒れてくる。ソトはサウスポーが苦手なのか上手く攻められない(元々不器用なのもあるが)。ハメドは接近戦を嫌ってクリンチ、そしてラフプレー連発(まさにプロレス。ヘッドロック、ショルダースルー&ニードロップ、ヘッドバット、押し倒し)。8R、ソトがバッティングで減点。12R終了。判定は3-0。プロレスや相撲の技も取り入れながらハメドが腰の入っていないジャブとストレートで勝利。世界タイトルに傷をつけるような試合をした両者(ノンタイトル戦だったらよかった)。どうやらクリンチの際にソトが頭をぶつけたり、パンチを出してきたりするのにハメドはエキサイトしたらしい(クリンチをしていたのはハメドの方だったが)。ハプニング好きの野次馬には楽しい内容だったかもしれないが、個人的には全く面白くなかった試合。ラフファイトを裁いたレフェリーが主役と言ってもいい一戦だった。その後、ソトは敗北が多くなっていき、世界戦はハメド戦が最後となった。)

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