世界の名ボクサー:ロベルト・デュラン⑩ラスト「パナマの ”石の拳”」

世界四階級制覇王者。メジャー王座に挑戦。フェリックス・エルナンデス戦、ウィリアム・ジョッピー戦、パトリック・グーセン戦、ヘクター・カマチョ戦(再戦)を紹介します。

ロベルト・デュラン(パナマ)
身長170cm:オーソドックス(右構え)

①ロベルト・デュラン 10R 判定 フェリックス・エルナンデス
(スーパーミドル級戦、1998年)
(ダウンシーン)
1R:右カウンターでデュランがダウン
5R:右カウンターでエルナンデスがダウン
8R:右カウンター、右ストレートで2度、エルナンデスがダウン
(感想:1967年にプロデビューしたデュラン。1998年になっても戦い続ける。97年にはホルヘ・カストロと一勝一敗(カストロは元WBA世界ミドル級王者のタフ男。竹原慎二に王座を奪われた試合(95年)で日本でも有名)。エルナンデスはコロンビアの黒人。デビューから連勝だったが、ギレルモ・ジョーンズ(後のWBA世界クルーザー級王者)らを相手に連敗。IBFの地域王座戦(スーパーミドル級)にも敗北。直前の試合はTKO勝ちで、連敗を抜け出したばかり。パナマシティでの一戦。スラリとしたエルナンデス(身長179cm)。コロンビア国旗をイメージしたトランクス。デュランは光り輝く金色トランクス。1Rにハプニング。スリムな体型からジャブを出していたエルナンデスが右カウンター。見事なパンチでデュランがダウン。立ったデュランにエルナンデスが右ストレート、左右フック、右アッパー。相手の長いパンチに苦戦するデュラン。しかし、エルナンデスは思い切った打ち方をするが、右ストレートを打った後のバランスが悪い。2R、ホールドを使うエルナンデス。どうやら距離を取って戦いたいらしく、接近戦はホールドで回避するつもりらしい。5R、今度は逆に右カウンターでエルナンデスがダウン。リングにモノが投げ入れられて試合がしばし中断(なぜ「デュラン優勢」の状況で観客は試合の邪魔になる行為をしたのだろう? 興奮すると何かを投げたくなるのがパナマ人?)。それ以降、勢いはデュラン。左フックからの右ストレートなどで攻勢。エルナンデスは勢い、パンチのキレが落ちていく。8R、右カウンター、右ストレートでエルナンデスが二度ダウン。その後も攻めるデュラン。エルナンデスはアウトボクシング&ホールド。10R終了。ホールドにウンザリしたデュランがエルナンデスを突き飛ばす。判定は3-0。ハプニングはあったが、デュランが当てる巧さで勝利。年は取っても「コブシの頑丈さ」は健在。エルナンデスはバランスとスタミナ配分に問題。パンチ自体はシャープで迫力があって良かったが。その後のエルナンデス。再起戦でNABO王座(ミドル級)獲得。しかし、そこまで。以降は勝ったり負けたりだった。)

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