世界の名ボクサー:カルロス・サラテ③ラスト「正確無比なKOアーチスト」

WBC世界バンタム級王者。防衛戦&落城。ウィルフレド・ゴメス戦、ルペ・ピントール戦、ジェフ・フェネック戦、ダニエル・サラゴサ戦ほかを紹介します。

カルロス・サラテ(メキシコ)
身長173cm:オーソドックス(右構え)

①カルロス・サラテ 4R KO エミリオ・エルナンデス
(WBC世界バンタム級タイトル戦、1978年)
(ダウンシーン)
2R:左フックでエルナンデスがダウン
4R:ワンツーでエルナンデスがダウン
(感想:サラテがタイトル防衛。全勝サラテの八度目の防衛戦(この試合は日本ではテレビ東京で放送されたようだ。実況はあの杉浦滋男)。挑戦者エルナンデスはドミニカの黒人選手でWBC7位。「BOXREC」の記録ではさしたる実績は見られないが、TV画面のテロップには「19勝(13KO)5敗2分」とある。ラスベガス「シーザース・パレス」での一戦(メインイベントはあの伝説の試合「ケン・ノートン vs. ラリー・ホームズ」のWBC世界ヘビー級王座戦。ここから長い「ホームズ時代」が始まる)。挑戦者のエルナンデス。左右にダッキングしながら速いジャブ。右ストレート、左フックにもキレがある。サラテもワンツーからの左フックなどにキレが。右が得意のエルナンデス。思い切りのいい右フックを振るう。2R、左フックでエルナンデスがダウン。その後も互いに良いパンチを打つが、エルナンデスはパンチを打つときに隙がある。4R、キレイなワンツーでエルナンデスがダウン。立てず、KO。サラテがディフェンス&正確な強打で楽勝(次の試合はノンタイトル戦(TKO勝ち)。そして歴史に残る大一番、ゴメスへの挑戦)。エルナンデスはパンチ自体は良かったが、攻められると弱いところがあった。その後、エルナンデスは負けばかり。フリオ・ソト・ソラノ(後、渡辺二郎のWBC世界J・バンタム級王座に挑戦して判定負け)とドミニカ王座(バンタム級)を争って判定負け。それなりに実力はあったと思うが、サラテのような評価が高い王者に勝つには足りない部分があった。)

ここから先は

3,878字
この記事のみ ¥ 100
期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?