世界の名ボクサー:ジョージ・フォアマン⑥「巨象&戦う牧師」

世界ヘビー級王者。注目の試合。ゲーリー・クーニー戦、マイク・ジェームソン戦、アディルソン・ロドリゲス戦、ケン・ラクスタ戦、テリー・アンダーソン戦を紹介します。

ジョージ・フォアマン(アメリカ)
身長192cm:オーソドックス(右構え)

①ジョージ・フォアマン 2R KO ゲーリー・クーニー
(ヘビー級10回戦、1990年)
(ダウンシーン)
2R:左ストレート、右ストレートで2度、クーニーがダウン
(感想:10年ぶりのカムバック後、勝ち続けるフォアマン。これまでは無名、格下の相手が多かったが、今回は違う。ボブ・アラムが「強打者同士の試合が観たい」という理由で組んだカード。クーニーはかつて「ホワイト・ホープ(白人の希望)」と呼ばれた男。黒人が優勢な世界ヘビー級で「世界王座を獲るかもしれない」と期待されたのは遠い昔。ラリー・ホームズ、マイケル・スピンクスに負けたが、負けたことより集中力に欠けたような試合ぶりだったのが問題。フォアマン戦はスピンクスに敗れた再起戦となる。アトランチックシティで行われた一戦。またしてもクーニーはやる気があるのか無いのか分からないような試合ぶり。左ジャブで距離を取ろうとする。フォアマンは正確なジャブと体重を乗せた重いパンチ。2R、連打からの左ストレートでクーニーがダウン。立ったが、最後は強烈。左アッパーを食って動きが止まったクーニーにフォアマンが強烈な右ストレート、KO。フォアマンが豪快なKO勝ち。ワンツーに意外な速さがあった。一方、もう引退した方がよいと思うような倒され方だったクーニー。これで引退。)

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